2012年5月の読書

5月の読書メーター
読んだ本の数:16冊
読んだページ数:4149ページ
ナイス数:92ナイス

面白南極料理人 (新潮文庫)面白南極料理人 (新潮文庫)
南極・昭和基地から1,000kmかなた、標高3,800mの南極ドーム基地での第38次越冬隊の暮らしを描く。富士山より高い標高、平均気温-57度とは 想像を絶する環境。9人のメンバーは個性揃いで、時には爆発寸前まで 圧力が高まるが、それを美味しい料理と酒盛りでうまくガス抜き。高価な材料を用いた料理の数々は美味しそう。食材の輸送も想像を絶するほど大変そうなのだが。著者がネアカなので、暗さがそれほど感じられないが、誰でも過ごせる環境じゃないぞ、こりゃ。
読了日:05月31日 著者:西村 淳

本は10冊同時に読め!―本を読まない人はサルである!生き方に差がつく「超並列」読書術 (知的生きかた文庫)本は10冊同時に読め!―本を読まない人はサルである!生き方に差がつく「超並列」読書術 (知的生きかた文庫)
アイデアを生み出すためには、複数ジャンルの本を同時並行で読め、本は読め、著者の考え方がはっきりとシンプルに表された本。これをやろうとすると、もっともっと本を買わないと行けないなあ。
読了日:05月27日 著者:成毛 眞

妻を看取る日: 国立がんセンター名誉総長の喪失と再生の記録 (新潮文庫)妻を看取る日: 国立がんセンター名誉総長の喪失と再生の記録 (新潮文庫)
国立ガンセンター名誉総長でありながら、奥さんをガンで亡くし、その喪失感について書いている。一回りも上の奥さんなら、先に亡くなるのもわかるなあと思ったが、医者としてたくさんの患者を見送って来たが、自分の奥さんを亡くした後の喪失感が半端ではない。居て当たり前の存在だが、当たり前すぎて気がつかないが、妻の死は自分の体をもぎ取られる程の重さがあるのかもしれない。必ずいつかは別れるのだが。
読了日:05月26日 著者:垣添 忠生

陽だまりの彼女 (新潮文庫)陽だまりの彼女 (新潮文庫)
誰が調べたのか帯の文句は「女子が男子に読ませたい小説NO.1」。ベタ甘の恋愛小説が続くが、愛しの彼女との生活も徐々に暗い影がちらついて、ラストに種明かしが。こんなのありか?と思ったが、人を好きになる気持ちを再認識するファンタジーとして読んだ方がいいのかな。「いとみち」といい、この著者の人間の捉え方が基本的にやさしいのは好きだ。
読了日:05月21日 著者:越谷 オサム

嫉妬事件 (文春文庫)嫉妬事件 (文春文庫)
いろんな意味で異色のミステリー。殺人事件が起こる訳ではなく日常の出来事の謎を解く、北村薫の世界。でもこれを日常の出来事と言っていいのか、 と悩んでいたら、解説を読んで五十円玉二十枚の方か!とびっくり。本家・京大ミス研の謎を錚々たる面々で解いて欲しいなあ。
読了日:05月16日 著者:乾 くるみ

マリアの父親マリアの父親
「裸のフクシマ」から飛んできた。正直話のオチはよくわからんかった。 マリアの父親の意味する所。「裸の~」でも触れられていたが、 投入するエネルギーと取り出すエネルギーの差が、エネルギー問題を考える上での基本という議論が描かれている。「地球が宇宙に向かってウンコをできる量を超えて、 人間だけがエネルギーを使い続け、大量のウンコを し続けることはできないのよ」 原発事故が起きた後では、笑えない比喩である。
読了日:05月14日 著者:たくき よしみつ

黒笑小説 (集英社文庫)黒笑小説 (集英社文庫)
○笑シリーズ 3作目。13編の短編の内、4編は「歪笑小説」に繋がる灸英社が舞台。この4編が面白い。もう一度「歪笑小説」が読みたくなる。「選考会」は皮肉なラストだが、これで歪笑小説の「文学賞創設」がさらにキュンとなる好きな話になった。
読了日:05月13日 著者:東野 圭吾

謎解きはディナーのあとで謎解きはディナーのあとで
まったく期待してなかったが、読んでおこうと図書館で予約。9か月経って順番が回ってきた。ラノベミステリー?「名探偵の掟」でネタにされた構図がちらついて仕方なかった。執事・影山が謎を解決するために、風祭警部と麗子が真相に触らないようにおバカな推理を展開するという構図。謎解きを楽しみにする本じゃないけどね。面白くない、という感想がここまで続いているのも、読書メーターでは珍しいなあ。
読了日:05月13日 著者:東川 篤哉

裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす
福島第一原発 30km圏内の川内村で生活、福島の中から見た原発事故を描く。小説すばる新人賞を受賞した作家で、悔しさを押し殺しながら 文章もわかりやすい。避難地域の設定のドタバタやわざわざ線量の高い地域に避難や通学させられたりしているとは、線量計を携えて暮らすことでわかることか。税金を使って再生可能エネルギーを推進しては、原発と同じように利権に食い尽くされるので、単純に飛びつくなという指摘は新鮮。
読了日:05月12日 著者:たくき よしみつ

嘘ばっか 新釈・世界おとぎ話 (講談社文庫)嘘ばっか 新釈・世界おとぎ話 (講談社文庫)
26編のおとぎ話パロディ集。知らない話も結構あったな。知っている話はニヤリとさせられるのが多かった。シンデレラがこんなに裏がある女性なら嫌だなあ。お気に入りは「眠り姫」。
読了日:05月11日 著者:佐野 洋子

怪笑小説 (集英社文庫)怪笑小説 (集英社文庫)
○笑小説の第一弾。パロディありブラックユーモアあり、にやりと笑える9編の短編小説集。「あるジーサンに線香を」は、「アルジャーノンに~」か と気付くとラストが分かったが、この話ももの悲しかったな。「しかばね台分譲住宅」は「算段の平兵衛」が下敷きか。
読了日:05月10日 著者:東野 圭吾

異端のメス 心臓外科医が教える病院のウソを見抜く方法! (講談社文庫)異端のメス 心臓外科医が教える病院のウソを見抜く方法! (講談社文庫)
心臓外科医と名乗れるプロは少ないと毒を吐く勢いのエッセイ。 失敗も失敗だったとはっきりと言い手術はいつでも怖いのは本音。若くて元気でもかかる大病(急性大動脈解離って恐ろしい)もあるし、医療行為にはいつも危険がつきまとい、結果も不確実だというのも今はわかる気がする。こんな医者が異端なんだねえ。
読了日:05月06日 著者:南淵 明宏

サラの柔らかな香車サラの柔らかな香車
奨励会1級まで行った著者だからこそ、才能についてこのような形で表現しようとしたのだろう。将棋雑誌の連載記事という形で話が進むが、この形式で良かったのだろうか。小説すばる新人賞受賞作ということで、期待値を上げすぎてしまった。
読了日:05月05日 著者:橋本 長道

夫源病 - こんなアタシに誰がした - (阪大リーブル031)夫源病 - こんなアタシに誰がした - (阪大リーブル031)
妻の体調不良の原因は、「夫」である、とズバリ。怒りを我慢した人たちは、怒りを表した人たちよりも早く死ぬ確率が2倍早い確率、との研究結果があり、長生きするためには、夫婦喧嘩した方がいいみたい。 「夫を早死にさせる十か条」が書いてるのが、面白い。対抗するために、世の夫たちは読んでおいた方がいいかも。
読了日:05月03日 著者:石蔵文信

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet
現実に起こっている事件を思い浮かべると、手放しでは褒めるのはどうかと思うが、好きな小説だ。「好き」という言葉は、人を幸せにし、パワーを与えると思ってたが、重たすぎる。特にこの「好きって、絶望だよね」が。
読了日:05月03日 著者:桜庭 一樹

赤頭巾ちゃん気をつけて (新潮文庫)赤頭巾ちゃん気をつけて (新潮文庫)
1969年発行の本書、2012年に読んでも全く文章が古びてない。現在の作家にも影響を与えているかもしれない。当時読んだら、どんなに衝撃を受けただろうか。小林が登場して、「狂気」について思いを巡らせるシーンと女の子に足を踏まれて世界が180度変わったかのような展開が印象的だった。
読了日:05月01日 著者:庄司 薫

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