映画 「あなた、その川を渡らないで」

十三 シアター・セブンで「徘徊 ママリン87歳の夏」を鑑賞した時に、
この映画の予告編映像を見て、見たくなった。

「あなた、その川を渡らないで」 




2014年11月に公開されると口コミで評判が広がり、「インターステラー」を押さえて
観客動員数1位を記録するなど、韓国ドキュメンタリー史上1位とのこと。

どこの村だろうか、山深い田舎で暮らす98歳と89歳の夫妻。
どこに行くにも二人、それも手を繋いで。
落葉掃除や雪かきをしながら、奥さんに集めた葉っぱや雪をぶつけるいたずらっ子の
ご主人。

韓国のドキュメンタリーを見るのが初めてだったので、最初はフィクションとノンフィクションの
フィクションよりの映像を見ているような気持悪さを感じていたが、
それは二人があまりにも仲が良いからだと気付いた。

しかし、その二人にも老いは訪れ、確実に別れの時が近づいてくる。

先に死んだ方が天国で渡そうと、まだ幼い頃に亡くした6人の子供達のパジャマを
買い揃えた。

あの世で着ることができるように、服を燃やす風習があると紹介されるのだが、
夫が旅立った後に、パジチョゴリを燃やし、服の季節がわからない夫のために
これは春にこれは夏にと知らせるように肌着を燃やした後で、
パジャマを火にくべる姿に涙がこぼれてしまった。

結婚76年目の夫婦が見る風景はどんなものか、というのが、
この映画を見たいと思った理由だったが、夫の墓の前で寒さに気を付けてと
体調を気遣う姿から想像するに、1年目も10年目も金婚式も、特別ではない変わらない毎日を
過ごしていたのだろうなあ。




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