8月は祝日(山の日)での開催で、ほぼ満席の入りだったように見受けられた。
三席の予定だったので、小春志さんは出て来ないのかなあと思っていたら、しっかり登場。
先月告知していた阿倍野での落語会にも触れ、「芋俵」を軽快に。
代わって登場した談春、弟子を連れて来ているのを忘れていたので、平身低頭で短めに終わらせるようお願いしたことをばらしたのだった。
夏、花火の話として「たがや」からスタート。
隅田川の川開きの花火大会、両国橋の上は人・人・人で大混雑。
そんな橋の真ん中を通ろうとする侍、旗本のご一行。
ちょうど逆側から仕事を終えて家に戻ろうとするたが屋が、橋を通ろうとする。
真ん中でばったり会い、無礼者だとお屋敷に呼ばれるが、喧嘩っぱやいたが屋、啖呵を切って侍たちを切り倒す。
庶民のレジスタンス。
こんなに色彩豊かにやる落語家はいないと言うほど、血しぶきが飛びかう派手な噺だった。
続けて「子猿死七之助」に。
講談の噺。船頭と芸者だけの二人だけで乗るのはご法度だったが、お滝と七之助の二人で浅草に向っていると、永代橋での身投げに出くわす。
助けて事情を聞くと、集金した30両をイカサマ博打ですってしまったので飛び込んだと。30両があれば死ななくても良いのだなと、お滝に出してくれとお願いする七之助だった。
イカサマ博打から金を取り返してやると更に事情を聞く七之助だったが、名前を聞くとそれまでとは打って変わった様子に。そして船の揺れに合わせて突き落としてしまう。
実はその男は七之助の実の親だった。しゃべられると、困るので突き落とした七之助。船に乗っていたお滝も口封じのために殺そうとするが、惚れた男に殺されるのなら本望だ、と思いもよらない言葉がお滝の口からこぼれる。
いやいやそんなことでは許さないという七之助に、お前でなければ禁じられている二人舟はしない、今晩告白しようとしていたんだ、と口説きにかかるお滝。
このやり取りが艶っぽかった。
鳴り物は、桂吉坊が担当したとのこと。上方の中堅落語家が身に来ているとの話も出ていた。
仲入り後に「景清」に入った。
元は上方落語だったとのこと。
母と二人暮らしのめくらの木彫師の定次郎が、眼が見えるようにと日朝さんにお参りする。21日目の満願の日、隣にやって来た女性に気を取られると見えかけていた目が再び真っ暗に。
日朝さんに罵詈雑言を浴びせる定次郎だったが、世話になっている旦那のところへ行く、と上野の清水観音へ100日、それでもだめなら200日・300日とお参りするように勧められた。
そしてお参り100日目。しかし、そしてまた目は真っ暗なままで悪態をつく定次郎だったが、にわかに降り出した雨、雷に打たれて倒れるとそのショックで目が見えるようになっていた。
仏様に啖呵を切る威勢の良さが小気味よい。
三本締めで終了した。
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