映画 「八日目の蝉」

今日は映画の日ということで、「八日目の蝉」を見に行った。

原作は角田光代の小説。
野々宮希和子は、会社の上司との不倫の末、身ごもった子供を堕胎、
その直後に産まれた不倫相手の子供を一目見ようと
相手宅に忍び込み子供を抱き上げた瞬間、
笑いかけられそのまま連れ去ってしまう。

堕胎した子供につけるはずだった「薫」という名前を付け、
友人宅・名古屋・大阪・小豆島と逃避行を続けた。

映画では、友人宅・大阪・小豆島のみが描かれ、
大阪の隠れ場所「エンゼルホーム」がカルト集団の匂いが色濃く
なっていたり、小池栄子演じる千草の接近の仕方が唐突で、
簡単に受け入れるのだろうか、と少し違和感を感じる前半だった。
薫(本名は恵理菜)の本当の母親は原作では、自分も不倫をしていたため、
恵理菜が戻ってきてからは世間から批判を受けたのだが、
映画ではひたすら被害者としか描かれていない。

何とか恵理菜と近づこうと絵本を読み聞かせたりするが、
打ち解けない恵理菜。
星の歌を歌ってくれとせがまれ、キラキラ星などを歌うが、
その歌は違うと言われてしまい、切れる母親。
恵理菜(薫)が聞きたかった星の歌は、希和子とエンゼルホームから
逃げ出す時に生駒の山中で聞いた「見上げてごらん夜の星を」だった。

希和子の望みは、薫と一緒に生きるということだけ。
誘拐という犯罪からスタートしているのだが、小説でも映画でもその想いを
叶えさせてあげたいという気持ちが否定できなくなった。

小説の解説でも書いてあるが、出てくる男はろくな奴が出てこない。
不倫で相手を妊娠させても、逃げるだけ。
現実でも草食系男子が増えているようだが、男はいらない、男なしでも
生きていけると女性から言われているような映画だった。

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