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2024/11/06

千秋楽 芸歴40周年特別企画 立川談春独演会  ~ これから ~ @森ノ宮ピロティホール 10月15日 

 今年1月から毎月森ノ宮ピロティで開催されていた立川談春の独演会も10月15日の会が千秋楽だった。

2か月ぶりに駆け付けた。全部で5公演を鑑賞できた。



次にいつピロティの舞台に立つことができるかわからないと小春志。
しかし来年2月14日には吉坊との二人会も東大阪でやることになっており、中入でチケットも販売。

短めに「つる」で締めてくれた。

続いて登場の談春、「つる」の噺で好きな箇所が飛んでいたので、何故やらなかったんだと聞いたら、時間短縮ですと答えたそう。

千秋楽も大ネタを2つ、一本目は「ねずみ」。談春で聞くのは初めて。

左甚五郎もの、仙台の宿場の外れで子供に頼まれて、ぼろ宿に泊まることになった甚五郎。後妻と番頭に乗っ取られた虎屋の向かいで、宿屋「ねずみ」を営む親子にねずみを掘ってあげると、評判になって大繁盛するというストーリー。

虎屋に虎の彫り物が飾られると動いていたねずみがぴたっと止まってしまうが、甚五郎にあれは虎だと彫り物のねずみに伝えると、なんだ猫かと思ったとまた動き始める、というお馴染みのサゲ。

15分の仲入りの後で「御神酒徳利」、こちらも談春で聞くのは初めてだ。

八百屋の主人公が、通いの商家で女中に邪険にされたので、懲らしめのために御神酒徳利を隠して、それを当ててあげようとする噺の流れではなかった。
師走の大掃除で自分がしまった御神酒徳利が無くなったと大騒ぎになるも忘れており、家で思い出すも今更言い出せず、さあどうしようと妻に相談する善六。家の掃除で3度は易で失せ物を見つけることができるという書物を見つけたので、やってみようと巻き込まれていく流れは同じになっていく。

神奈川宿の新羽屋での事件を見事に解決するところまでは同じだが、その続きがあった。

鴻池の主の娘が原因不明の病に罹り、原因がわからない。善六占いでと連れて来られたが、ここまで来ると何とかしてあげたいと、断食と水断ちをして何とか助けてあげて欲しいと熱心に祈る。満願の夜、新羽屋で解決してあげた稲荷が現れて、屋敷の下に埋められている観音像を掘り出せば娘の病気は治ると告げられ、翌日見事に観音像が見つかり、娘の病が全快した。

鴻池の商家でのやり取り、大坂の町を称える描写もあり、大阪での会の千秋楽のトリにこの噺を持ってきたのだなあと得心した。


年末12月28日、さだまさしとの会をフェスティバルホールでやる事に触れ、恒例の3本締めで10か月の公演を締めくくった。

2024/10/06

 ~ 桃花二葉 ふたり会@近鉄アート館 ~

 9月30日(月) あべのハルカスの近鉄アート館で行われた桃花二葉 ふたり会を鑑賞。

18日には東京・中野で行われ、今回は大阪。



口明けは笑福亭 喬明「牛ほめ」

入門4年目 24歳、甲高い声でマクラもそこそこに牛ほめを終え、主役に2人にバトンタッチ。

トップは桂二葉、京都で仕事を終え到着したばかりの桃花の化粧をいじり、「つる」へ。
「つる」という噺は、「つー」と「る」と言うだけ、と振って、安定の「つる」を聞かせてくれた。

化粧道具を手に、桃花が登場。
年季明けに一緒になろうと約束した花魁に騙されて仇討するという八五郎。着物に刃物を突き立てると血が流れ仇討ができたという中国の故事を基に、花魁からもらったものに仇討しろと叔父に言われ、もらった写真に刃物を突き立てた所、血が流れるも、自分の手を切ったというサゲ。

仲入り後、2人が登場して立ちトーク。
桃花の主食はグミ、ケータリングを遠慮せず持ち帰ることや池袋演芸場で「桃花三十一夜~蝶花楼桃花31日間連続独演会」で毎日違う噺を下したという話が暴露された。

後半は一席ずつ。

桃花は、三遊亭白鳥作の新作落語、「マキシム・ド・呑兵衛」。
流行っていない居酒屋 呑兵衛を営む祖父母に銀座のフランス料理屋のサービスを参考にしてもらおうと孫娘が、「マキシム・ド・パリ」に連れ出す。

「マキシム・ド・パリ」の料理やサービスを居酒屋 呑兵衛で再現しようとするが・・・、
という落語の基本が詰まった一席。

これは面白かった。

トリは二葉の「近日息子」。
父親のために医者、葬儀屋、お寺の住職を読んできて、親父が亡くなったとご近所が悔やみを言いにやって来るが、喪章に「近日」と書いてたのにご近所が慌て者だ、という噺だが、
悔みを言いに来たご近所のやり取りが爆笑を誘った。
言い間違い・聞き間違いが多いが謝らない人間に、徐々にヒートアップしていく様を熱演。

笑わせてもらったなあ。


人気の二人の特徴が出た良い会だった。

320席強というハコも良かったかも。

2024/08/27

豚と野菜 ~ 串焼き酒場のぼせもん ~

落語が終わり、森ノ宮駅前の居酒屋へ。



串焼き酒場のぼせもん

野菜を豚肉でまいた串焼きがメインのお店。

串焼きの前につまみをつまみながら、一杯目は店が推しているザ・プレミアム・モルツ。


炙り〆鯖


絶妙なポテトサラダ

3連休の最終日だからか、品切れしているメニュー多く、早速串焼きに入る。



うずらベーコン巻き、ニラチーズ巻き、えのき豚巻き、アスパラ豚巻き、万ねぎ豚巻き

じっくり焼かれてカリカリの豚バラに、野菜の甘さがぴったり。


トマト豚巻き

トマトの酸味と豚バラが一番マッチしていた。

調理されていたレタスやエリンギが美味しそうだったので次があれば食べてみたい。


関連ランキング:居酒屋 | 森ノ宮駅大阪城公園駅玉造駅(大阪メトロ)

2024/08/22

芸歴40周年特別企画 立川談春独演会  ~ これから ~ @森ノ宮ピロティホール 8月12日

8月は祝日(山の日)での開催で、ほぼ満席の入りだったように見受けられた。 



三席の予定だったので、小春志さんは出て来ないのかなあと思っていたら、しっかり登場。
先月告知していた阿倍野での落語会にも触れ、「芋俵」を軽快に。

代わって登場した談春、弟子を連れて来ているのを忘れていたので、平身低頭で短めに終わらせるようお願いしたことをばらしたのだった。

夏、花火の話として「たがや」からスタート。

隅田川の川開きの花火大会、両国橋の上は人・人・人で大混雑。
そんな橋の真ん中を通ろうとする侍、旗本のご一行。

ちょうど逆側から仕事を終えて家に戻ろうとするたが屋が、橋を通ろうとする。
真ん中でばったり会い、無礼者だとお屋敷に呼ばれるが、喧嘩っぱやいたが屋、啖呵を切って侍たちを切り倒す。

庶民のレジスタンス。

こんなに色彩豊かにやる落語家はいないと言うほど、血しぶきが飛びかう派手な噺だった。


続けて「子猿死七之助」に。

講談の噺。船頭と芸者だけの二人だけで乗るのはご法度だったが、お滝と七之助の二人で浅草に向っていると、永代橋での身投げに出くわす。

 助けて事情を聞くと、集金した30両をイカサマ博打ですってしまったので飛び込んだと。30両があれば死ななくても良いのだなと、お滝に出してくれとお願いする七之助だった。
イカサマ博打から金を取り返してやると更に事情を聞く七之助だったが、名前を聞くとそれまでとは打って変わった様子に。そして船の揺れに合わせて突き落としてしまう。

実はその男は七之助の実の親だった。しゃべられると、困るので突き落とした七之助。船に乗っていたお滝も口封じのために殺そうとするが、惚れた男に殺されるのなら本望だ、と思いもよらない言葉がお滝の口からこぼれる。
いやいやそんなことでは許さないという七之助に、お前でなければ禁じられている二人舟はしない、今晩告白しようとしていたんだ、と口説きにかかるお滝。
このやり取りが艶っぽかった。

鳴り物は、桂吉坊が担当したとのこと。上方の中堅落語家が身に来ているとの話も出ていた。


仲入り後に「景清」に入った。
元は上方落語だったとのこと。

母と二人暮らしのめくらの木彫師の定次郎が、眼が見えるようにと日朝さんにお参りする。21日目の満願の日、隣にやって来た女性に気を取られると見えかけていた目が再び真っ暗に。

日朝さんに罵詈雑言を浴びせる定次郎だったが、世話になっている旦那のところへ行く、と上野の清水観音へ100日、それでもだめなら200日・300日とお参りするように勧められた。

そしてお参り100日目。しかし、そしてまた目は真っ暗なままで悪態をつく定次郎だったが、にわかに降り出した雨、雷に打たれて倒れるとそのショックで目が見えるようになっていた。

仏様に啖呵を切る威勢の良さが小気味よい。




三本締めで終了した。

2024/07/24

芸歴40周年特別企画 立川談春独演会  ~ これから ~ @森ノ宮ピロティホール 7月17日

 7月も森ノ宮ピロティホールへ。

今月の席はF列の真ん中周辺、どんどんと前の方かつ真ん中に寄ってきた。

お馴染みの小春志から、今月は「粗忽の釘」。

8月6日にハルカスで独演会を演るとの情報も。

そそっかしい主人を熱演。


続いて談春が登場する。

「赤めだか」の話が出ることがあるので11年振りに再読しておいた。
落語に人生のすべてを捧げるのはおかしい、入門時の自分に声を掛けられるとすれば一応止めておく、との話があった。

7月は夏ということで怪談話、「妲己のお百」を演るので笑えるのは1本目の「百川」だけだよと、予告なのかくすぐりなのか脅かされる。

おっちょこちょいの噺で好きな噺とのことだったが、今まで聞いた事のなかったのが不思議なぐらい落語っぽい噺だった。

「百川」

日本橋にあった料亭「百川」
「百川」で実際にあった話とも、「百川」を宣伝するために作らせた話とも言われているそうだ。
田舎から奉公にやってきた百兵衛、奉公初日から二階の客の御用聞きを頼まれ向かうも、百兵衛も客たちもお互いに聞き間違って、互いに全く違うように捉えたまま話が進んでいく。

談春の描く百兵衛がちょっとお馬鹿で愛すべきキャラクター、客に呼ばれたら返事しながら上がりなさいと主人に言われたので、「うっし」と声を上げて部屋に入って来る描写が可笑しくてじわじわ笑いがやって来る。

長谷川町 三光新道の歌女文字(かめもじ)を連れてくるように遣いを頼まれるも、見つけられず、三光新道の「”か”の字のつく名高い人」で探すと、外科医の鴨池玄林(かもじげんりん)先生と言われて連れて帰って大騒ぎが起こる。

愉快だった。

15分の中入り後、「妲己のお百」へ。

「妲己」は中国殷王朝末期の妃で、悪女の代名詞的存在。
美濃屋の女主人になっていたお百、ある時目を患っている元芸者母娘が店の前にやってきて、住むところがない母娘と一緒に住むことに。

しかしそれは同情ではなく、器量よしの娘を吉原に売り飛ばすことができると考えたためだった。母親を目の治療に出している間に娘を売り飛ばす。戻ってきた母親には奉公に出たとウソをつき、挙句の果てに2階に監禁し、邪魔になると男を使って母親を殺す。

娘に合わせるとウソをつき、河原におびき出して殺害する場面、照明が落とされ白い着物だった談春が舞台に浮き上がる演出が効いていた。

殺害現場から帰ろうとする男に取りつく母親も恐ろしかった。




良いものを聞かせてもらった。

2024/06/02

芸歴40周年特別企画 立川談春独演会  ~ これから ~ @森ノ宮ピロティホール 5月12日

5月の独演会にも出かけた。

4月よりも客の入りが多かった。


今月も一番弟子・小春志の「千早ふる」からスタート。

在原業平の「ちはやふる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」という歌の意味を聞かれて本当はわからないご隠居が、適当に話をでっち上げるという噺。

さも本当はそういう意味だと言わんばかりのご隠居の解釈を、小気味よく連ねて、先月の「家見舞」よりも上手いなあと思わせてくれた。

小春志の座布団の返し方をいじりながら談春の登場。

今回も客の入りについて話しながらスタート、水曜日の夜の客の入りが少ない、東京が特に少ないそう。テレワークの影響で、平日の都心の人出が極端に少ないのだそうだ。

最初は、「慶安太平記 善達の旅立ち」。2012年に同じく森ノ宮ピロティで聞いた「慶安太平記 吉田の焼き打ち」以来の慶安太平記、楽しみだった。
吉田の焼き打ちの1つ前の話。

増上寺の大広間に集められた坊さんに、京都の知恩院まで三百両届けるが、往復10日で金を盗まれたら自腹で補償するが、無事帰って来たら褒美をもらえると言う依頼に、六尺一寸もある大男・善達が手を上げる。

出立すると謎の男に付きまとわれる。どんなに出し抜いたと思ってもすっぽんマークの男。知恩院に行く事もしっており、一緒に行こうと誘われる。
覚悟を決めて一緒に行く事を決意する善達、ひたすら京へ向かう。

大井川を越え、山の中、宇津ノ谷峠で、紀州三座の金飛脚3千両を奪うのが真の目的だと男から打ち明けられる。奪った後で疑われた際は、一緒に京まで行くと口利きしてくれとお願いされるも、分け前が少ないと抗う善達に麓の方からシャンシャンシャンと紀州三度の金飛脚が上がる音が聞こえてくる・・・

ここで終了、やっぱりめちゃくちゃいい所で次回へ続くとなる。

こちらも良いね。6月はこの続き2編、楽しみでしょうがない。

15分休憩の後で「居残り佐平治」。

1時間強、短くしようにもこれ以上「詰まらない」話だといっていたが、長さを感じない絶品の「居残り佐平治」を聞かせてもらった。




2024/04/13

芸歴40周年特別企画 立川談春独演会  ~ これから ~ @森ノ宮ピロティホール 4月3日

 十か月連続公演中の立川談春の独演会を久しぶりに。

これまでやっていたことに気づいておらず、4月3日(水)の会から参戦。

楽しみだったのは「百年目」だ。

米朝の「百年目」が絶品、マネジメント講習として聞かせても良いのではないかと思っているぐらいだが、談春がどう料理するか楽しみだった。


開演ぎりぎりに到着、席に座ると間もなく開演した。


一番弟子 昨年真打に昇進した小春志の「家見舞」からスタート。

兄貴分の新築祝いを探す2人組の男たち、お金がなさ過ぎて、水瓶が買えず古道具で見つけた肥瓶だった。臭くて水がめにはならないが、兄貴分の家に持ち込んで水を張って誤魔化した。喜んだ兄貴分は、かめの水を使った料理を振舞ってくれるが・・・ という貧乏だが義理堅くおっちょこちょいな江戸っ子のお話。


代わって談春の登場。

客の入りが悪いようで、自虐的に突っ込みが入る。休憩でも次回以降のチケット販売のアナウンスが流れていたので、大阪はチケット販売に苦戦しているのかも。


談志が得意で、談春も前座時代からやっていたという「よかちょろ」。

遊び呆けている息子・若旦那が掛け金を回収しに行ったまま帰ってこない事に、ついに堪忍袋の緒が切れた父親。帰ってきた息子に勘当を言い渡そうとするも、ただ遊んできたのではない、「よかちょろ」を仕入れてきたと、ちょっと父親を喜ばせる。

で、「よかちょろ」って何だ?となり、よかちょろ節を歌って果たして勘当される、という流れ。

説明によると「山崎屋」という噺の前半部分、この後もこんな風に続いていくと、演じてくれる。「百年目」と同じような噺になるといっていたが、「よかちょろ」をかけたことが、「百年目」のマクラになっていた。


休憩なしでやるか、どうするか、じゃあ休憩10分!と言って休憩へ突入。



それでも15分語に「百年目」がスタート。


花見ではじけている所を見つかったその晩、暇を出せるだろうと紋々とする番頭の葛藤が、よーく伝わってきた。

翌朝になり、旦那に昨日は何故「百年目」と言ったんだという本来のサゲがやってきたが、そこはさらっと通過する。そこからが談春版「百年目」だった。

過去の帳簿を調べたが問題は全くなかった、問題がないのにクビにするとこちらの信用に関わると告げる旦那。

そこから番頭が奉公に来た時の昔話になり、出来が悪く家に帰せと言われたこともあったが、良い所を見抜いて使い続けたと語られる。

米朝がマクラで振っていた「旦那」という言葉の由来ー「栴檀(せんだん)」と「南縁草(なんえんそう)」を伝える。栴檀が美しく咲き誇れるのは、根元の南縁草のおかげ。南縁草も栴檀の降ろす露のおかげで繁ることができる。どちらが上・下という事はなく、どちらが欠けても存在しえないのだと。


ここまできて独立しろと声を掛ける旦那。番頭の下を育てるのは番頭の仕事と思っていたが、番頭を話さなかったのは自分だったかもしれないと反省の弁を述べる旦那も素晴らしい。

徹夜で帳面を調べたから久しぶりに肩を揉んでくれと番頭にお願いする旦那さん、こんな流れになれば泣くしかない番頭は涙が止まらない。そんなに涙を落されるとこっちが南縁草になってしまう、という談春版のサゲで終わった。


こちらの「百年目」もマネジメント研修に使えるなあ。

2020/11/08

文春落語オンライン 柳家喬太郎独演会Vol.9

5月から毎月開催さえている文春落語オンライン 柳家喬太郎独演会。

8月の怪談話以来、2度目の視聴だ。

・松竹梅

・小言幸兵衛

・質問コーナー


時々スタッフと思われる人の笑い声が漏れ聞こえるが、反応がないとやりにくいだろうなあ。


質問コーナーで、時代背景が変わってしまった古典をやる上でのやりにくさを問われ、「小言幸兵衛」で子どもができない女房と縁を切れ、という部分を取り上げ、喬太郎のキャラからは意外な熱い話が続いたのが印象的。

6日(金)にライブのウルトラマン落語も面白そうだな。

2020/03/05

視点が変われば  ~ 崇徳院 ~


遊んだこともないし詳しくもないのだが、百人一首の本を読んでいて、思いのほか知っている歌があってびっくり。

古典の時間に習ったんだろうか。

落語「崇徳院」で「せをはやみー」が耳に残っているので、77番 崇徳院の和歌ぐらいしか知らないと思っていた。

瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ

wikipedia 崇徳天皇より


この崇徳院、鳥羽天皇の長男でありながら、鳥羽天皇の祖父・白川法皇の子供ではないかと疑われ(俗説?)、天皇に即位後に弟に譲位をさせられたという歴史がある。

そして保元の乱に敗れ、讃岐に流され一生を終える。

歌の内容や落語から、恋の歌と思っていたが、崇徳院の身の上を考えると、天皇の地位や京の都に対しての思いを綴ったのかもしれないなあ。




2019/12/15

#いだてん最高じゃんねぇ  いだてん大円団


低視聴率ばかりが話題となった大河ドラマ「いだてん」の最終回。

スポーツ観戦ファンとしては見なければと初めて見始めた大河ドラマだったが、
楽しませてもらった。

どこを取ってもドラマだらけだったなあ。

ストックホルム五輪 マラソン競技中に死去したラザロ。

シマちゃん、人見絹江、前畑秀子、東洋の魔女、自分の生き方をつかみ取っていった
女性たち。



わかりづらいと言われていた落語パートもしっかり着地。

1年間かけての伏線回収は、流石はクドカンと言う所か。

1964年の東京五輪を見たかった。
来年の東京五輪まで再放送してもいいんじゃない?

インドネシア選手団を拍手で迎えないといかんな。

2014/06/03

立川談春 三十周年落語会「もとのその一」 ②

繰り返しになるが、「除夜の雪」が終わり、兄妹ユニット "Time" のクラシック音楽。
さだまさしの長男 佐田大陸 ヴァイオリン  長女 佐田詠夢 ピアノ の二人である。

①でも触れたが、演奏は素晴らしく、クラシックも聞きに行きたくなったなあ。
トークの時間があまりなかったが、子供の頃に談春に懐かなかったのは、
ゲゲゲの鬼太郎に出てくる妖怪に似てたから、と実はトークも面白そう。
この辺りは父親ゆずりか。

Timeの演奏の合間に、「除夜の雪」を米朝師匠に習いに行った時の
エピソードを語ってくれる談春であったが、興に乗りに乗って、
袖で待つ二人をそっちのけで、話をしてくれたのだった。

この話が面白い!

談志と米朝 2人会のエピソード
米朝師匠にお願いするのを頼んだ小米朝(現・米團治)の天然さ
米朝一門と談志一門の稽古の相違点
後光が差す米朝師匠(笑)

「赤めだか」で書かれていないエピソード盛りだくさん。
この中入前のトークで、終演時間が伸びるおまけつき。

速く話すには技術が必要だ、と談春さん。
「除夜の雪」も20分を切ってやりなさい、と米朝師匠に言われたが、
今日は33分掛かってしまったのだそうだ。

iPodに入れている米朝「除夜の雪」(平成2年11月22日 大阪証券コスモホールで収録)
は、お囃子入れて、21分34秒だ!
御寮さんが幽霊とわかった時より、ぞくっとした(笑)

(テレビで見た時の感想↓)
http://hynkapi.blogspot.jp/2010/01/blog-post_495.html


「らくだ」

絶品の一席だった。


「らくだ」は上方の噺ではないか


という気持ちがゼロではなかったのは確かだった。
それでも、屑屋が酔っぱらって立場が逆転するシーンを
どう表現するのか見たくて、この日のチケットを買ったのだった。


実は泣き上戸だった兄貴分 丁目の判次が泣きながら語る。

騙して生きたカエルを二分で売りつけた上にぼこぼこ殴った
屑屋の事を、らくだは実は好きだったんだと言うシーン。

屑屋は真面目に生きてくれと言うシーン。

祝儀不祝儀の付き合いも避けられるらくだの事を想いながら、
酒を酌み交わす二人。

貧乏でも役立たずでも周りに嫌われても、それでいいんだ、
って感じがじんわりと伝わってきた。

テンパると師匠に似てくると終演後に談春が言っていた。

談志の「らくだ」を聞いたことがないけれど、
談春「らくだ」の終盤、「落語は業の肯定」という言葉が浮かんでいた。

大劇場ということも、3階席最後列ということも忘れ、二人を見てました。

帰りに日本酒が飲みたくなって、梅田で一杯やりましたとも。


30周年記念落語会の「もとのその一」は、千利休の言葉から取ったそうだ。

稽古とは 一より習い 十を知り 十よりかへるもとのその一

20周年は「生きる」をテーマにした落語、
30周年は「死」がテーマになりそう、と語る。

また、聞きに行きたくなった。

2014/06/02

立川談春 三十周年落語会「もとのその一」 ①  

2014年5月31日(土) フェスティバルホールに談春が戻ってきた。

足かけ2年を掛け、30周年記念落語会を全国で開催する、その初日。

チケット発売日から今日の噺は決まっており、「除夜の雪」「らくだ」。
正面から上方落語をぶつけてきた。


「もとのその一」は千利休の
言葉から取ったとのこと。
それは後ほど。


ちょうど昨年の5月に、新生フェスティバルホールのオープニングに合わせて
志の輔・談春の2人会に来て以来のフェス、談春さんの会である。

http://hynkapi.blogspot.jp/2013/05/blog-post_18.html
http://hynkapi.blogspot.jp/2013/05/blog-post_19.html

談春さんの落語が楽しみなのはもちろんだが、大げさに言うと2つのテーマを持って出かけた。

その1 半袖で聞く 「除夜の雪」ってどうなの?

             5月後半というのに、全国的に真夏日。ホント暑い。
             当日も30度を超える晴天、果たして大晦日の噺は成立するのだろうか。          

その2 フェスティバルホールの3階最後列で聞く落語はどうなの?

     チケット購入が遅れてしまい、手に入ったのは3階席8列目という最後列の席。
     思えば昨年5月の2人会は、最前列ど真ん中で鑑賞できたので、
            同じフェスで最前列と最後列で落語を聞くことに。
            って、そんな後ろで、落語の世界に入ることができるのだろうか。


結論から言うと、2つとも成立したというか、十二分に楽しんだ。

正直 米朝の「除夜の雪」の方が、シンプルにまとまっていて好きだが、
和尚を腐しながらも、炭にあたって寒さに耐える坊主たち、
お寺に広がる雪景色、伏見屋の御寮さんが幽霊でやってくる後半、
どれを取っても違和感なかった。

また、一番後ろでも落語の世界にしっかりと入り込んだ。特に「らくだ」は。

音響もばっちりなんだろうけれど、笑い声までタイムラグなしで届くとは
思わなかった。違和感なしは凄い。

この会では、落語だけでなく、親交深いさだまさしさんの長男・長女が、
ヴァイオリン・ピアノの演奏を聞かせてくれたのだが、この演奏の素晴らしかったこと。
特にヴァイオリンの音の響き・広がりに感動。
最後列だったからこそ感じることができたかもしれない。

演者の実力があることが大前提だが、クラシックも落語も成り立たせる
フェスティバルホールの懐の深さを思い知らされた。

今更ながら、フェスティバルホール、凄い。

2014/01/19

お寺で初笑い @第63番札所 密教山 胎蔵院 吉祥寺

1月3日には、63番札所でもある吉祥寺で、落語会があると知って駆け付けた。

第63番札所 密教山 吉祥寺

土佐沖で難破したイスパニア船の船長が
長宗我部元親に贈ったマリア像を
吉祥天のように美しい観音像だと
代々伝わっているというエピソードが興味深い。

お隣の新居浜市を中心に活動しているアマチュア落語家 「芸乃」一門の落語家さん。
芸乃鵜飼、芸乃樽斗、芸乃虎や志の3人が、本堂で一席ずつ披露してくれた。

何でもこの落語会は毎年恒例のようで、また呼んでもらって嬉しいとのことだった。

樽斗さんは、古希を迎えたそうだが、一門では一番の若手とのことで、
師匠然とした見た目とのギャップで、お客さんをしっかり掴み、落語でも笑いを取っていた。

トリの虎や志さんは、粗忽長屋! お正月にお寺で聞くとは!
本堂だけに寒かったが、新年早々に落語で楽しませて頂いた。

落語会の後は、境内で福餅が行われて、近所の子供たちが楽しそうに
餅を拾っていた。
(ご納経を頂いた時に、福餅もしっかり頂きました)

今回感じたことは、日常の生活にお寺があるということ。

普段、お寺との関係って、ほとんどなく法事、最近は仏像を見に行くので
参拝するけど、亡くなった後で関係が主となっている気がする。

落語の噺で伺い知ることができるが、供養だけでなく、わからないことを教えてもらったり
縁談の相談など、困ったらお寺、という存在だったのではないだろうか。

薬師寺や一休寺を参拝した時に聞いた講話などは、生きる指針であったり、
人間学・自己啓発の本を読んでいるかのよう。
ある意味カウンセラーでもあるなあ。

 薬師寺 東西両塔特別公開

 酬恩庵 一休寺


2013/11/09

ゆうちょ 笑福亭鶴瓶落語会@森ノ宮ピロティ

2013年11月9日 森ノ宮ピロティの笑福亭鶴瓶落語会を見に行ってきた。

大学時代にパペポTVを何度か見に行ったことがあるが、
落語を生で見るのは初めて。生どころか、落語を聞くのは初めてだ。

着物ではなく、カジュアルなスタイルで舞台に登場。
このところついてない、今日も出かけに家の鍵が見つからなかった、
と鶴瓶噺がスタートした。

よくどうでもいいと思うが、子供の頃に指に竹をさしたら抜けなくなった時も
「もうええわ」とあきらめた、と言う話や奥さんが玲子さんだったなあと
パペポで聞いた話がばんばん飛び出し、笑いながらも懐かしい気分に浸る。

一旦舞台裏に引っ込み、着替え。
その間に師匠・松鶴の旧自宅を寄席にした「無学」などの映像が流れる。

「ALWAYS お母ちゃんの笑顔」
遅れてやってきた最前列ど真ん中の家族に子供がいたので、
「青木先生」とどっちをやろうと悩んで、こっちの話に。

末っ子・「学」とお母ちゃん、どちらが上かの真剣勝負。
ババタンゴのエピソード、久しぶりに聞いた。

「かんしゃく」
師匠である六代目笑福亭松鶴が主人公。
松鶴の弟子に対する愛情、鶴瓶の師匠に対する愛情に溢れた噺だ。
鶴瓶が松鶴を物真似(!?)しているのを聞いたのも久しぶりだ。

中入りの後、トリの「お直し」。

江戸の噺を大阪・新町の噺に作り替えたとのこと。
旬を過ぎた花魁と客引き牛太郎、色町ではご法度だが恋に落ち、
夫婦となる。
牛太郎が夜遊びに惚け、全てを失ってしまう。
けころの店を開いて、心機一転を図りたいのだが、という古典落語。

真面目に落語に取り組み始めたのは、ここ10年と言っていたが、
不遜な言い方だが、しっかりとした古典を聞かせてもらったのが意外。


「青木先生」といった鶴瓶噺を聞いてみたかったけど、
「らくだ」とか古典をもっと聞きたくなったなあ。

オチを言って高座を下りる時にすまし顔じゃなくて、手を振って下りろと
言われたと「鶴瓶噺」で言っていたが、今日の3席が終わった後では、
手を振りながら下りていた。

うん、確かにその方が、鶴瓶にぴったり。


「鶴瓶噺」
「ALWAYS お母ちゃんの笑顔」
「かんしゃく」
「お直し」

2013/05/07

5月3日 GW特別公演 @繁昌亭

2006年に大阪に復活した落語の定席、「天満天神繁昌亭」。
http://www.hanjotei.jp/

落語を聞きに行っていながら、今まで足を運んだことがなかった。
50周年を迎えたざこば師匠を一度見てみたかったので、
5月3日の繁昌亭 夜席のチケットを購入。

京都から京阪・JRで大阪天満宮までやってきた。

大阪天満宮 門前に位置する 1階2階席 計216席
今回2列目で見ることができて、演者が近いこと


トリはざこば師匠でなくて、あやめさん。
「?」と思ったが、理由は後で判明


桂ちょうば 「狸さい」

ざこば 5番目の弟子。
「らくごのご」などテレビで、ざこばに怒鳴られるシーンしか覚えがなかったが、
どうしてどうして、しっかりと沸かせてくれた。

月亭文都 「替り目」

月亭八方 2番目の弟子。
今年3月に八天から、7代目文都を襲名したとのこと。

酒を喰らってばかりの男、飲んで帰って来ても家で飲ませろと奥さんに絡む。
肴を買いに行かせた後で、腹の中では感謝してるんや、と可愛げのある
旦那をコミカルに。

笑福亭鶴二 「野ざらし」

6代目笑福亭松鶴の一番下の弟子。
「かくに」じゃないで「つるじ」やで、とつかみ。

河原で髑髏を見つけて供養したら、いい女(幽霊)がお礼に来てくれた
と聞き、俺もと河原にやってきた男。

妄想シーンでも着いて来て、とマクラで振るのがわかるほど、
妄想爆発、大爆笑に巻き込まれた。

お礼に来てくれた女(幽霊)とのやり取りを妄想するシーンは、
吉本新喜劇の木村進を思い出してしまった。

姉様キングス 音曲漫才

全然面白くないとは思ってなかったが、想像以上に笑わせてもらったのが
姉様キングスこと「姉キン」。

登場しただけで、びっくり!
桂あやめ(バラライカ)と林家染雀(三味線)のユニット。
http://page.freett.com/rakucyakai/ayame.html

米朝師匠をいじり、都都逸・金色夜叉のパロディー、
ボケ突っ込みのテンポ良く、エエ声してるし、最高。

吉本や松竹でも、かしまし娘・ちゃっきり娘・宮川左近ショーなど
楽器を使った漫談が昔はよく見られたので、何だか懐かしい。


桂ざこば 「天災」

姉キンが荒らしに荒らした舞台を、登場するなり自分の空気に換えてしまったのは
さすが大御所。声にならない「フmmmm-」を聞くだけで可笑しい。

何年か前にテレビで大笑いした「天災」。
キレやすい男のキャラがざこば師匠自身に重なり、一番好きな噺だ。


                            - 仲入 -

四天王の額も


桂朝太郎 「マジカル落語」

後半最初は、手品。
米朝の弟子みたい。
やる気がなさそう、失敗するように見せながら、
決める所は決める、という芸風のようだ。

隣に座っていた小学生の男の子が、身を乗り出して楽しんでいたのが
印象的だった。


林家染雀 「金明竹」

白塗りを落とし、髪も洗って乾かしてきましたー、という風で登場。

きっちりと「金明竹」をやりきった、こっちが本職だと言わんばかりに。


桂あやめ 「京阪神日常事変」

女性は、白塗りを落として、また化粧しなければならないので大変。
トリを務めたのは、力ももちろんあるが、ここしか間に合わないのであった。

大阪、神戸、京都のOLが食事しながら、それぞれの地域の差違を面白おかしく
いじる新作落語。

千林我孫子(大阪)、北白川雅(京都)、岡本みかげ(神戸)という名前だけで
もうウケた。

神戸のメロンパンは、サンライズといってアーモンド型で中にあんこが
入っているらしい。本当か!?





いやー、どの噺も面白かったー。笑った、笑った。

もっと早く見に来るんだった。



2012/12/30

談春独演会 2012年12月@森ノ宮ピロティ

 大阪・神戸で12ヶ月連続の独演会も、ついに楽日を迎えた。 




今月亡くなった中村勘三郎さんとの思い出話でスタート。

「赤めだか」を気に入ってもらい、会うようになったこと。
 (仮名手本?)忠臣蔵の舞台中、切腹したら出番が終わるから、
鑑賞ついでにと、対談が設定された。

しかし、観客や仕出弁当屋も途中入場できない四段目の途中、出番が終わった勘三郎さんを
待たせてはならぬと、決死の覚悟で途中退場した話など、
意外な関係性を披露。

「六尺棒」

放蕩息子が、遊んで夜中に帰ってくると、家は父親によって締められており、
謝っても、もう勘当だと入れてくれない。

他人に家を取られるくらいなら、燃やしてやると、火付けする息子。
何をするんだ、と手元にあった六尺棒を手に息子を追いかけまわした。

父親をやり過ごし、がら空きの家に入り、逆に父親を締め出した。

家に帰り締め出されたとわかった父親。
「そこまで真似るなら、六尺棒を持って追いかけて来い」がサゲ。

一席目は、いかにも落語らしい落語といった噺だった。


「富久」

幇間の久蔵は、酒でいろいろな旦那の仕事をしくじっていた。
ある時、「松の1111番」の富くじを買い、家の神棚に祀り、寝入った。

夜中、しくじった旦那の家の付近が火事だと起こされ、
駆けつけたことで、再度出入りを許された。

火事見舞い客の相手をし、酒を頂き寝ると、今度は自分の家が火事になり、
失ってしまう。

旦那の家で養ってもらうが、真面目な商家になじめない久蔵。
富くじを買っていたことを思い出し、当日寺に行くと、見事に千両が当たる。

しかし、札がないと賞金を受け取ることができない。
千両と言わず、半分でも、一割でもいいから受け取りたい、
借金を返して家を建てたい、という叫びが痛い。

失意のどん底に沈む久蔵だったが、鳶の頭が火事場から、
神棚を持ち出してくれており、無事札を手にすることができた。

この千両でどうすると言われた久蔵、
「これでご近所のお祓い(払い)をします」というサゲ。

酒で失敗するも憎めない久蔵に幸せになってもらいたいという
周囲の気遣いが暖かい。

ジェットコースターに乗ってるような久蔵の身の上だが、
年末にぴったりのハッピーエンドな噺だった。


1年間続いた独演会を締めくくるように、会場全員の三本締め(東京版)で終了した。


勘三郎さんに「これからは思ってるように上手くいかない」と言われたそう。
「気になる人には会っておいた方がいい」という談春師匠の言葉が印象的だった。

1年間を通じて、4回 計8席の噺を聞いたが、4月の「慶安太平記」が一番好きだった。
落語というより、映画のようなスピード感、毎月の独演会だからこそのネタであった。
もう生で聞くことはないんだろうなあ。


2012/09/29

立川談春独演会 2012年9月@森ノ宮ピロティ

9月26日 12か月連続公演も残すところ、後4回となった。
7月以来、3回目の鑑賞。

今回は、「おしくら」「五貫裁き」の2席。

















前座代わりに、と長いマクラからスタート。

国立劇場で行われた6代目文枝襲名披露公演に出演。
吉本100周年と上方落語復興の立役者 文枝の襲名に
ついてのコメントでやらかしたこと。

打ち上げの飲み会で、鶴瓶より面白い(?)落語家を巡る鶴瓶話。

新幹線車内で出会った、ラッパー風青年とのちょっと不思議な談春話。

どうしても話しておきたかった、と30分以上の長いマクラだった。

「おしくら」
2009年5月 サンケイブリーゼで聞いて以来、2回目。

初めて聞いた前回の方が印象に残っているが、
宿の女将である婆さんは、何回聞いても可愛らしく、
落語では異色のキャラクターに出来上がっている。


「五貫裁き」

大岡政談、大岡裁きもの。「一文惜しみ」とも言うようだ。

人生をやり直すために、八百屋を開きたいと
奉加帳を持って回ってお金を集めろと、大家に助言を受けた八公。

一番最初に回ったのは、よりにもよってケチで有名な質屋「徳力屋」。
1文しかもらえなかったことにキレると、逆に袋叩きに。

またまた大家の助言に従い、奉行所に訴え出るも、
逆に奉行・大岡に敗訴、5貫(5,000文)を毎日1文ずつ、取次の徳力屋に
渡しに行けと言い渡される。

これを早朝や深夜に1文ずつ支払いに来るは、主人の徳力屋万右衛門と
五人組が一緒に奉行所に持ってこい、と言われる始末。

こんなことを5貫(13年程度)続けられては、たまらんと、10両を持って示談に
八公を訪れた万右衛門だったが、欲をかいた大家と八公、
八公の祖父に店のピンチを助けられた恩を忘れたか、と10両での示談を蹴飛ばす。

考え直した万右衛門は、50両の示談金と新しい八百屋を八公にプレゼントしたのだった。
真面目に商売する八公、八百屋は繁盛する。
実はあの八百屋は徳力屋が準備したもの、徳力屋もやるじゃないかと
評判になり、更に繁盛した、という講談噺。

情けは人のためならず、エエ話やなあ、という感想だったのだが、
こちらは円生のサゲ。

談志のサゲは違って、持ちなれない大金を持って姿を消した八公、
施しをするやさしさが仇となり徳力屋は潰れ、大家はその後すぐ死んだ、
というもの。
人間に対するシニカルな視点からのサゲ、嫌いではない。

10月は、「九州吹き戻し」を掛けるとのこと。
つまらなく難しい噺、毎月連続独演会にぴったり、
高座に掛けるのはこれが最初で最後かも、って言ってたし。


2012/08/04

立川談春独演会 2012年7月 @森ノ宮ピロティ

2012年7月31日(火) @森ノ宮ピロティ

4月以来、今年2回目の談春独演会に。

今回の2席は、6月の神戸公演の際に希望を聞き、「包丁」「紺屋高尾」。
どちらも談春で聞いたことがある噺、両方ともトリのネタにしていい
長いネタである。

何故?と思ってたが、談春も神戸が悪いんです、
「包丁」が神戸牛のすき焼きで、「紺屋高尾」がステーキ、
すき焼きの後でステーキを食べてもらい、この選択をしたことを
後悔させます(笑)と、熱帯夜の牛肉祭りが開かれた。

「包丁」
2010年京都の独演会以来2回目。
http://hynkapi.blogspot.jp/2010/04/blog-post_29.html

マクラが良かった。

落語には、この話はこの落語家しかできない、という売り物という
言葉があるらしい。
「包丁」は、6代目圓生の売り物だった。

談志が30代の頃に、「包丁」やると言いだし、談志が包丁をやると話題になり
チケットも売れた。
高座の3日前にようやくテープを聞くと、このネタはできない、圓生師匠の噺だ、
と談志。
そんなこと言ったって、チケットは売れてるし、中止するわけにはいかない。
それを談志に言うと、代演を立てるという。しかも圓生師匠に頼むと(笑)。

本当に頼みに行って、喜んで受けてくれた圓生師匠。
当日、高座に上がるなり、「包丁」はできません、代演を立てますと
行ってすぐに引っ込んだ。
当然、客はどうなってるんだ!という雰囲気になった途端に、
圓生の出囃子が鳴り、またまた騒然。

やっぱり客は圓生師匠の方が聞きたかったんだ、という談志が
楽屋でつぶやいてたらしい。

談志の弟子では、談春と志らくの2人しか、「包丁」はやってないらしい。
共に真打昇進試験に掛けた噺とのこと。


「紺屋高尾」
2009年サンケイブリーゼ以来2回目。
この時は新型インフルエンザ騒ぎの最中だったなあ。
http://hynkapi.blogspot.jp/2009/05/blog-post_7411.html

何度聞いても良い話だなあ、という感想。
全く現実的ではないと思われた久蔵の一途な想いが、
高尾に届いたのだが、久蔵が幸せなのか、こんなに惚れられた高尾が
幸せなのか、哲学的な事を考えた一席だった。

と言うのも、前回は久蔵の思いが苦しくなるほど伝わってきたのだが、
今回は抑え気味だったかな。
2009年のサンケイブリーゼでは、ちょうど久蔵の顔が向く延長線上に
席があったのも一因かも。

終了は、21:30過ぎ。たっぷりと牛肉を頂いた。

最後は希望を聞いていたが、希望を聞かないで、
難しくて面白くない噺をどんどんやって欲しい。


2012/04/28

立川談春独演会2012 4月@森ノ宮ピロティホール 2

「慶安太平記 吉田の焼き打ち」

15分の中入り終了後、「吉田の焼き打ち」スタート。
善達の旅立ちとは話が繋がっているとのこと。

二人して金飛脚を襲い三千両を手に入れ、吉田の宿に投宿。
そこで下手人が吉田の宿に泊まるはずなので、
誰も外に出してはならぬ、翌朝調べるという命を伊豆守が出していることを知る。

このままでは逃げられないと悟り、飛脚は宿の主人を言いくるめて、
外出し脱出のネタを仕込んでくる。
火事を起こすための火薬を町中に仕掛け、その騒動の間に逃げようと
いう算段だ。

誰も出してはならないという命に背いて飛脚を外に出したはいいが、
2時間を帰ってこないことにビビる主人を番頭が弄るやり取りと
火薬を仕掛けられた家の老夫婦のやり取りはユーモア溢れていて、
「善達の旅立ち」よりも笑い声がホールに響いた。

火事の混乱の中を首尾よく逃げ出して、ここまでくればもう安心、
という二人の方を叩く人間が。
そっと振り返ると、それは由比正雪だった。

というこれから!という場面で終わり。

江戸時代、長い時は90日連続で演じられた講談だったので、
「切場」と言われる最後の場面の盛り上げが上手い。
正直、こんなところで切られたら毎日行かないと堪らない。

「慶安太平記」は面白くないどころか、他の段もあるならもっと聞きたい
という気持ちにさせられた。
ただし、今の落語ブームの中で「落語」を聞きに来て、
いきなり「慶安太平記」が始まったら、騙されたと思うかもしれない。

談春も言っていたが、この噺を高座にかけるのに、日本で最も相応しくない
のが大阪。

フェスティバルホールの「芝浜」をはじめ、ここ数年大阪・神戸で独演会を重ねた。
それは、談春はこんな芸を見せる、と客にわからせて、談春の「慶安太平記」を聞く
土壌を耕してきたのじゃないかと思ってしまった。

4回目で初鑑賞となった独演会2012だったが、いいものを見せてもらった。

立川談春独演会2012 4月@森ノ宮ピロティホール 1

2012年4月25日(水) 19:00開演。

神戸と大阪で今年1年間毎月催している独演会の4回目。
毎月夫婦で見に行っていると、お金が続かない。
チケットを1枚だけ取ってどちらかが見に行くことにしたのだが、
出張などでようやく足を運べた。

「紙入れ」
妖艶な色気を出す女性が少なくなった、不倫という言葉を聞くと何か
良いことでやってみたくなる、とマクラを振って、「紙入れ」からスタート。

世話になっている旦那の奥さんとやんごとなき関係になってしまった男が、
奥さんの誘いを断り切れず、旦那の留守中に迫られてたところに、
旦那が急に帰宅。慌てて逃げ出すも、よりにもよって旦那にもらった
紙入れを忘れてしまう。

翌日様子をうかがうために旦那の家を訪ねるとばれてない様子。
それでも違う旦那の話として、カクカク云々と話をすると、
奥さんが出てきて、「そんな奥さんなら、旦那を家に入れる前に
紙入れを見つけてしまっているわ」
旦那「紙入れに気づいても、女房を取られるような男だ。
そこまでは気がつくまい」がサゲ。

そろそろ難しくて面白くない話が出るかと身構えていたので、
「紙入れ」が始まって、正直ちょっと気が抜けた。

「慶安太平記 善達の旅立ち」
下がることなく、「紙入れ」はサービスで、難しくて面白くない
「慶安太平記」をやると言う。
談誌の「慶安太平記」を聞いて、格好いいなあと感じ、
やりたかったのだと言う。

芝・増上寺が3年に一度、三百両を京の本山まで運ぶという仕事がある。
行き5日帰り5日という超ハイペースで往復しなければならず、
しかも道中には切り取り強盗が跋扈し、金を届けることができなければ
死んで詫びなけらばならないという厳しいもの。
それゆえ誰をやりたがらないが、善達が手を挙げ、三百両を身につけ出発。

すぐに怪しい飛脚がぴたりとついてきて、どんなに急いでも離れない。
実はこの飛脚は、紀州藩から徳川家に奉納される三千両を
奪おうとしていたのだった。

協力を求められる善達が報酬として三百両を求めると、
利害が一致せず二人は真っ暗やみの中で刀を抜き、切りつけ合うが、
そこへ三千両を運ぶ金飛脚が通りかかる足音が聞こえてきて・・・

という所で、「善達の旅立ち」はここまで、中入りとなった。

講談から落語に作り変えられたこの噺、確かに笑う場面は多くない。
しかし、善達と飛脚が京へ向け進むにつれ、噺にのめりこんでた。
特にラストの闇夜の場面では、息をすると相手に気配を悟られるのでは
ないかと思ってしまうくらい入り込んでしまった。