奇想の系譜の継承者~ 村上隆 もののけ 京都@京セラ美術館 ~

2月3日から京都市京セラ美術館で開催中の村上隆の個展に出かけた。


村上隆 もののけ 京都

現代美術において世界的に活躍する村上隆の個展、日本では最後ではないかとも言われる本展、先着5万名に配布されたCOLLECTIVE TRADING CARDは4日目で配布終了となった。 


まずは村上版 阿吽像がお出迎え。


阿像

吽像


3月には設置完了予定の「お花の親子」を眺めながら入口へ進む。


会場に入ると、まずは全長13mの「洛中洛外図」が目に飛びこんでくる。


岩佐又兵衛の「洛中洛外図」を下敷きに、所々に村上のキャラクターが配置されている。


展示されているがまだ書き加えているようで、未完成。村上の言い訳として説明書きも掲示されいたのが他の展示会にはない面白さだ。

いつまでも見ていられる作品だ。

カーテンをくぐって、次のゾーンは平安京。

八角形の部屋の真ん中に六⾓螺旋堂がそびえ、これも村上版 東の青龍・南の朱雀・西の白虎・北の玄武が四方を囲む。





自画像 「想像を超えた宇宙の活性を想起する」も部屋の中に展示

村上隆を代表するキャラクター「DOB君」とスーパーフラットを紹介するコーナーへと移る。

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不思議な森のDOBくん

ポップなキャラクターを堪能した後は、この展覧会を見たいと思ったお目当てが登場する。

「金色の空の夏のお花畑」
元の作品は青空だったが、金色に塗り替えるなど琳派作品に寄せた本作。金色の空でも笑顔の花たちが映えている。


お目当ての作品がこれ。
雲竜赤変図《辻惟雄先生に「あなた、たまには自分で描いたらどうなの?」と嫌味を言われて腹が立って自分で描いたバージョン》 2010年

学生時代に曾我蕭白にひきつけられた経験があるそう。

「奇想の系譜」を書いた辻 惟雄氏の挑発を受けて書いたという経緯そのままの題名、日本初公開のこの作品を見たかった。

全長18mのド迫力。



蕭白の雲竜図は黒だが、音声ガイドによれば、北斎の朱描鍾馗図の朱色から、赤で書いたとの説明だった。

あの朱色を持ってきたか、と思わず納得。

良い作品だなあ、これ。


トレーディングカードのデザインのコーナーで締められた。


ポップな作品の印象だったが、洛中洛外図や琳派との相性もよく、雲龍図では奇想の系譜を現在に継ぐものだ、との思いを強くした展覧会だった。

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