立川談春独演会 2012年9月@森ノ宮ピロティ

9月26日 12か月連続公演も残すところ、後4回となった。
7月以来、3回目の鑑賞。

今回は、「おしくら」「五貫裁き」の2席。

















前座代わりに、と長いマクラからスタート。

国立劇場で行われた6代目文枝襲名披露公演に出演。
吉本100周年と上方落語復興の立役者 文枝の襲名に
ついてのコメントでやらかしたこと。

打ち上げの飲み会で、鶴瓶より面白い(?)落語家を巡る鶴瓶話。

新幹線車内で出会った、ラッパー風青年とのちょっと不思議な談春話。

どうしても話しておきたかった、と30分以上の長いマクラだった。

「おしくら」
2009年5月 サンケイブリーゼで聞いて以来、2回目。

初めて聞いた前回の方が印象に残っているが、
宿の女将である婆さんは、何回聞いても可愛らしく、
落語では異色のキャラクターに出来上がっている。


「五貫裁き」

大岡政談、大岡裁きもの。「一文惜しみ」とも言うようだ。

人生をやり直すために、八百屋を開きたいと
奉加帳を持って回ってお金を集めろと、大家に助言を受けた八公。

一番最初に回ったのは、よりにもよってケチで有名な質屋「徳力屋」。
1文しかもらえなかったことにキレると、逆に袋叩きに。

またまた大家の助言に従い、奉行所に訴え出るも、
逆に奉行・大岡に敗訴、5貫(5,000文)を毎日1文ずつ、取次の徳力屋に
渡しに行けと言い渡される。

これを早朝や深夜に1文ずつ支払いに来るは、主人の徳力屋万右衛門と
五人組が一緒に奉行所に持ってこい、と言われる始末。

こんなことを5貫(13年程度)続けられては、たまらんと、10両を持って示談に
八公を訪れた万右衛門だったが、欲をかいた大家と八公、
八公の祖父に店のピンチを助けられた恩を忘れたか、と10両での示談を蹴飛ばす。

考え直した万右衛門は、50両の示談金と新しい八百屋を八公にプレゼントしたのだった。
真面目に商売する八公、八百屋は繁盛する。
実はあの八百屋は徳力屋が準備したもの、徳力屋もやるじゃないかと
評判になり、更に繁盛した、という講談噺。

情けは人のためならず、エエ話やなあ、という感想だったのだが、
こちらは円生のサゲ。

談志のサゲは違って、持ちなれない大金を持って姿を消した八公、
施しをするやさしさが仇となり徳力屋は潰れ、大家はその後すぐ死んだ、
というもの。
人間に対するシニカルな視点からのサゲ、嫌いではない。

10月は、「九州吹き戻し」を掛けるとのこと。
つまらなく難しい噺、毎月連続独演会にぴったり、
高座に掛けるのはこれが最初で最後かも、って言ってたし。


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