風が強く吹いていた

東洋大学に。

1月2日・3日に行なわれた第85回箱根駅伝は、東洋大学の初優勝で幕を閉じた。
また、今年もほとんど見てしまった。
終わって10日が経ったが、そのまま三浦しをんの「風が強く吹いている」も
再度読み終わった所だ。

下馬評では、早大・駒大が優勝候補で、東洋大学は昨年12月のわいせつ事件での
部員逮捕に揺れた直後で、優勝候補には名を連ねていなかったはずだ。

東洋大学を優勝に導いた理由は3点あった。

一番目は何と言っても、5区柏原の走りだ。
知らなかっただけだが、全日本では1区で3位、出雲では早大・竹澤を抑えて2区を1位で
走っており、注目の一年生ではあったわけだ。

佐藤監督代行の指示を無視しての快走で、区間新記録と往路優勝をもたらした。
この快走が復路のメンバーに乗り移って普段の実力を出すことが出来たのではないか。
これが2つ目の理由。

駒大が往路で大きく遅れてしまい、結局シード落ちしたが、これで早大に余裕が出てしまった。
気の緩みと言っていいだろう。
6区・7区で2位以下に差をつける作戦だったようだが、実力を出せなかった。
東洋大学はリクルートと指導がうまいと感じた。
決してフォームはきれいではないが、選手が一番力を出せるようにフォーム強制など
せずに自然に走らせているのではないか。単なる想像だが、

最後の理由は、作戦だ。
9区大津は2位早大・朝日と45秒差で首位で走り始めたが、 顔色やフォームのバランスも悪く、
大ブレーキでこの区間での首位交代を予感。解説の瀬古もそう言っていた。
早大・朝日はハイペースで入って、5秒差まで縮める。

ここで東洋大・大津は一気にペースを上げて、逆に一気に早大との差を広げた。
レース後のインタビューで、近づかせてから離せば、精神的ダメージを与えられると
思っていたとの佐藤監督代行のコメント。入りの5kmを下りながら15分30秒という
超スローペースを指示し、選手も見事に走りきった。

結果的に、鶴見中継所で早大・朝日に1分26秒の差をつけ勝負あり。

往路で強い選手を補欠に回し、復路の当日エントリー変更でぶつけるという
作戦はあるが、ここまで強い攻めの作戦を駅伝で見たのは初めてだ。

2区・日大ホグスの20人抜きなど、見所の多い箱根だった。

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