「不孝者」柳家三三

tbsチャンネル 落語研究会 3月7日放映。
干物で客をいじるお馴染みのマクラから、人情物をしんみりと思いきや、鮮やかなサゲ。
ある商家の旦那は、息子の遊んで商売に身が入っていないことに頭を痛めていた。
ある日も芸者遊びしている息子。使用人から茶屋の場所を聞き出し、使用人の服を着て、
息子を迎えに行き御灸を据えてやろうと出かけた。

息子は迎えの時間が早いと、倉で酒を飲ませておくように店に命じる。
使用人の服を着て倉の中で燗ざましの酒をちびりちびりやり始めた。
そこへ芸者が部屋を間違えて入ってきたら、それは昔世話をしていた芸者。
他人の借金の肩代わりをしたことから商売が傾いた際に、
助けてもらった人への義理と世間体から泣く泣く分かれた女だった。
今は決まった旦那がいないということで、もう一度世話をしたいと申し入れ
段々といい話になってきたなあ、という所で、息子が帰ると言う。

「親不孝な・・・」というサゲ。

遊びほうけている息子が親不孝なのかと思って聞いていると、
芸者との昔話の時点で息子のこと、使用人の格好をしていることも
すっかり忘れていたのだが、好きな女性とのひと時を邪魔しやがって、という所がにくい。
さすが三三、色気ある女性の演技は素晴らしく、息子のことを忘れさせてくれた。

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