志の輔・談春 祝祭落語会@フェスティバルホール 1

4月10日 新しいフェスティバルホールがオープン。
オープニングシリーズとして、5月14日 志の輔と談春の二人会が実現した。




「口上」 志の輔&談春

幕があがると、紋付袴の二人が高座の上に。

頭上から降り注ぐフェスの拍手を味あわせてやりたいとさだまさしに言われた、
改修直前の旧フェステバルホールで落語をやった縁(2008年12月25日)で、
新生フェスでも落語やるかいと誘われた。
一人ではもったいないと、兄弟子の志の輔を誘うと、ハイハイとOKが出たこと。
この落語会が開催されるに至った経緯が談春からあった。

続いては志の輔。
2700人の拍手が舞台上一点に集中している設計、
「あ」と発した声が、はじめ人間ギャートルズのようにそのままの形で飛んでいく、
この舞台で落語が受け入れられるかは、落語の神様に掛かっていること。

新生フェステバルホール、志の輔&談春という当代きっての人気噺家の会、
観客も期待感と一種異様な緊張感に包まれていた。


「大工調べ」 談春

溜めた店賃の片に取られた道具箱を、大家から取り返そうとする棟梁と与太郎。
口の聞き方を完全に間違えて、返してもらうどころか、
大家はどんどんへそを曲げ、道具箱奪還が遠のいていく。

今回の噺は、ここからが最大の見せ場だった!

流れ者をどれだけ村の者が助けたか、芋販売の金を貧乏人に高利で貸し付けて儲けた、
おまえのカミさんは世話になった大家のカミさんだ、そいつを奪った、
罵詈雑言を立て板に水どころか、フッ素加工した板に水さながらに啖呵を切った。

この啖呵の切れ味するどさったら!
どんどんどんどん、談春ワールドに引き込まれていったのだった。

兄弟子との二人会、昨年12か月間大阪で独演会を開いている、というのは、
出せるネタの幅を狭めるのではないかとの危惧は、まさに杞憂に終わった。
高い期待のハードルを楽々と超えて行った。


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