恐るべし 伊勢神宮

お正月に何気なくテレビを見ていたら、ある番組で伊勢神宮の秘密を紹介するコーナーが始まった。

おう、タイミングがいいなあと思いながら見出したら、
中々興味深いではないか。

まず、伊勢神宮は外宮・内宮の2つだけはなく、伊勢・鳥羽に散らばっている125の神社の総称であった。

お祭りが年間1,500件も行なわれており、毎日1300年間続けられている祭りもあるそうな。
まあお祭りと言っても神輿をわっしょい担ぐのではなく、神様に食事を供えることも
祭りのことなのだが、これがまた凄まじいぞ。

神様に供えるのだからと、自給自足。米・魚はともかく、塩まで自分たちで作る。
これを1300年間、応仁の乱があっても続けてきたらしい。
最もすげー祭りは、式年遷宮(おっ一発で漢字変換した)。
20年に1度、正殿を始め御垣内の建物全てを新造し、さらに殿内の御装束や神宝を新調し、
神儀(御神体)を新宮へお遷し申し上げる、らしい(伊勢神宮のHPより)。
要するに20年に一回ずつ祭りのために、建物を建て替えて必要な物を準備しなおすということか。
持統天皇の頃(690年)に始まり、1300年続いてて、
前回は平成5年に行なわれ次回は平成25年の予定。
費用は全て寄付で賄い、予算550億円(!)、20年に一度するなよ、と突っ込みたくなる金額である。

しかし、何故20年に1度なのか、という疑問に対する一説として、定期的に建て替えを行なうことで
建築技術などを後世に伝えるため、というのがあるらしい。

昨年新書のベストセラーの一つだった「生物と無生物のあいだ」。
生物と無生物を分けるものの一つとして、エントロピーの増大から逃れるために
生物を組織する細胞を自ら壊して、新しい細胞で組織しなおすこと、というのが
挙げられていた。
単細胞生物であれば、細胞が死んだらそこで生物としても死を迎えるが、
多細胞で体を構成することで、細胞が死を迎える前に次々入れ替えて、
命を繋いでいる、ことに感心したのだが、伊勢神宮は正に「生物」として行き続けているではないか。

恐るべし 伊勢神宮。

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