2020年9月の読書

 



9月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:3247
ナイス数:219

最終目的地 (新潮クレスト・ブックス)最終目的地 (新潮クレスト・ブックス)感想
一冊だけ作品を残し自殺した作家の伝記を書く公認を得るためにアメリカの大学院生が南米ウルグアイの遺族(妻・愛人・兄)の元を訪ねる。 独特のキャラを持つ遺族たち、風変りな同居生活は、ジョン・アーヴィングの世界を思い浮かべたが、静かに静かにストーリーが進んでいった。 優柔不断だった主人公・オマーが、実はアンバランスだった3人の同居生活に触媒のように影響を与えていく。 人の心とはこういうものなんだろうな、というようなゆらぎを感じた。
読了日:09月29日 著者:ピーター キャメロン


Number(ナンバー)1010号[雑誌]Number(ナンバー)1010号[雑誌]感想
藤井聡太と将棋の天才。 [最年少二冠の輝き]藤井聡太「天翔ける18歳」 [最年少街道は続く]記録で辿る異次元の歩み [トップ棋士縁側対談]佐藤天彦×中村太地「藤井はピカソか、モーツァルトか」 [永世名人の慧眼]中原誠が語る18歳の羽生と藤井
読了日:09月26日 著者:


だから荒野だから荒野感想
毎日新聞連載。 誕生日に自分でレストランを見つけて、運転させられて、料理に文句つけられたら、キレル気持ちもわからないではないが、そのままの家出も相当無茶苦茶。 残された家族と共に危なっかしい妻の逃避行がどうなるのか、とページを捲った。
読了日:09月22日 著者:桐野 夏生


校則なくした中学校 たったひとつの校長ルール: 定期テストも制服も、いじめも不登校もない!笑顔あふれる学び舎はこうしてつくられた校則なくした中学校 たったひとつの校長ルール: 定期テストも制服も、いじめも不登校もない!笑顔あふれる学び舎はこうしてつくられた感想
子ども達のためを思って実行した事が、全ての子どもたちが3年間を楽しく過ごせること。 校則・定期テスト・チャイムの廃止、服装自由化、話し合い・トライ&エラーを否定しないなど。 自分で考えるー実地の生活、仕事に従事する上で必須の力とも言えるが、公立中学校でここまで実行するのは大変だっただろう。
読了日:09月22日 著者:西郷 孝彦


Q&Aでわかる テレワークの労務・法務・情報セキュリティQ&Aでわかる テレワークの労務・法務・情報セキュリティ感想
在宅勤務環境やアプリ利用法などに言及する本が多い中、労務・法務・情報セキュリティの面で対応すべき点を、Q&A形式でわかりやすく解説する担当者向けの内容。 コロナ禍における緊急対応の言及も多い。
読了日:09月21日 著者:足立 昌聰,寺島 有紀,世古 修平,笹川 豪介,関原 秀行


ファイトファイト感想
モハメド・アリの代表的な4試合をアリの実況・心情表現で描く。ソニー・リストン戦が特に熱かった。 章を読み終わるごとに、youtubeの映像と見比べてしまった。
読了日:09月19日 著者:佐藤 賢一


東京、コロナ禍。東京、コロナ禍。感想
コロナ感染症患者の発生、増加する2020年2月下旬から7月はじめにかけての東京を撮影。 日々変化していく状況に、既に懐かしさを感じた。
読了日:09月18日 著者:


つけびの村  噂が5人を殺したのか?つけびの村  噂が5人を殺したのか?感想
12人が暮らす山口県の限界集落で、5人が殺害された2013年の殺人事件。都会から帰ってきたが、村八分・いじめられていたという見方が違っていた、「うわさ話」だった事を丁寧にあぶりだす。noteから火が付いたというのが、新しいノンフィクションの形。
読了日:09月17日 著者:高橋ユキ(タカハシユキ)


ちちんぷいぷいちちんぷいぷい感想
ちょっと不思議な話、皮肉の効いた話、50編の掌編小説。前の掌編のキーワードが次のストーリーに引き継がれるバトン形式。
読了日:09月12日 著者:松山 巖


関西俳句なう関西俳句なう感想
2011年1月1日~12月31日の俳句グループ「船団」の関西在住若手メンバー6人で立ち上げられた情報サイト「関西俳句なう」。関西(西日本)の同世代的な俳句を発掘・紹介する企画で1年間運営された。 13人 x 50句ー13人x50句と往復書簡で構成された本書。 俳人によって全く違うテイストになっていて面白かった。
読了日:09月11日 著者:


アカガミアカガミ感想
明治時代のお見合いを現代に移し替えたような展開、パラレルワールドだろうか。2000年以降に生まれた人間は40歳で死ぬという説(人生100年時代の逆という皮肉)がまことしやかに語られる2030年、若者の多くは人との接触を断ち、恋愛・結婚・子供を持つ事を選ばず、死に急ぐ世界。「アカガミ」というお見合いシステムに志願したミツキ、手厚いサポートに守られながらサツキとの暮らしに初めて愛を感じ始める。3人の将来が気になるが、サツキのふるさと生きていく姿が目に浮かぶ。愛する家族と苦労して生きていくのも幸せか。
読了日:09月11日 著者:窪美澄


靴ひも (新潮クレスト・ブックス)靴ひも (新潮クレスト・ブックス)感想
「もしも忘れているのなら、思い出させてあげましょう。私はあなたの妻です。」 個人的・小説の冒頭の一文大賞TOP10にランクイン。 イタリアのとある家族を妻・夫・娘の視点で描かれた3章仕立て。家族の結びつき・虚構が上手く描かれている。 視点が変わるたびに、それまでの章で感じた共感が覆されていく感じ。 角田光代「物語の海を泳いで」から手に取った。
読了日:09月09日 著者:ドメニコ・スタルノーネ


聖なるズー聖なるズー感想
本屋大賞 ノンフィクション本大賞ノミネート作品。 性暴力の被害者で「愛」がわからないという著者。 ドイツの動物性愛者団体「ゼータ」のメンバー(ズー)と寝食を共にし、動物との性愛とは?動物とのコミュニケーション・性愛は成立するのか?セクシュアリティとは何を意味するのか?一つ一つぶつかりながら思索を深めていく。 その過程に読者として同行し、驚きと自問の連続、価値観を揺さぶられる。ズーとは自分とは異なる存在たちと対等であるために日々を費やす人々。性暴力は「支配」という正反対との気づきに繋がった。
読了日:09月04日 著者:濱野 ちひろ

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