立川談春 三十周年落語会「もとのその一」 ②

繰り返しになるが、「除夜の雪」が終わり、兄妹ユニット "Time" のクラシック音楽。
さだまさしの長男 佐田大陸 ヴァイオリン  長女 佐田詠夢 ピアノ の二人である。

①でも触れたが、演奏は素晴らしく、クラシックも聞きに行きたくなったなあ。
トークの時間があまりなかったが、子供の頃に談春に懐かなかったのは、
ゲゲゲの鬼太郎に出てくる妖怪に似てたから、と実はトークも面白そう。
この辺りは父親ゆずりか。

Timeの演奏の合間に、「除夜の雪」を米朝師匠に習いに行った時の
エピソードを語ってくれる談春であったが、興に乗りに乗って、
袖で待つ二人をそっちのけで、話をしてくれたのだった。

この話が面白い!

談志と米朝 2人会のエピソード
米朝師匠にお願いするのを頼んだ小米朝(現・米團治)の天然さ
米朝一門と談志一門の稽古の相違点
後光が差す米朝師匠(笑)

「赤めだか」で書かれていないエピソード盛りだくさん。
この中入前のトークで、終演時間が伸びるおまけつき。

速く話すには技術が必要だ、と談春さん。
「除夜の雪」も20分を切ってやりなさい、と米朝師匠に言われたが、
今日は33分掛かってしまったのだそうだ。

iPodに入れている米朝「除夜の雪」(平成2年11月22日 大阪証券コスモホールで収録)
は、お囃子入れて、21分34秒だ!
御寮さんが幽霊とわかった時より、ぞくっとした(笑)

(テレビで見た時の感想↓)
http://hynkapi.blogspot.jp/2010/01/blog-post_495.html


「らくだ」

絶品の一席だった。


「らくだ」は上方の噺ではないか


という気持ちがゼロではなかったのは確かだった。
それでも、屑屋が酔っぱらって立場が逆転するシーンを
どう表現するのか見たくて、この日のチケットを買ったのだった。


実は泣き上戸だった兄貴分 丁目の判次が泣きながら語る。

騙して生きたカエルを二分で売りつけた上にぼこぼこ殴った
屑屋の事を、らくだは実は好きだったんだと言うシーン。

屑屋は真面目に生きてくれと言うシーン。

祝儀不祝儀の付き合いも避けられるらくだの事を想いながら、
酒を酌み交わす二人。

貧乏でも役立たずでも周りに嫌われても、それでいいんだ、
って感じがじんわりと伝わってきた。

テンパると師匠に似てくると終演後に談春が言っていた。

談志の「らくだ」を聞いたことがないけれど、
談春「らくだ」の終盤、「落語は業の肯定」という言葉が浮かんでいた。

大劇場ということも、3階席最後列ということも忘れ、二人を見てました。

帰りに日本酒が飲みたくなって、梅田で一杯やりましたとも。


30周年記念落語会の「もとのその一」は、千利休の言葉から取ったそうだ。

稽古とは 一より習い 十を知り 十よりかへるもとのその一

20周年は「生きる」をテーマにした落語、
30周年は「死」がテーマになりそう、と語る。

また、聞きに行きたくなった。

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