2012年1月の読書

1月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:3724ページ
ナイス数:65ナイス

もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら (幽ブックス)もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら (幽ブックス)
題名がいい。所謂心霊体験を見聞きした事実だけを淡々と記している。怖さはなく、他人に対する愛情さえ感じた。亡くなったはずの人を見かけても、不思議に思わない著者の感性が見せているのかも。
読了日:01月31日 著者:工藤美代子


朽ちていった命―被曝治療83日間の記録 (新潮文庫)朽ちていった命―被曝治療83日間の記録 (新潮文庫)
1999年の東海村臨界事故で中性子線被爆した作業員の身体がどんなダメージを受け、医療チームがどんな治療を行ったのかを明らかにするノンフィクション。染色体が破壊されることで、人間の身体はこうまで破壊されてしまうのか、圧倒された。絶望感を持ちながらも治療を続けた医療スタッフの努力には頭が下がるが、大内さん本人はこの治療を望んでいたのか、と気になってしまう。読み進めるのがつらい本だった。
読了日:01月28日 著者:

ちいさいおうち (岩波の子どもの本)ちいさいおうち (岩波の子どもの本)
図書館で読了。田舎に建っていた小さなおうちが、開発に伴い大都会の真ん中に取り残されていく。窓とドアが上手い具合に顔に見えて都会に埋もれれば埋もれるほど悲しく見えてしまった。田舎に戻れて良かったね、という感じだが、初版は高度経済成長時代、その頃にどう感じただろう?
読了日:01月28日 著者:バージニア・リー・バートン

ボーナス・トラックボーナス・トラック
ひき逃げ事件を目撃した草野とひき逃げされた幽霊の亮太が、犯人を探しと帯に書いてあったが、青春小説と言ってよい。想像よりも明るくない大学生活やひき逃げされて命を落とした亮太が、しょうちゃんに惚れたり軟派なキャラだが、草野の仕事ぶりに的確な指導を行ったり、南さんが成仏できない子供の幽霊を開放したことを全力で褒めたりとそのギャップが良かった。
読了日:01月27日 著者:越谷 オサム


センス・オブ・ワンダーを探して ~生命のささやきに耳を澄ます~センス・オブ・ワンダーを探して ~生命のささやきに耳を澄ます~
福岡伸一の本は改めて面白いと実感。知的好奇心をくすぐられる。資本主義と馴染む機械論的な世界の見方・関わり方との対義語である、動的平衡を求めて変えていく必要を感じた。特に原発事故が起こった後では。ドリトル先生シリーズを初めとして、色んな本を読みたくなった。
読了日:01月24日 著者:福岡 伸一,阿川 佐和子


ベニシアの京都里山暮らし ―大原に安住の地を求めて Venetia's Kyoto Country Livingベニシアの京都里山暮らし ―大原に安住の地を求めて Venetia's Kyoto Country Living
NHK BS「猫のしっぽ カエルの手」という番組を見た直後に、図書館で発見。ハーブを初め自然食品を選んで口にしたり、大原の人にも助けらゆっくりとした時間の中で生活しているのが、うらやましい。
読了日:01月22日 著者:ベニシア・スタンリー・スミス Venetia Stanley-Smith

星を継ぐもの (創元SF文庫)星を継ぐもの (創元SF文庫)
月面で発見されたのは5万年前の人間の死体だった。サイエンス・フィクションであり、この死体が地球人?宇宙人?どこから来たのか?など謎解きされていく上質のミステリーでもあった。ラストで題名の意味にぐっとくる。この混迷の時代に読むべき本であると思う。
読了日:01月21日 著者:ジェイムズ・P・ホーガン

だいじょうぶ3組だいじょうぶ3組
乙武さんの先生時代の経験を基にした小説。私小説とも言えるかな。未熟な先生が不恰好にも子供達とぶつかっていき、子供達と成長していく様は、(皆さんの感想にもあるように)出来すぎではあるが、乙武さんの人柄がそのまま出ているんだろうなあと好感が持てた。赤尾先生と一緒に遠足に行きたいと校長先生に直訴するシーンで、よくぞ言った!と嬉しくなってしまった。
読了日:01月15日 著者:乙武 洋匡

奇跡のタッチダウン 下奇跡のタッチダウン 下
リック・ドッカリーの挫折と復活の物語。NFLのQBからの都落ち、NCAA3部レベルのイタリアリーグで徐々に自分の居場所を築いていくストーリーは、アメリカ映画のスポーツ物の王道だ。映画にはなってないのかな?
読了日:01月14日 著者:ジョン グリシャム

奇跡のタッチダウン 上奇跡のタッチダウン 上
ジョン・グリシャムが何でアメフトを?と思いながら、アメフト物なので図書館で借りてきた。そんなに期待してなかったけど、結構楽しめる。アメフトを知らないと厳しいかもしれない。
読了日:01月13日 著者:ジョン・グリシャム



生きるとは、自分の物語をつくること生きるとは、自分の物語をつくること
河合隼雄と小川洋子の対談集。河合隼雄の他の著作を読んでも感じることだが、クライアントに寄り添う力が強い。死の存在と折り合いをつけるために、人は物語を必要とする。物語を持つことで、身体と精神・外界と内界・意識と無意識を結びつけ自分を一つに統合できる、言葉にできない内面の混沌を言葉にすることが可能になる、という解釈が心に残った。人は生きるために物語るのだと。それを生業にしているのが作家なのだろう。ブラフマンとユングの話は、聞いてみたかった。
読了日:01月10日 著者:小川 洋子,河合 隼雄


赤ちゃんの死へのまなざし ―両親の体験談から学ぶ周産期のグリーフケア赤ちゃんの死へのまなざし ―両親の体験談から学ぶ周産期のグリーフケア
これから出産というタイミングで、原因不明で赤ちゃんが死亡。死産を経験したご夫婦と病院側とが、同じ事例を互いの視点からと対談という形で記した一冊。不妊治療・流産など、子供が産まれてくるのは当たり前のことではないことは知っているつもりだったが、出産直前での赤ちゃんの死亡、帝王切開で遺体を取り出すのかと思いきや自然分娩することなど、内容にいささかショックを受けた。父親・母親・医者と各章毎に書き分けられ、それぞれの感じ方の違いが良く分かり、一つだけの基準のケアではだめだと感じた。 いろんな意味で、良い本に出会えた
読了日:01月10日 著者:竹内正人,井上文子,井上修一,長谷川充子

at Homeat Home
家族がテーマの短編4編収録。どの話も所謂温かい家族ではないが、問題があるが故に血の繋がりを超えた関係性を感じることができる。表題作「at Home」は擬似家族が、ついには本当の家族以上のぬくもりを手に入れて印象深い一編。
読了日:01月08日 著者:本多 孝好


陰陽師生成り姫 (文春文庫)陰陽師生成り姫 (文春文庫)
シリーズ初の長編。短編「鉄輪」の長編化とのこと。短編のリズムが好きなので、長編はどうか心配したけど楽しめた。博雅の淡い恋愛を描いており、物悲しい。博雅の純情で、人の良さが楽しめる一冊。
読了日:01月04日 著者:夢枕 獏


日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」
日本を離れフィリピンに移り住むも、ホームレス生活に近い極貧生活に陥った日本人のルポ。日本の社会の現状よりも何よりも、フィリピン女性に身を崩したとしか思えない。タイにもたくさんいるのではないか。金の切れ目が縁の切れ目の女性も居れば、貧しくても外国人に救いの手を差し伸べるというのは、フィリピンの懐の深さか。金の無心が必ずあっただろうから、取材は困難だっただろうから、丁寧な取材は価値がある。
読了日:01月02日 著者:水谷 竹秀

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