立川談春独演会2012 4月@森ノ宮ピロティホール 1

2012年4月25日(水) 19:00開演。

神戸と大阪で今年1年間毎月催している独演会の4回目。
毎月夫婦で見に行っていると、お金が続かない。
チケットを1枚だけ取ってどちらかが見に行くことにしたのだが、
出張などでようやく足を運べた。

「紙入れ」
妖艶な色気を出す女性が少なくなった、不倫という言葉を聞くと何か
良いことでやってみたくなる、とマクラを振って、「紙入れ」からスタート。

世話になっている旦那の奥さんとやんごとなき関係になってしまった男が、
奥さんの誘いを断り切れず、旦那の留守中に迫られてたところに、
旦那が急に帰宅。慌てて逃げ出すも、よりにもよって旦那にもらった
紙入れを忘れてしまう。

翌日様子をうかがうために旦那の家を訪ねるとばれてない様子。
それでも違う旦那の話として、カクカク云々と話をすると、
奥さんが出てきて、「そんな奥さんなら、旦那を家に入れる前に
紙入れを見つけてしまっているわ」
旦那「紙入れに気づいても、女房を取られるような男だ。
そこまでは気がつくまい」がサゲ。

そろそろ難しくて面白くない話が出るかと身構えていたので、
「紙入れ」が始まって、正直ちょっと気が抜けた。

「慶安太平記 善達の旅立ち」
下がることなく、「紙入れ」はサービスで、難しくて面白くない
「慶安太平記」をやると言う。
談誌の「慶安太平記」を聞いて、格好いいなあと感じ、
やりたかったのだと言う。

芝・増上寺が3年に一度、三百両を京の本山まで運ぶという仕事がある。
行き5日帰り5日という超ハイペースで往復しなければならず、
しかも道中には切り取り強盗が跋扈し、金を届けることができなければ
死んで詫びなけらばならないという厳しいもの。
それゆえ誰をやりたがらないが、善達が手を挙げ、三百両を身につけ出発。

すぐに怪しい飛脚がぴたりとついてきて、どんなに急いでも離れない。
実はこの飛脚は、紀州藩から徳川家に奉納される三千両を
奪おうとしていたのだった。

協力を求められる善達が報酬として三百両を求めると、
利害が一致せず二人は真っ暗やみの中で刀を抜き、切りつけ合うが、
そこへ三千両を運ぶ金飛脚が通りかかる足音が聞こえてきて・・・

という所で、「善達の旅立ち」はここまで、中入りとなった。

講談から落語に作り変えられたこの噺、確かに笑う場面は多くない。
しかし、善達と飛脚が京へ向け進むにつれ、噺にのめりこんでた。
特にラストの闇夜の場面では、息をすると相手に気配を悟られるのでは
ないかと思ってしまうくらい入り込んでしまった。

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