7月も森ノ宮ピロティホールへ。
今月の席はF列の真ん中周辺、どんどんと前の方かつ真ん中に寄ってきた。
お馴染みの小春志から、今月は「粗忽の釘」。
8月6日にハルカスで独演会を演るとの情報も。
そそっかしい主人を熱演。
続いて談春が登場する。
「赤めだか」の話が出ることがあるので11年振りに再読しておいた。
落語に人生のすべてを捧げるのはおかしい、入門時の自分に声を掛けられるとすれば一応止めておく、との話があった。
7月は夏ということで怪談話、「妲己のお百」を演るので笑えるのは1本目の「百川」だけだよと、予告なのかくすぐりなのか脅かされる。
おっちょこちょいの噺で好きな噺とのことだったが、今まで聞いた事のなかったのが不思議なぐらい落語っぽい噺だった。
「百川」
日本橋にあった料亭「百川」
「百川」で実際にあった話とも、「百川」を宣伝するために作らせた話とも言われているそうだ。
田舎から奉公にやってきた百兵衛、奉公初日から二階の客の御用聞きを頼まれ向かうも、百兵衛も客たちもお互いに聞き間違って、互いに全く違うように捉えたまま話が進んでいく。
談春の描く百兵衛がちょっとお馬鹿で愛すべきキャラクター、客に呼ばれたら返事しながら上がりなさいと主人に言われたので、「うっし」と声を上げて部屋に入って来る描写が可笑しくてじわじわ笑いがやって来る。
長谷川町 三光新道の歌女文字(かめもじ)を連れてくるように遣いを頼まれるも、見つけられず、三光新道の「”か”の字のつく名高い人」で探すと、外科医の鴨池玄林(かもじげんりん)先生と言われて連れて帰って大騒ぎが起こる。
愉快だった。
15分の中入り後、「妲己のお百」へ。
「妲己」は中国殷王朝末期の妃で、悪女の代名詞的存在。
美濃屋の女主人になっていたお百、ある時目を患っている元芸者母娘が店の前にやってきて、住むところがない母娘と一緒に住むことに。
しかしそれは同情ではなく、器量よしの娘を吉原に売り飛ばすことができると考えたためだった。母親を目の治療に出している間に娘を売り飛ばす。戻ってきた母親には奉公に出たとウソをつき、挙句の果てに2階に監禁し、邪魔になると男を使って母親を殺す。
娘に合わせるとウソをつき、河原におびき出して殺害する場面、照明が落とされ白い着物だった談春が舞台に浮き上がる演出が効いていた。
殺害現場から帰ろうとする男に取りつく母親も恐ろしかった。
良いものを聞かせてもらった。
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