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2026/03/18

笑点 vs 探偵ナイトスクープ 春風亭昇太 桂二葉 二人会 ②

 中入り後は予告通りに昇太が高座に上がる。


マクラで笑点メンバーの裏話を披露、笑点メンバーはやる気・生きる気が薄いという話。

落語家のサイン色紙にはイラストや好きな言葉を書くのだが、メンバー最年長の三遊亭好楽の本当の好きな言葉が、「ハードルは高ければ高いほどくぐりやすい」で大爆笑。


「宴会の花道」が二席目。

宴会をノンアルでやろうとなったとある部署、会費分好きなものを食べる会を行うことに。好きな物が、焼き鳥、寄せ鍋、焼きそば、白子、カニ味噌、ナタデココ、ショートケーキなどなど、酒もなく好きなものを食べ始めた最初は良かったが、会費5,000円分のショートケーキは食べきれない。ショートケーキを食べるのを手伝ってくれと部下に頼む部長だったが、皆も自分の担当を食べるので精いっぱい、「俺のショートケーキがたべられんのか!」と結局は昭和の飲み会のようになってしまうというストーリー。


ナタデココに時代を感じるが、スマドリという飲み方も言われる今に笑える噺。


新大阪に向けて旅立ちました。


代わって二葉、笑点よりも探偵ナイトスクープを、で爆笑をかっさらう。


「佐々木裁き」、西町奉行・佐々木信濃守と松屋町の桶屋の息子・四郎吉の口の戦い。

四郎吉らがお裁き遊びをしているところを目撃した佐々木信濃守、四郎吉親子を奉行所に呼びつけて、四郎吉を言い負かそうとあれこれ投げかけるが、どれも見事に切り返して返り討ちにあってしまう。


こまっしゃくれた子どもを演じさせたら、いま一番うまいのではないか?と思わせてくれるほど、憎たらしさ満タンの四郎吉だった。いいもん聞かせてもらった。



食べ物の話が多かったこともあり、帰りの居酒屋で焼きそば・焼き鳥を堪能した。


2026/03/15

笑点 vs 探偵ナイトスクープ 春風亭昇太 桂二葉 二人会①

 


サンケイホールブリーゼで行われた春風亭昇太と桂二葉の二人会を見に行った。

ブリーゼで落語を見たのはいつだろうと遡ると、2009年のことだった。


春風亭昇太の落語も2010年2月のオレスタイルだった。16年も前か。

春風亭昇太独演会 オレスタイルVOL.13


まずは二人が舞台に上がってのトーク。

この後2席ずつ、翌日のラジオ生放送に出るために会が終わり次第東京に戻るので、中入り後は昇太が先でトリは二葉が務めること、協賛のケンミンが観客にビーフンをプレゼントしてくれることなどを聞いた。


2人が引っ込んだ後は、前座として桂 九寿玉が六文銭を軽快に語った。


二葉の一席目は「ガマの油」。

ガマの油売りの口上が立て板に水のごとし、それだけに酔ったあとのグダグダ振りが、気持ち良い。


代わった昇太は「二番煎じ」。

火の用心で集まった旦那衆、2班に分けて交代で見回ることにするが、第1班が休憩所の番屋に戻ると、飲んではいけない酒を飲み始める。

そこにへやってきた役人に右往左往する旦那たち。風の煎じ薬と伝えるも酒が入った土瓶の中身を所望する役人、実は風邪っぽいのだと、飲み干してしまう。

無くなったという旦那衆に、「二番を煎じておけ」というサゲ。


酒やつまみのシシ鍋、特にネギを食べる様子が美味しそう。


16年振りの昇太、やっぱり面白い。

2025/12/30

立川談春独演会 芝浜@森ノ宮ピロティホール

 


森ノ宮ピロティホールでの立川談春の独演会。次の日はフェスティバルホールでのaikoとの玉響、早々に売り切れたので前日森ノ宮で芝浜をやって欲しいと頼まれての開催との説明があった。劇場は4月に抑えられていたとの話も。
立ち見が出るほど埋まっていた。

2本目の芝浜について、1本目の終了後にアンケートを取るので考えておいて欲しいと予告された。談志オリジナルに近い芝浜、そこから自分がやりたいと思った芝浜・平成版の芝浜、そしてコロナ明け後に作った令和版の芝浜の3つの中からどれを聞きたいか。

観客のリアクションが微妙だったのだろう、アンケートで決めるか自分に任せるのか拍手で聞いてみると、これもまた微妙な差。どうもアンケートを取って欲しいと言われると思っていたようだった。

じゃあもう今聞こう、とアンケートを取ると、談志オリジナル版に決定。
平成版、令和版は聞いた事があったので、談志オリジナル版を聞きたかったので良かった。

一本目はこれも大ネタの富久。
江戸の華である火事と富くじが合わさったストーリー、しっかりとマクラで説明しておかないとサゲがわからない噺の一つだな。

富久が終わると、インスタ投稿用の座席の写真を撮影するとのことで、ついでに舞台を撮影することができた。



15分の仲入りの後、マクラなく芝浜に入った。

平成版・令和版の違いとしては、夢と言って騙して申し訳なかった愛していたとはっきり言う所だろうか。

勝が久しぶりに浜にでて煙草を飲む時の様子が良かった。



今回も三本締めで終了した。

2025/01/10

玉響 さだまさし・立川談春 ふたり会 @ フェスティバルホール

 中之島美術館での鑑賞を終えてフェスティバルホールへ移動。


芸歴40周年の掉尾を飾る立川談春定例のフェスティバルホールの芝浜を聞きに行く。

今年はフェスティバルホールの素晴らしさを伝えてくれたさだまさしとのふたり会だ。



第1部が、談春の落語 「三方一両損」

大岡越前のお裁き物。宵越しの銭は持たないと言われた江戸っ子のお金に対する執着のなさが描かれる。気持ちの良い啖呵が聞きどころだった。

終わって、さだまさしにふたり会をお願いするもごねられたといった話を行い、さだまさしにバトンタッチ。


軽快なトークを挟みながら「案山子」を始めに計5曲を歌った。


初めて生で聞いたが、今頃いうかではあるが歌がうまい。そして良い。

もはや失われてしまった家族の繋がりがテーマの曲が多かったが、染みてきた。

談春の選曲ということだったが、初心者でも知っている歌を並べてくれたのも良かったのだろう。


ふたり会をごねたのは、落語をやらず歌だけ歌えと言われたからだ、から始まり、鉄板っぽい借金ネタなど、評判のトークの切れ味も最高だった。



15分の仲入りの後で、第三部「芝浜」へ。

「内助の功」をテーマにせず、令和の今でも通用する噺にするようにと話を変えていた。
ここの所こういったトライをしていたのだろう。

「夢がさめるといけねえ」も良いけど、こちらの芝浜もこれはこれで良かった。



妻の初夢は見なかった。

2024/07/24

芸歴40周年特別企画 立川談春独演会  ~ これから ~ @森ノ宮ピロティホール 7月17日

 7月も森ノ宮ピロティホールへ。

今月の席はF列の真ん中周辺、どんどんと前の方かつ真ん中に寄ってきた。

お馴染みの小春志から、今月は「粗忽の釘」。

8月6日にハルカスで独演会を演るとの情報も。

そそっかしい主人を熱演。


続いて談春が登場する。

「赤めだか」の話が出ることがあるので11年振りに再読しておいた。
落語に人生のすべてを捧げるのはおかしい、入門時の自分に声を掛けられるとすれば一応止めておく、との話があった。

7月は夏ということで怪談話、「妲己のお百」を演るので笑えるのは1本目の「百川」だけだよと、予告なのかくすぐりなのか脅かされる。

おっちょこちょいの噺で好きな噺とのことだったが、今まで聞いた事のなかったのが不思議なぐらい落語っぽい噺だった。

「百川」

日本橋にあった料亭「百川」
「百川」で実際にあった話とも、「百川」を宣伝するために作らせた話とも言われているそうだ。
田舎から奉公にやってきた百兵衛、奉公初日から二階の客の御用聞きを頼まれ向かうも、百兵衛も客たちもお互いに聞き間違って、互いに全く違うように捉えたまま話が進んでいく。

談春の描く百兵衛がちょっとお馬鹿で愛すべきキャラクター、客に呼ばれたら返事しながら上がりなさいと主人に言われたので、「うっし」と声を上げて部屋に入って来る描写が可笑しくてじわじわ笑いがやって来る。

長谷川町 三光新道の歌女文字(かめもじ)を連れてくるように遣いを頼まれるも、見つけられず、三光新道の「”か”の字のつく名高い人」で探すと、外科医の鴨池玄林(かもじげんりん)先生と言われて連れて帰って大騒ぎが起こる。

愉快だった。

15分の中入り後、「妲己のお百」へ。

「妲己」は中国殷王朝末期の妃で、悪女の代名詞的存在。
美濃屋の女主人になっていたお百、ある時目を患っている元芸者母娘が店の前にやってきて、住むところがない母娘と一緒に住むことに。

しかしそれは同情ではなく、器量よしの娘を吉原に売り飛ばすことができると考えたためだった。母親を目の治療に出している間に娘を売り飛ばす。戻ってきた母親には奉公に出たとウソをつき、挙句の果てに2階に監禁し、邪魔になると男を使って母親を殺す。

娘に合わせるとウソをつき、河原におびき出して殺害する場面、照明が落とされ白い着物だった談春が舞台に浮き上がる演出が効いていた。

殺害現場から帰ろうとする男に取りつく母親も恐ろしかった。




良いものを聞かせてもらった。

2024/07/03

芸歴40周年特別企画 立川談春独演会  ~ これから ~ @森ノ宮ピロティホール 6月12日

 6月12日 水曜日夜の会に出かけた。

やっぱり日曜日より人の入りは少ない。




今月も小春志からスタート。

「湯屋番」
遊びが過ぎて勘当された大家の若旦那、大工職人の2階に居候の身の上。湯屋の奉公を勧められ、湯屋にやってくる若旦那。女湯を見たがったり、番台に上ろうとしたり、働く気もない若旦那だったが、来客の間に主人の代わりに番台に上る事に。

女湯には客はいなかったが、入ってきたお客に惚れられる妄想を爆発させる、という噺。
 
代わって高座に上がった談春。今月も小春志のひっくり返した座布団に小言と言いつつ、まくらも弄る。地味な違う話をしようとしていたのを、もっとウケる話をやっても良いんだよと談春が言ったので「湯屋番」に変えたという裏話も。

「慶安太平記 吉田の焼き打ち」

先月聞いた「善達の旅立ち」の続き、首尾よく三千両を手に入れ、吉田の宿に投宿した善達と飛脚が、如何に吉田の包囲網を破って逃げるかというストーリー。

前回よりも軽快に語られたように感じたが、前は12年前だったのか記憶は薄れている。

15分の中入りの後、「品川心中」へ。

品川の花魁・お染、行事の金が工面できないので適当な客と心中しようと企て、まんまと金蔵に一緒に死ぬと言わせてしまう。いざ心中、となると腰が引ける金蔵を品川の海に突き落として、さあ私もという所で金ができたことを知らされ、飛び込むことを止めて店に戻る。

浅瀬で助かり親分に助けを求めた金蔵。化けて出たと思わせて仇を取るという知恵を授けられ、親分と一緒にお染を騙すのが後半。

談春で聞いた中でも上位に入る面白さ、60分以上の長い長い話であったが、長さを感じさせず笑わせてもらった。



大阪の芸人に一番厳しいのは、大阪の人だと談春。

毎月見に行かないでしょ、落語家は毎月独演会ができるのであればみんなやりたいと思ってるよ、と言われ、確かに・・・と思わされたのだった。


7月も行きます。


2024/04/13

芸歴40周年特別企画 立川談春独演会  ~ これから ~ @森ノ宮ピロティホール 4月3日

 十か月連続公演中の立川談春の独演会を久しぶりに。

これまでやっていたことに気づいておらず、4月3日(水)の会から参戦。

楽しみだったのは「百年目」だ。

米朝の「百年目」が絶品、マネジメント講習として聞かせても良いのではないかと思っているぐらいだが、談春がどう料理するか楽しみだった。


開演ぎりぎりに到着、席に座ると間もなく開演した。


一番弟子 昨年真打に昇進した小春志の「家見舞」からスタート。

兄貴分の新築祝いを探す2人組の男たち、お金がなさ過ぎて、水瓶が買えず古道具で見つけた肥瓶だった。臭くて水がめにはならないが、兄貴分の家に持ち込んで水を張って誤魔化した。喜んだ兄貴分は、かめの水を使った料理を振舞ってくれるが・・・ という貧乏だが義理堅くおっちょこちょいな江戸っ子のお話。


代わって談春の登場。

客の入りが悪いようで、自虐的に突っ込みが入る。休憩でも次回以降のチケット販売のアナウンスが流れていたので、大阪はチケット販売に苦戦しているのかも。


談志が得意で、談春も前座時代からやっていたという「よかちょろ」。

遊び呆けている息子・若旦那が掛け金を回収しに行ったまま帰ってこない事に、ついに堪忍袋の緒が切れた父親。帰ってきた息子に勘当を言い渡そうとするも、ただ遊んできたのではない、「よかちょろ」を仕入れてきたと、ちょっと父親を喜ばせる。

で、「よかちょろ」って何だ?となり、よかちょろ節を歌って果たして勘当される、という流れ。

説明によると「山崎屋」という噺の前半部分、この後もこんな風に続いていくと、演じてくれる。「百年目」と同じような噺になるといっていたが、「よかちょろ」をかけたことが、「百年目」のマクラになっていた。


休憩なしでやるか、どうするか、じゃあ休憩10分!と言って休憩へ突入。



それでも15分語に「百年目」がスタート。


花見ではじけている所を見つかったその晩、暇を出せるだろうと紋々とする番頭の葛藤が、よーく伝わってきた。

翌朝になり、旦那に昨日は何故「百年目」と言ったんだという本来のサゲがやってきたが、そこはさらっと通過する。そこからが談春版「百年目」だった。

過去の帳簿を調べたが問題は全くなかった、問題がないのにクビにするとこちらの信用に関わると告げる旦那。

そこから番頭が奉公に来た時の昔話になり、出来が悪く家に帰せと言われたこともあったが、良い所を見抜いて使い続けたと語られる。

米朝がマクラで振っていた「旦那」という言葉の由来ー「栴檀(せんだん)」と「南縁草(なんえんそう)」を伝える。栴檀が美しく咲き誇れるのは、根元の南縁草のおかげ。南縁草も栴檀の降ろす露のおかげで繁ることができる。どちらが上・下という事はなく、どちらが欠けても存在しえないのだと。


ここまできて独立しろと声を掛ける旦那。番頭の下を育てるのは番頭の仕事と思っていたが、番頭を話さなかったのは自分だったかもしれないと反省の弁を述べる旦那も素晴らしい。

徹夜で帳面を調べたから久しぶりに肩を揉んでくれと番頭にお願いする旦那さん、こんな流れになれば泣くしかない番頭は涙が止まらない。そんなに涙を落されるとこっちが南縁草になってしまう、という談春版のサゲで終わった。


こちらの「百年目」もマネジメント研修に使えるなあ。

2016/06/26

立川談春独演会 2016@ロームシアター京都 

2016年6月25日(土)に立川談春 独演会が、平安神宮のすぐ隣
ロームシアター京都 サウスホールで開催された。




新しい700席余りのホール、フェスティバルホールこけら落としの志の輔・談春 二人会に
続いて、1列目の真ん中の席だった。

「紙入れ」と「ねずみ穴」の2席。
どちらも森ノ宮ピロティ(別日)で聞いたことがあり、談春の高座では2回目となる。

「紙入れ」
http://hynkapi.blogspot.jp/2012/04/20124.html

「ねずみ穴」
http://hynkapi.blogspot.jp/2011/12/blog-post_10.html




「紙入れ」のサゲが、江戸と上方で違うとのこと。
上方は、「騙される旦那の顔が見てーか、ほらこんなの!」と自分の顔を出すのだそうだ。
そっちのサゲは聞いたことがない。

「ねずみ穴」 2度目の火事の後、娘を売り、売った金を掏られる件など、
落ちる所まで落ちる描写が、前回より盛り気味とか思ってしまったが、
前回も同じように聞いてたのか、すっかり忘れていた。



2016/01/05

立川談春独演会「芝浜」@フェスティバルホール


2015年12月26日(日) フェスティバルホールで立川談春独演会「芝浜」を鑑賞。

フェスでクラシックを聴いてみたいと思いながら、2014年6月の談春独演会以来の
フェスティバルホール、またしても落語を聴きに来たのだった。

http://hynkapi.blogspot.jp/2014/06/blog-post.html


最近の人はテキ屋を知らないんじゃないか、屋台が大好きとマクラを
降りながら一席目は「蝦蟇の油」




見事な口上が決まったのは良いが、酒に酔っぱらいほろ酔い気分で、
またひと儲けしようとするも、今度はグダグダという落語らしいお馴染みの一席。

終わると幕が下りず、マイクを片手にステージ上に。
この独演会翌日の12月27日にドラマ「赤めだか」が放映されるので
宣伝を兼ねて、出演者が決まる経緯や撮影裏話を聞くことができた。

休憩を挟んで、「芝浜」。

正直な所、年末に「芝浜」って、ベタじゃないかと思っていたが、
聴いて良かった。毎年の恒例にしても良いかも。

筋はわかっている訳なので、夫がいなくなって欲しくないと、
芝浜で拾った皮の財布は夢にしようと、必死になるおかみさんに
涙がちょちょぎれた。

それで夢と思い込んで、働きに働くわけだから、勝五郎は単純でいい人間なんだ。

ある意味いい夫婦。


そういやまだドラマ見てないな。

2014/06/03

立川談春 三十周年落語会「もとのその一」 ②

繰り返しになるが、「除夜の雪」が終わり、兄妹ユニット "Time" のクラシック音楽。
さだまさしの長男 佐田大陸 ヴァイオリン  長女 佐田詠夢 ピアノ の二人である。

①でも触れたが、演奏は素晴らしく、クラシックも聞きに行きたくなったなあ。
トークの時間があまりなかったが、子供の頃に談春に懐かなかったのは、
ゲゲゲの鬼太郎に出てくる妖怪に似てたから、と実はトークも面白そう。
この辺りは父親ゆずりか。

Timeの演奏の合間に、「除夜の雪」を米朝師匠に習いに行った時の
エピソードを語ってくれる談春であったが、興に乗りに乗って、
袖で待つ二人をそっちのけで、話をしてくれたのだった。

この話が面白い!

談志と米朝 2人会のエピソード
米朝師匠にお願いするのを頼んだ小米朝(現・米團治)の天然さ
米朝一門と談志一門の稽古の相違点
後光が差す米朝師匠(笑)

「赤めだか」で書かれていないエピソード盛りだくさん。
この中入前のトークで、終演時間が伸びるおまけつき。

速く話すには技術が必要だ、と談春さん。
「除夜の雪」も20分を切ってやりなさい、と米朝師匠に言われたが、
今日は33分掛かってしまったのだそうだ。

iPodに入れている米朝「除夜の雪」(平成2年11月22日 大阪証券コスモホールで収録)
は、お囃子入れて、21分34秒だ!
御寮さんが幽霊とわかった時より、ぞくっとした(笑)

(テレビで見た時の感想↓)
http://hynkapi.blogspot.jp/2010/01/blog-post_495.html


「らくだ」

絶品の一席だった。


「らくだ」は上方の噺ではないか


という気持ちがゼロではなかったのは確かだった。
それでも、屑屋が酔っぱらって立場が逆転するシーンを
どう表現するのか見たくて、この日のチケットを買ったのだった。


実は泣き上戸だった兄貴分 丁目の判次が泣きながら語る。

騙して生きたカエルを二分で売りつけた上にぼこぼこ殴った
屑屋の事を、らくだは実は好きだったんだと言うシーン。

屑屋は真面目に生きてくれと言うシーン。

祝儀不祝儀の付き合いも避けられるらくだの事を想いながら、
酒を酌み交わす二人。

貧乏でも役立たずでも周りに嫌われても、それでいいんだ、
って感じがじんわりと伝わってきた。

テンパると師匠に似てくると終演後に談春が言っていた。

談志の「らくだ」を聞いたことがないけれど、
談春「らくだ」の終盤、「落語は業の肯定」という言葉が浮かんでいた。

大劇場ということも、3階席最後列ということも忘れ、二人を見てました。

帰りに日本酒が飲みたくなって、梅田で一杯やりましたとも。


30周年記念落語会の「もとのその一」は、千利休の言葉から取ったそうだ。

稽古とは 一より習い 十を知り 十よりかへるもとのその一

20周年は「生きる」をテーマにした落語、
30周年は「死」がテーマになりそう、と語る。

また、聞きに行きたくなった。

2014/06/02

立川談春 三十周年落語会「もとのその一」 ①  

2014年5月31日(土) フェスティバルホールに談春が戻ってきた。

足かけ2年を掛け、30周年記念落語会を全国で開催する、その初日。

チケット発売日から今日の噺は決まっており、「除夜の雪」「らくだ」。
正面から上方落語をぶつけてきた。


「もとのその一」は千利休の
言葉から取ったとのこと。
それは後ほど。


ちょうど昨年の5月に、新生フェスティバルホールのオープニングに合わせて
志の輔・談春の2人会に来て以来のフェス、談春さんの会である。

http://hynkapi.blogspot.jp/2013/05/blog-post_18.html
http://hynkapi.blogspot.jp/2013/05/blog-post_19.html

談春さんの落語が楽しみなのはもちろんだが、大げさに言うと2つのテーマを持って出かけた。

その1 半袖で聞く 「除夜の雪」ってどうなの?

             5月後半というのに、全国的に真夏日。ホント暑い。
             当日も30度を超える晴天、果たして大晦日の噺は成立するのだろうか。          

その2 フェスティバルホールの3階最後列で聞く落語はどうなの?

     チケット購入が遅れてしまい、手に入ったのは3階席8列目という最後列の席。
     思えば昨年5月の2人会は、最前列ど真ん中で鑑賞できたので、
            同じフェスで最前列と最後列で落語を聞くことに。
            って、そんな後ろで、落語の世界に入ることができるのだろうか。


結論から言うと、2つとも成立したというか、十二分に楽しんだ。

正直 米朝の「除夜の雪」の方が、シンプルにまとまっていて好きだが、
和尚を腐しながらも、炭にあたって寒さに耐える坊主たち、
お寺に広がる雪景色、伏見屋の御寮さんが幽霊でやってくる後半、
どれを取っても違和感なかった。

また、一番後ろでも落語の世界にしっかりと入り込んだ。特に「らくだ」は。

音響もばっちりなんだろうけれど、笑い声までタイムラグなしで届くとは
思わなかった。違和感なしは凄い。

この会では、落語だけでなく、親交深いさだまさしさんの長男・長女が、
ヴァイオリン・ピアノの演奏を聞かせてくれたのだが、この演奏の素晴らしかったこと。
特にヴァイオリンの音の響き・広がりに感動。
最後列だったからこそ感じることができたかもしれない。

演者の実力があることが大前提だが、クラシックも落語も成り立たせる
フェスティバルホールの懐の深さを思い知らされた。

今更ながら、フェスティバルホール、凄い。

2013/11/09

ゆうちょ 笑福亭鶴瓶落語会@森ノ宮ピロティ

2013年11月9日 森ノ宮ピロティの笑福亭鶴瓶落語会を見に行ってきた。

大学時代にパペポTVを何度か見に行ったことがあるが、
落語を生で見るのは初めて。生どころか、落語を聞くのは初めてだ。

着物ではなく、カジュアルなスタイルで舞台に登場。
このところついてない、今日も出かけに家の鍵が見つからなかった、
と鶴瓶噺がスタートした。

よくどうでもいいと思うが、子供の頃に指に竹をさしたら抜けなくなった時も
「もうええわ」とあきらめた、と言う話や奥さんが玲子さんだったなあと
パペポで聞いた話がばんばん飛び出し、笑いながらも懐かしい気分に浸る。

一旦舞台裏に引っ込み、着替え。
その間に師匠・松鶴の旧自宅を寄席にした「無学」などの映像が流れる。

「ALWAYS お母ちゃんの笑顔」
遅れてやってきた最前列ど真ん中の家族に子供がいたので、
「青木先生」とどっちをやろうと悩んで、こっちの話に。

末っ子・「学」とお母ちゃん、どちらが上かの真剣勝負。
ババタンゴのエピソード、久しぶりに聞いた。

「かんしゃく」
師匠である六代目笑福亭松鶴が主人公。
松鶴の弟子に対する愛情、鶴瓶の師匠に対する愛情に溢れた噺だ。
鶴瓶が松鶴を物真似(!?)しているのを聞いたのも久しぶりだ。

中入りの後、トリの「お直し」。

江戸の噺を大阪・新町の噺に作り替えたとのこと。
旬を過ぎた花魁と客引き牛太郎、色町ではご法度だが恋に落ち、
夫婦となる。
牛太郎が夜遊びに惚け、全てを失ってしまう。
けころの店を開いて、心機一転を図りたいのだが、という古典落語。

真面目に落語に取り組み始めたのは、ここ10年と言っていたが、
不遜な言い方だが、しっかりとした古典を聞かせてもらったのが意外。


「青木先生」といった鶴瓶噺を聞いてみたかったけど、
「らくだ」とか古典をもっと聞きたくなったなあ。

オチを言って高座を下りる時にすまし顔じゃなくて、手を振って下りろと
言われたと「鶴瓶噺」で言っていたが、今日の3席が終わった後では、
手を振りながら下りていた。

うん、確かにその方が、鶴瓶にぴったり。


「鶴瓶噺」
「ALWAYS お母ちゃんの笑顔」
「かんしゃく」
「お直し」

2013/05/19

志の輔・談春 祝祭落語会@フェスティバルホール 2


20分の中入後、志の輔が登場。
高座を見るのは、2009年7月以来だ。

「徂徠豆腐」 志の輔

豆腐屋七兵衛が、ある長屋で美味しそうに食べる若者に豆腐を売るが、
金がなく無銭飲食される。

聞けば学者を目指して食べるよりも本を読む毎日の若者、
施しは受けたくないという意も汲んで、その日からおからを届ける七兵衛。

ところが病気で寝込んで数日訪問できなかった。
回復して長屋に飛んで行ったが、引っ越しして、どこに行ったかわからなかった。

その後、七兵衛の豆腐は評判が評判を呼び、
上野増上寺の近くに店を出し、売れっ子の豆腐屋となった。

好事魔多し。

大火事によって、店は全焼し、知り合いの長屋に夫婦で転がり込むのが
精いっぱいだった。

この先どうやって暮らそう、途方に暮れる二人に、見知らぬ見舞客が
10両をもって現われ、そのお金で1年間を暮らすことができた。

1年後に、あの学者を目指していた若者がやってきた。
10両を出したのもこの人間。豆腐屋も建て直し、もう一度豆腐を作って欲しいと言う。

この男は、赤穂浪士を善とする世論と討ち入り処分の板挟みの状況下、
赤穂浪士に切腹をさせ、幕府と赤穂浪士のメンツを守った荻生徂徠だった。

この男が荻生徂徠ということに、ガッテンして頂けましたでしょうか、
と志の輔 鉄板ネタが入った。
今までの独演会では、マクラで聞くことが多かったのだが、この日は噺の終盤に。

新しい豆腐屋で作った豆腐を売りに行く前に、徂徠に食べてもらおうと
お屋敷を訪れる。

この座敷での七兵衛と徂徠のやり取りが、温かい。
七兵衛も徂徠も見返りを期待した行動ではなかったが、
結果、情けは人の為ならず、互いが互いを思いやる気持ちが心に沁みます。

こちら志の輔もさすが、笑わせ・笑わせ・最後にほろり。
めっちゃ豆腐食べたい(笑)


いったん幕が降りるも、なり続く拍手の中、もう一度二人で登場。

談春は照明を暗くしすぎて、何も見えない真っ暗闇の中で落語をしたそうだ。

家元が見ていたら、俺の方がうまくやる、と言うだろうなあ、と
談志の弟子ならではのコメント。
二人ともやりきった感がにじみ出ていた。

最後は三本締めでお開き。

チケットは6列目だったが、オーケストラピットを塞いでおり、
実質1列目、しかもど真ん中。
この雰囲気の中に身を置けたのが、幸せだった。

機会があれば、フェスで談春の「慶安太平記」をやって欲しいなあ。
絶対にハマるはず。

http://hynkapi.blogspot.jp/2012/04/20124.html

http://hynkapi.blogspot.jp/2012/04/20124_28.html


2008年12月25日と言えば、春風亭昇太を聞きに行っており、
昇太自身から、どうしてこっちに来たんだ、と言われ、
ハンカチまでもらったのだった(笑)

http://hynkapi.blogspot.jp/2008/12/vol11.html


2013/05/18

志の輔・談春 祝祭落語会@フェスティバルホール 1

4月10日 新しいフェスティバルホールがオープン。
オープニングシリーズとして、5月14日 志の輔と談春の二人会が実現した。




「口上」 志の輔&談春

幕があがると、紋付袴の二人が高座の上に。

頭上から降り注ぐフェスの拍手を味あわせてやりたいとさだまさしに言われた、
改修直前の旧フェステバルホールで落語をやった縁(2008年12月25日)で、
新生フェスでも落語やるかいと誘われた。
一人ではもったいないと、兄弟子の志の輔を誘うと、ハイハイとOKが出たこと。
この落語会が開催されるに至った経緯が談春からあった。

続いては志の輔。
2700人の拍手が舞台上一点に集中している設計、
「あ」と発した声が、はじめ人間ギャートルズのようにそのままの形で飛んでいく、
この舞台で落語が受け入れられるかは、落語の神様に掛かっていること。

新生フェステバルホール、志の輔&談春という当代きっての人気噺家の会、
観客も期待感と一種異様な緊張感に包まれていた。


「大工調べ」 談春

溜めた店賃の片に取られた道具箱を、大家から取り返そうとする棟梁と与太郎。
口の聞き方を完全に間違えて、返してもらうどころか、
大家はどんどんへそを曲げ、道具箱奪還が遠のいていく。

今回の噺は、ここからが最大の見せ場だった!

流れ者をどれだけ村の者が助けたか、芋販売の金を貧乏人に高利で貸し付けて儲けた、
おまえのカミさんは世話になった大家のカミさんだ、そいつを奪った、
罵詈雑言を立て板に水どころか、フッ素加工した板に水さながらに啖呵を切った。

この啖呵の切れ味するどさったら!
どんどんどんどん、談春ワールドに引き込まれていったのだった。

兄弟子との二人会、昨年12か月間大阪で独演会を開いている、というのは、
出せるネタの幅を狭めるのではないかとの危惧は、まさに杞憂に終わった。
高い期待のハードルを楽々と超えて行った。


2013/05/07

5月3日 GW特別公演 @繁昌亭

2006年に大阪に復活した落語の定席、「天満天神繁昌亭」。
http://www.hanjotei.jp/

落語を聞きに行っていながら、今まで足を運んだことがなかった。
50周年を迎えたざこば師匠を一度見てみたかったので、
5月3日の繁昌亭 夜席のチケットを購入。

京都から京阪・JRで大阪天満宮までやってきた。

大阪天満宮 門前に位置する 1階2階席 計216席
今回2列目で見ることができて、演者が近いこと


トリはざこば師匠でなくて、あやめさん。
「?」と思ったが、理由は後で判明


桂ちょうば 「狸さい」

ざこば 5番目の弟子。
「らくごのご」などテレビで、ざこばに怒鳴られるシーンしか覚えがなかったが、
どうしてどうして、しっかりと沸かせてくれた。

月亭文都 「替り目」

月亭八方 2番目の弟子。
今年3月に八天から、7代目文都を襲名したとのこと。

酒を喰らってばかりの男、飲んで帰って来ても家で飲ませろと奥さんに絡む。
肴を買いに行かせた後で、腹の中では感謝してるんや、と可愛げのある
旦那をコミカルに。

笑福亭鶴二 「野ざらし」

6代目笑福亭松鶴の一番下の弟子。
「かくに」じゃないで「つるじ」やで、とつかみ。

河原で髑髏を見つけて供養したら、いい女(幽霊)がお礼に来てくれた
と聞き、俺もと河原にやってきた男。

妄想シーンでも着いて来て、とマクラで振るのがわかるほど、
妄想爆発、大爆笑に巻き込まれた。

お礼に来てくれた女(幽霊)とのやり取りを妄想するシーンは、
吉本新喜劇の木村進を思い出してしまった。

姉様キングス 音曲漫才

全然面白くないとは思ってなかったが、想像以上に笑わせてもらったのが
姉様キングスこと「姉キン」。

登場しただけで、びっくり!
桂あやめ(バラライカ)と林家染雀(三味線)のユニット。
http://page.freett.com/rakucyakai/ayame.html

米朝師匠をいじり、都都逸・金色夜叉のパロディー、
ボケ突っ込みのテンポ良く、エエ声してるし、最高。

吉本や松竹でも、かしまし娘・ちゃっきり娘・宮川左近ショーなど
楽器を使った漫談が昔はよく見られたので、何だか懐かしい。


桂ざこば 「天災」

姉キンが荒らしに荒らした舞台を、登場するなり自分の空気に換えてしまったのは
さすが大御所。声にならない「フmmmm-」を聞くだけで可笑しい。

何年か前にテレビで大笑いした「天災」。
キレやすい男のキャラがざこば師匠自身に重なり、一番好きな噺だ。


                            - 仲入 -

四天王の額も


桂朝太郎 「マジカル落語」

後半最初は、手品。
米朝の弟子みたい。
やる気がなさそう、失敗するように見せながら、
決める所は決める、という芸風のようだ。

隣に座っていた小学生の男の子が、身を乗り出して楽しんでいたのが
印象的だった。


林家染雀 「金明竹」

白塗りを落とし、髪も洗って乾かしてきましたー、という風で登場。

きっちりと「金明竹」をやりきった、こっちが本職だと言わんばかりに。


桂あやめ 「京阪神日常事変」

女性は、白塗りを落として、また化粧しなければならないので大変。
トリを務めたのは、力ももちろんあるが、ここしか間に合わないのであった。

大阪、神戸、京都のOLが食事しながら、それぞれの地域の差違を面白おかしく
いじる新作落語。

千林我孫子(大阪)、北白川雅(京都)、岡本みかげ(神戸)という名前だけで
もうウケた。

神戸のメロンパンは、サンライズといってアーモンド型で中にあんこが
入っているらしい。本当か!?





いやー、どの噺も面白かったー。笑った、笑った。

もっと早く見に来るんだった。



2012/12/30

談春独演会 2012年12月@森ノ宮ピロティ

 大阪・神戸で12ヶ月連続の独演会も、ついに楽日を迎えた。 




今月亡くなった中村勘三郎さんとの思い出話でスタート。

「赤めだか」を気に入ってもらい、会うようになったこと。
 (仮名手本?)忠臣蔵の舞台中、切腹したら出番が終わるから、
鑑賞ついでにと、対談が設定された。

しかし、観客や仕出弁当屋も途中入場できない四段目の途中、出番が終わった勘三郎さんを
待たせてはならぬと、決死の覚悟で途中退場した話など、
意外な関係性を披露。

「六尺棒」

放蕩息子が、遊んで夜中に帰ってくると、家は父親によって締められており、
謝っても、もう勘当だと入れてくれない。

他人に家を取られるくらいなら、燃やしてやると、火付けする息子。
何をするんだ、と手元にあった六尺棒を手に息子を追いかけまわした。

父親をやり過ごし、がら空きの家に入り、逆に父親を締め出した。

家に帰り締め出されたとわかった父親。
「そこまで真似るなら、六尺棒を持って追いかけて来い」がサゲ。

一席目は、いかにも落語らしい落語といった噺だった。


「富久」

幇間の久蔵は、酒でいろいろな旦那の仕事をしくじっていた。
ある時、「松の1111番」の富くじを買い、家の神棚に祀り、寝入った。

夜中、しくじった旦那の家の付近が火事だと起こされ、
駆けつけたことで、再度出入りを許された。

火事見舞い客の相手をし、酒を頂き寝ると、今度は自分の家が火事になり、
失ってしまう。

旦那の家で養ってもらうが、真面目な商家になじめない久蔵。
富くじを買っていたことを思い出し、当日寺に行くと、見事に千両が当たる。

しかし、札がないと賞金を受け取ることができない。
千両と言わず、半分でも、一割でもいいから受け取りたい、
借金を返して家を建てたい、という叫びが痛い。

失意のどん底に沈む久蔵だったが、鳶の頭が火事場から、
神棚を持ち出してくれており、無事札を手にすることができた。

この千両でどうすると言われた久蔵、
「これでご近所のお祓い(払い)をします」というサゲ。

酒で失敗するも憎めない久蔵に幸せになってもらいたいという
周囲の気遣いが暖かい。

ジェットコースターに乗ってるような久蔵の身の上だが、
年末にぴったりのハッピーエンドな噺だった。


1年間続いた独演会を締めくくるように、会場全員の三本締め(東京版)で終了した。


勘三郎さんに「これからは思ってるように上手くいかない」と言われたそう。
「気になる人には会っておいた方がいい」という談春師匠の言葉が印象的だった。

1年間を通じて、4回 計8席の噺を聞いたが、4月の「慶安太平記」が一番好きだった。
落語というより、映画のようなスピード感、毎月の独演会だからこそのネタであった。
もう生で聞くことはないんだろうなあ。


2012/09/29

立川談春独演会 2012年9月@森ノ宮ピロティ

9月26日 12か月連続公演も残すところ、後4回となった。
7月以来、3回目の鑑賞。

今回は、「おしくら」「五貫裁き」の2席。

















前座代わりに、と長いマクラからスタート。

国立劇場で行われた6代目文枝襲名披露公演に出演。
吉本100周年と上方落語復興の立役者 文枝の襲名に
ついてのコメントでやらかしたこと。

打ち上げの飲み会で、鶴瓶より面白い(?)落語家を巡る鶴瓶話。

新幹線車内で出会った、ラッパー風青年とのちょっと不思議な談春話。

どうしても話しておきたかった、と30分以上の長いマクラだった。

「おしくら」
2009年5月 サンケイブリーゼで聞いて以来、2回目。

初めて聞いた前回の方が印象に残っているが、
宿の女将である婆さんは、何回聞いても可愛らしく、
落語では異色のキャラクターに出来上がっている。


「五貫裁き」

大岡政談、大岡裁きもの。「一文惜しみ」とも言うようだ。

人生をやり直すために、八百屋を開きたいと
奉加帳を持って回ってお金を集めろと、大家に助言を受けた八公。

一番最初に回ったのは、よりにもよってケチで有名な質屋「徳力屋」。
1文しかもらえなかったことにキレると、逆に袋叩きに。

またまた大家の助言に従い、奉行所に訴え出るも、
逆に奉行・大岡に敗訴、5貫(5,000文)を毎日1文ずつ、取次の徳力屋に
渡しに行けと言い渡される。

これを早朝や深夜に1文ずつ支払いに来るは、主人の徳力屋万右衛門と
五人組が一緒に奉行所に持ってこい、と言われる始末。

こんなことを5貫(13年程度)続けられては、たまらんと、10両を持って示談に
八公を訪れた万右衛門だったが、欲をかいた大家と八公、
八公の祖父に店のピンチを助けられた恩を忘れたか、と10両での示談を蹴飛ばす。

考え直した万右衛門は、50両の示談金と新しい八百屋を八公にプレゼントしたのだった。
真面目に商売する八公、八百屋は繁盛する。
実はあの八百屋は徳力屋が準備したもの、徳力屋もやるじゃないかと
評判になり、更に繁盛した、という講談噺。

情けは人のためならず、エエ話やなあ、という感想だったのだが、
こちらは円生のサゲ。

談志のサゲは違って、持ちなれない大金を持って姿を消した八公、
施しをするやさしさが仇となり徳力屋は潰れ、大家はその後すぐ死んだ、
というもの。
人間に対するシニカルな視点からのサゲ、嫌いではない。

10月は、「九州吹き戻し」を掛けるとのこと。
つまらなく難しい噺、毎月連続独演会にぴったり、
高座に掛けるのはこれが最初で最後かも、って言ってたし。


2012/08/04

立川談春独演会 2012年7月 @森ノ宮ピロティ

2012年7月31日(火) @森ノ宮ピロティ

4月以来、今年2回目の談春独演会に。

今回の2席は、6月の神戸公演の際に希望を聞き、「包丁」「紺屋高尾」。
どちらも談春で聞いたことがある噺、両方ともトリのネタにしていい
長いネタである。

何故?と思ってたが、談春も神戸が悪いんです、
「包丁」が神戸牛のすき焼きで、「紺屋高尾」がステーキ、
すき焼きの後でステーキを食べてもらい、この選択をしたことを
後悔させます(笑)と、熱帯夜の牛肉祭りが開かれた。

「包丁」
2010年京都の独演会以来2回目。
http://hynkapi.blogspot.jp/2010/04/blog-post_29.html

マクラが良かった。

落語には、この話はこの落語家しかできない、という売り物という
言葉があるらしい。
「包丁」は、6代目圓生の売り物だった。

談志が30代の頃に、「包丁」やると言いだし、談志が包丁をやると話題になり
チケットも売れた。
高座の3日前にようやくテープを聞くと、このネタはできない、圓生師匠の噺だ、
と談志。
そんなこと言ったって、チケットは売れてるし、中止するわけにはいかない。
それを談志に言うと、代演を立てるという。しかも圓生師匠に頼むと(笑)。

本当に頼みに行って、喜んで受けてくれた圓生師匠。
当日、高座に上がるなり、「包丁」はできません、代演を立てますと
行ってすぐに引っ込んだ。
当然、客はどうなってるんだ!という雰囲気になった途端に、
圓生の出囃子が鳴り、またまた騒然。

やっぱり客は圓生師匠の方が聞きたかったんだ、という談志が
楽屋でつぶやいてたらしい。

談志の弟子では、談春と志らくの2人しか、「包丁」はやってないらしい。
共に真打昇進試験に掛けた噺とのこと。


「紺屋高尾」
2009年サンケイブリーゼ以来2回目。
この時は新型インフルエンザ騒ぎの最中だったなあ。
http://hynkapi.blogspot.jp/2009/05/blog-post_7411.html

何度聞いても良い話だなあ、という感想。
全く現実的ではないと思われた久蔵の一途な想いが、
高尾に届いたのだが、久蔵が幸せなのか、こんなに惚れられた高尾が
幸せなのか、哲学的な事を考えた一席だった。

と言うのも、前回は久蔵の思いが苦しくなるほど伝わってきたのだが、
今回は抑え気味だったかな。
2009年のサンケイブリーゼでは、ちょうど久蔵の顔が向く延長線上に
席があったのも一因かも。

終了は、21:30過ぎ。たっぷりと牛肉を頂いた。

最後は希望を聞いていたが、希望を聞かないで、
難しくて面白くない噺をどんどんやって欲しい。


2012/04/28

立川談春独演会2012 4月@森ノ宮ピロティホール 2

「慶安太平記 吉田の焼き打ち」

15分の中入り終了後、「吉田の焼き打ち」スタート。
善達の旅立ちとは話が繋がっているとのこと。

二人して金飛脚を襲い三千両を手に入れ、吉田の宿に投宿。
そこで下手人が吉田の宿に泊まるはずなので、
誰も外に出してはならぬ、翌朝調べるという命を伊豆守が出していることを知る。

このままでは逃げられないと悟り、飛脚は宿の主人を言いくるめて、
外出し脱出のネタを仕込んでくる。
火事を起こすための火薬を町中に仕掛け、その騒動の間に逃げようと
いう算段だ。

誰も出してはならないという命に背いて飛脚を外に出したはいいが、
2時間を帰ってこないことにビビる主人を番頭が弄るやり取りと
火薬を仕掛けられた家の老夫婦のやり取りはユーモア溢れていて、
「善達の旅立ち」よりも笑い声がホールに響いた。

火事の混乱の中を首尾よく逃げ出して、ここまでくればもう安心、
という二人の方を叩く人間が。
そっと振り返ると、それは由比正雪だった。

というこれから!という場面で終わり。

江戸時代、長い時は90日連続で演じられた講談だったので、
「切場」と言われる最後の場面の盛り上げが上手い。
正直、こんなところで切られたら毎日行かないと堪らない。

「慶安太平記」は面白くないどころか、他の段もあるならもっと聞きたい
という気持ちにさせられた。
ただし、今の落語ブームの中で「落語」を聞きに来て、
いきなり「慶安太平記」が始まったら、騙されたと思うかもしれない。

談春も言っていたが、この噺を高座にかけるのに、日本で最も相応しくない
のが大阪。

フェスティバルホールの「芝浜」をはじめ、ここ数年大阪・神戸で独演会を重ねた。
それは、談春はこんな芸を見せる、と客にわからせて、談春の「慶安太平記」を聞く
土壌を耕してきたのじゃないかと思ってしまった。

4回目で初鑑賞となった独演会2012だったが、いいものを見せてもらった。

立川談春独演会2012 4月@森ノ宮ピロティホール 1

2012年4月25日(水) 19:00開演。

神戸と大阪で今年1年間毎月催している独演会の4回目。
毎月夫婦で見に行っていると、お金が続かない。
チケットを1枚だけ取ってどちらかが見に行くことにしたのだが、
出張などでようやく足を運べた。

「紙入れ」
妖艶な色気を出す女性が少なくなった、不倫という言葉を聞くと何か
良いことでやってみたくなる、とマクラを振って、「紙入れ」からスタート。

世話になっている旦那の奥さんとやんごとなき関係になってしまった男が、
奥さんの誘いを断り切れず、旦那の留守中に迫られてたところに、
旦那が急に帰宅。慌てて逃げ出すも、よりにもよって旦那にもらった
紙入れを忘れてしまう。

翌日様子をうかがうために旦那の家を訪ねるとばれてない様子。
それでも違う旦那の話として、カクカク云々と話をすると、
奥さんが出てきて、「そんな奥さんなら、旦那を家に入れる前に
紙入れを見つけてしまっているわ」
旦那「紙入れに気づいても、女房を取られるような男だ。
そこまでは気がつくまい」がサゲ。

そろそろ難しくて面白くない話が出るかと身構えていたので、
「紙入れ」が始まって、正直ちょっと気が抜けた。

「慶安太平記 善達の旅立ち」
下がることなく、「紙入れ」はサービスで、難しくて面白くない
「慶安太平記」をやると言う。
談誌の「慶安太平記」を聞いて、格好いいなあと感じ、
やりたかったのだと言う。

芝・増上寺が3年に一度、三百両を京の本山まで運ぶという仕事がある。
行き5日帰り5日という超ハイペースで往復しなければならず、
しかも道中には切り取り強盗が跋扈し、金を届けることができなければ
死んで詫びなけらばならないという厳しいもの。
それゆえ誰をやりたがらないが、善達が手を挙げ、三百両を身につけ出発。

すぐに怪しい飛脚がぴたりとついてきて、どんなに急いでも離れない。
実はこの飛脚は、紀州藩から徳川家に奉納される三千両を
奪おうとしていたのだった。

協力を求められる善達が報酬として三百両を求めると、
利害が一致せず二人は真っ暗やみの中で刀を抜き、切りつけ合うが、
そこへ三千両を運ぶ金飛脚が通りかかる足音が聞こえてきて・・・

という所で、「善達の旅立ち」はここまで、中入りとなった。

講談から落語に作り変えられたこの噺、確かに笑う場面は多くない。
しかし、善達と飛脚が京へ向け進むにつれ、噺にのめりこんでた。
特にラストの闇夜の場面では、息をすると相手に気配を悟られるのでは
ないかと思ってしまうくらい入り込んでしまった。