5月の読書メーター読んだ本の数:30
読んだページ数:7241
ナイス数:367
ひとめあなたに… (創元SF文庫)の
感想「滅びの前のシャングリラ」を読んで、何十年振りかの再読。1週間後に隕石が激突して人類滅亡という事は、さらっと触れられているのみ。桂子が鎌倉までの道中で出会う女性の異常性を際立たせる単なる舞台装置。しかも、現実世界は既に異常であり、1週間後の人類滅亡は、その事を浮き上がらせるためのもの。21歳でこれを書いたとは恐るべし新井素子。夢と現実のはざまに生きる智子の事は覚えていたが、出会ったその他の女性を覚えていなかった事にちょっとショック(チャイニーズスープを忘れていたとは・・・)。
読了日:05月29日 著者:
新井 素子
図書館の外は嵐 穂村弘の読書日記の
感想週刊文春連載の書籍化。マンガに絵本、俳句・短歌に小説と幅広い読書ガイドではあったが、エッセイのように読めた。松本清張が俳句に親しんでいたとは知らなかった。
読了日:05月29日 著者:
穂村 弘
タニタの働き方革命の
感想社員を直接雇用から個人事業主として契約ベースの取引に変更する取り組み。ともすると人件費削減策と捉えられそうだが、就業規則に囚われない主体的な働き方・基礎控除以上の経費計上による手取り額アップなど、社員側にもメリットが生まれる。会社員とフリーランスの良いトコ取りできる制度を作り上げている。人生100年時代と言われ始めた時代において、優秀な社員に長く仕事に従事してもらう方法論の一つとして面白い。社員の不安を払拭するために、一番大事なのは社員と会社、特に経営者との信頼関係だろう。
読了日:05月28日 著者:
ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのかの
感想作業服専門店からアウトドア・アパレルトップメーカーの先頭に立ったワークマン発展の過程を創業からコロナ禍の昨年までをルポ。現専務の土屋氏の入社が契機となり、大きく発展を遂げた。原価率65%、データ経営、高品質・安価のPB商品開発、親子で引き継がれるフランチャイズ店など、他のではあまり聞かれないようなユニークな成功の秘訣に触れることができる。
読了日:05月25日 著者:
酒井大輔
遊廓に泊まる (とんぼの本)の
感想売春防止法施行(1958年)後も転業旅館として営業中の元遊郭を豊富な写真で紹介。2階に上がるためや顔見世の役目を果たす「階段」が印象的な建物が多い。
外国人観光客に人気の宿もあったが、コロナ禍で厳しい状況に直面していることだろう。
読了日:05月24日 著者:
関根 虎洸
滅びの前のシャングリラ (単行本)の
感想「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」世界で、繰り広げられるドラマ。突飛な設定の良さ、よくある設定で家族や愛する人や大切なモノが浮き上がる。「52ヘルツのクジラたち」よりも好み。自分に戻った路子に、ようやく繋がった電話口で次々と喋る家族の言葉が良かったなあ。何十年かぶりに「ひとめあなたに」を読み返そう。
読了日:05月21日 著者:
凪良 ゆう
空想科学読本 (17) (いちばん強いのは誰!?)編の
感想シリーズ20周年記念の一冊。空想科学読本を読んで理科の先生になった人も出るくらいなのか。「正義のためかもしれないが、地球を滅ぼしかねない愚行ランキング」/「人々に多大な迷惑をかけたと思われる科学者ランキング」といった様々なランキング形式で紹介される。ウルトラ水流も科学的に危ないとは、ジャミラも浮かばれない。
読了日:05月20日 著者:
柳田 理科雄
きのうのオレンジの
感想33歳で癌宣告を受けた遼賀と母親・弟、職場の後輩、同級生の看護師らのストーリー。登場人物のほとんどが良い人ばかりだ。弟・恭平とは本当の兄弟ではないが、両親を含めて兄弟としてちゃんと家族になろうと強く願い続けてきたから仲がいいのだという点は、血の繋がりと関係なくそうだと思う。登山靴のオレンジ色がずっと頭の中に残る小説だった。
読了日:05月18日 著者:
藤岡 陽子
ニトリ 成功の5原則の
感想「鈍くても遅くても、とにかく前に進め」
何よりも著者が前向きで明るい。この明るさが成功を引き寄せるのかもしれない。
「ロマン」「ビジョン」「意欲」「執念」「好奇心」という
5つの原則がキー。その中でもロマンを持つ事が一番の基礎になりそう。
「今の仕事に全力投球できない者は、希望するポストに移っても、満足な仕事はできない」
「まず命令を果たせ。次に期待を果たせ。そしてさらにそれを上回れ」
読了日:05月14日 著者:
似鳥昭雄
自転しながら公転するの
感想7年ぶりの長篇小説か、さすがの山本文緒、こんなに重厚な感じだったっけと思いながらも、面白さは変わらない。友人たちが指摘するように都の幼さみたいな部分にイライラしながらも、仕事・結婚・介護、主人公・都と一緒にオロオロしたり、悩んだりした。
日本の行く末はこんな感じになっていくだろう。
読了日:05月12日 著者:
山本 文緒
北北西に曇と往け 1巻 (ハルタコミックス)の
感想アイスランドを舞台に、モノと会話できる主人公が探偵業を営む。祖父を含めて特殊能力をもっているようだったり、ちょっと不思議な世界観。日本で別れた弟の再会から、サスペンスな展開に進んでいくとは思わなかった。
読了日:05月09日 著者:
入江 亜季
本当はちがうんだ日記の
感想著者らしい自虐ネタに溢れるエッセイ。小学校の卒業文集にあだ名を書く欄があり、あだ名がなかったので「ホムラ」と書いて自爆したというエピソードが微笑ましい。
読了日:05月08日 著者:
穂村 弘
誰も教えてくれない 質問するスキルの
感想ファシリテーションが本書の主目的になっているが、要求理解が困難な理由(言葉・抽象度・意識の壁)、右向き・左向きの思考は、把握しておきたい。上司も部下も常に自責でいなければならないという指摘が、何気に一番大切ではないか。誤字・脱字が目立つのが残念。
読了日:05月08日 著者:
芝本 秀徳
葬送のフリーレン (3) (少年サンデーコミックス)の
感想精神的には人間(エルフ)が未熟な感じだが、千年も生きていたフリーレン。努力は惜しんでいないし、あっという間の10年と言いながら共に闘ったヒンメルの立ち居振る舞いが、言動にうつっていたり、フリーレンのキャラが深まってきた一巻だった。
読了日:05月05日 著者:
サプライウェブ 次世代の商流・物流プラットフォームの
感想部材調達からエンドユーザーまで繋がるサプライチェーンから、不特定多数の調達先・納品先と自由につながることができるサプライ・「ウェブ(=クモの巣)」への進化の現状と将来を解説。既にスタートしているサプライウェブプラットフォーマーの実例も豊富に紹介されている(物流・製造・ユーザー・リスクマネジメント各プラットフォーマー)。
現在の延長線上では対応が難しいと思われる2030年以降のニューノーマルな世界をできるだけ予測して、時には既存の市場を捨ててまで対応できなければ、企業として生き残るのは相当難しいだろう。
読了日:05月05日 著者:
小野塚 征志
葬送のフリーレン (2) (少年サンデーコミックス)の
感想魔王城があるエンデを目指す旅に出たフリーレンとフェルン。アイゼンの弟子シュタルクを戦士として仲間に加えて、新パーティーが揃ってきた。
歴史上でもっとも多くの魔族を葬りさった魔法使いという題名の意味が明らかに。
読了日:05月04日 著者:
葬送のフリーレン (1) (少年サンデーコミックス)の
感想10年をかけて魔王を倒した勇者パーティーの後日談。人間よりも寿命が長いエルフ・フリーレンの目線で物語が進む。人間とエルフの時間軸の違いを上手く利用して、フリーレンが10年という冒険の意味の再確認・価値観の再構築が行われていく。設定が上手い。
読了日:05月02日 著者:
災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)の
感想ライツヴィルシリーズ 1作目の新訳版。結婚式直前に失踪したが3年ぶりにライツヴィルに戻ってきたジム。予定通りノーラと結婚するが、ジムの荷物から妻の死を知らせる手紙を発見する。殺人事件が起こるまでかなりのページ数を使い、ミステリーだが地方都市での人間ドラマを堪能した感じ。
読了日:05月01日 著者:
エラリイ・クイーン