立川談春 三十周年落語会「もとのその一」 ①  

2014年5月31日(土) フェスティバルホールに談春が戻ってきた。

足かけ2年を掛け、30周年記念落語会を全国で開催する、その初日。

チケット発売日から今日の噺は決まっており、「除夜の雪」「らくだ」。
正面から上方落語をぶつけてきた。


「もとのその一」は千利休の
言葉から取ったとのこと。
それは後ほど。


ちょうど昨年の5月に、新生フェスティバルホールのオープニングに合わせて
志の輔・談春の2人会に来て以来のフェス、談春さんの会である。

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談春さんの落語が楽しみなのはもちろんだが、大げさに言うと2つのテーマを持って出かけた。

その1 半袖で聞く 「除夜の雪」ってどうなの?

             5月後半というのに、全国的に真夏日。ホント暑い。
             当日も30度を超える晴天、果たして大晦日の噺は成立するのだろうか。          

その2 フェスティバルホールの3階最後列で聞く落語はどうなの?

     チケット購入が遅れてしまい、手に入ったのは3階席8列目という最後列の席。
     思えば昨年5月の2人会は、最前列ど真ん中で鑑賞できたので、
            同じフェスで最前列と最後列で落語を聞くことに。
            って、そんな後ろで、落語の世界に入ることができるのだろうか。


結論から言うと、2つとも成立したというか、十二分に楽しんだ。

正直 米朝の「除夜の雪」の方が、シンプルにまとまっていて好きだが、
和尚を腐しながらも、炭にあたって寒さに耐える坊主たち、
お寺に広がる雪景色、伏見屋の御寮さんが幽霊でやってくる後半、
どれを取っても違和感なかった。

また、一番後ろでも落語の世界にしっかりと入り込んだ。特に「らくだ」は。

音響もばっちりなんだろうけれど、笑い声までタイムラグなしで届くとは
思わなかった。違和感なしは凄い。

この会では、落語だけでなく、親交深いさだまさしさんの長男・長女が、
ヴァイオリン・ピアノの演奏を聞かせてくれたのだが、この演奏の素晴らしかったこと。
特にヴァイオリンの音の響き・広がりに感動。
最後列だったからこそ感じることができたかもしれない。

演者の実力があることが大前提だが、クラシックも落語も成り立たせる
フェスティバルホールの懐の深さを思い知らされた。

今更ながら、フェスティバルホール、凄い。

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