2011/05/28

県境

デイリーポータルZというサイトを暇つぶしに見ることが
あるが、たまに行くイオンが取り上げられていた。

「店内に県境がある店めぐり」

近鉄高の原駅前の「高の原イオン」の店内に、京都と奈良の県境があるというもの。

今の所に住むまでは高の原駅付近に住んでいたので、
駅まで京都と奈良の県境の奈良側きわきわを歩いていたので、
ちょうど境にいるなあという意識はあった。

映画館があるので、映画を見るのに高の原イオンに行くが、
店内に県境が目に見えて線を引いてあるとは知らなかった。

今日は散髪に行ったので、「県境」を見に行ってきた。

それがこれ。














4F階から3F・2Fを望む。
左側が奈良県、右側が京都府、ちょうど県境を跨いでパチリ。

土曜日の午後、結構な人出だったが、誰も県境を意識せずに通り過ぎるばかり。
かく言う自分も、デイリーポータルZを見なければ、知らなかったのだが・・・。

2011/05/03

承天閣美術館 「若冲水墨画の世界」

先日BSで放映されていた伊藤若冲の特集番組を見て、
実物を見てみたいとググッてみたところ、

京都 相国寺の承天閣(じょうてんかく)美術館で、水墨画展が
開催されていることを知り、見に出かけた。







京都御所の北側、同志社大学に隣接する相国寺の境内の
北東角に建てられた承天閣美術館。

今回の目玉は、鹿苑寺(金閣寺)大書院旧障壁画
五十面が一挙公開されている所。



常設してあるらしい 鹿苑寺大書院障壁画 葡萄小禽図・月夜芭蕉図の他、
竹図襖絵・菊鶴図襖絵といった重要文化財がずらずらと並んでいた。


「群鶏蔬菜図押絵屏風 六曲一双」は、若冲が最も好んで描いた鶏の絵で、

後ろ姿を書いているが、お尻越しに振り向いた顔がにょきっと出ていたり、
構図が面白い。江戸時代の画家とは思えない。

若冲は、人間がどういう風に認知しているのか、分かっていて、
それをたくみに二次元に表現できる絵師なのだと思う。



承天閣美術館を出て、相国寺が春季特別拝観中と知り、
覗いてみることに。



パンフレットによると足利義満が1392年に完成させた一大禅苑とある。

金閣寺・銀閣寺を末寺に擁する臨在宗相国寺派の総本山らしい。

全く予備知識なしで入ったが、ここでは法堂の天井画
狩野光信の蟠龍図が「鳴き龍」として有名だった。



















法堂 中は写真撮影禁止のため、写真クリックでHPへ


11mの高さの天井には梁が入っておらず、ドーム状になっており、
ある場所で手を叩くと、音が反響して、
まるで龍が鳴いているように聞こえるという。

その説明を受け、試してみた所、確かにバンバンバンという感じで
音が反響する。観光客が順番に手を鳴らす。


もう一つ面白いのは、「八方睨みの龍」とも呼ばれており、
龍の目の玉を見つめながら、法堂の中をぐるりと一周すると
じっと龍はこっちを睨んだままで、しかも顔の位置がどんどんと
変わって行く所。


最初は東向きだったのに、その内西向きに変わってる!?

そのカラクリはよくわからん・・・。



枯山水の庭もきれいで、静かで癒されるお寺だった。

京都の寺は侮りがたい。











1400年ごろ建立された、浴室(宣明)。
現在のものは1596年に避けんされたもの。
蒸気浴をしながら、ひしゃくでお湯を体にかける

かけ湯式の入浴方を合わせて行う方式。

2011/05/01

映画 「八日目の蝉」

今日は映画の日ということで、「八日目の蝉」を見に行った。

原作は角田光代の小説。
野々宮希和子は、会社の上司との不倫の末、身ごもった子供を堕胎、
その直後に産まれた不倫相手の子供を一目見ようと
相手宅に忍び込み子供を抱き上げた瞬間、
笑いかけられそのまま連れ去ってしまう。

堕胎した子供につけるはずだった「薫」という名前を付け、
友人宅・名古屋・大阪・小豆島と逃避行を続けた。

映画では、友人宅・大阪・小豆島のみが描かれ、
大阪の隠れ場所「エンゼルホーム」がカルト集団の匂いが色濃く
なっていたり、小池栄子演じる千草の接近の仕方が唐突で、
簡単に受け入れるのだろうか、と少し違和感を感じる前半だった。
薫(本名は恵理菜)の本当の母親は原作では、自分も不倫をしていたため、
恵理菜が戻ってきてからは世間から批判を受けたのだが、
映画ではひたすら被害者としか描かれていない。

何とか恵理菜と近づこうと絵本を読み聞かせたりするが、
打ち解けない恵理菜。
星の歌を歌ってくれとせがまれ、キラキラ星などを歌うが、
その歌は違うと言われてしまい、切れる母親。
恵理菜(薫)が聞きたかった星の歌は、希和子とエンゼルホームから
逃げ出す時に生駒の山中で聞いた「見上げてごらん夜の星を」だった。

希和子の望みは、薫と一緒に生きるということだけ。
誘拐という犯罪からスタートしているのだが、小説でも映画でもその想いを
叶えさせてあげたいという気持ちが否定できなくなった。

小説の解説でも書いてあるが、出てくる男はろくな奴が出てこない。
不倫で相手を妊娠させても、逃げるだけ。
現実でも草食系男子が増えているようだが、男はいらない、男なしでも
生きていけると女性から言われているような映画だった。