GIANTS スタジアムでのことである。
11年間で13人のQBからパスキャッチしたクレベット。
ファンの多くは、好きな選手の番号入りレプリカジャージや
Tシャツを着てスタジアムにやって来る。
#6SANCHEZや#29WASHINTONなど、現役選手の番号がたくさん見られるが、
引退した選手や違うチームに移った選手といったチームには残っていない選手の番号も
多々見受けられる。
そんな番号で一番多いのは#12 JOE NAMATH だった。
第3回スーパーボウルを勝利した”ブロードウェイ ジョー”の異名を持つQB。
その次に多かったのは、#80。
WAYNE CHREBETである。
1995年にHOFSTRA UNIV.から、ドラフト外FAでJETSに入団。
2005年シーズンに引退するまで、11年間をJETSのみで過ごした。
生涯記録(レギュラーシーズンのみ) 580レセプション 7,365ヤード 41TD
AFC CHAMPIONSHIP ゲームに出場した98年シーズンは、
98レセプション 1,083ヤード 8TDと活躍。
5フィート 10インチ と小柄な体格ながら、正確なルート取りと
高いキャッチング技術、ブロックもおろそかにしない、
そして何よりも屈強なディフェンスに
囲まれてもひるまずにキャッチするガッツを忘れてはならない。
ついたニックネームは"MR. THIRD DOWN"だ。
NFL.COMとNEW YORK JETS 公式サイトで調べると、
3rdダウンから1stダウンを獲得するパスキャッチが379回とのこと。
正に困った時のクレベット、ここぞという時のクレベットである。
HOFSTRA UNIV.は、昨年までJETSがキャンプを行っていた場所でもある。
学生時代にはキャンプでウォーターボーイを務めたこともあった。
少なからず縁があったJETSに入団した1995年、プロ選手として迎えたキャンプ初日に
クレベットは入り口でセキュリティーに止められてしまった。
余りに小さいのでプロ選手と信じてもらえなった、というエピソードが残っている。
ドラフト外としてロースターに残る競争も厳しかっただろうが、
ルーキーシーズンから16試合に出場し、エースレシーバーの地位を確立させていく。
順風満杯かと思われた1996年にはUSCからKEYSHAWN JOHNSONをドラフト1巡1位で獲得。
プレーは一流だが、態度のデカさも一流(?)で、1勝15敗に終わったチームに対して
批判しまくった(批判本の題名が「JUST GIVE ME THE DAMN BALL」)。
批判はクレベットにも向けられた。
内容ははっきりと覚えていないが、ドラフト外のレシーバーと俺を比べるな、
というものだったはずだが、クレベットはキーションには何も言い返さかったらしい。
このような態度も今もジェッツファンの心を掴んでいる一因だと思われる。
クレベット思い出のキャッチとしては、2000年シーズンWEEK8のMONDAY NIGHT FOOTBALL
は、マイアミドルフィンズ戦 あの第4Q大逆点の試合でのものだ。
第4Qだけで23点を追いついたこの試合、23-30から同点に追いつくTDパスキャッチは
肩越しのパスをキャッチし、ボールを地面につけないように体を反転させながらの
見事なものだった。
小さい選手が大きな選手の間で恐れずにパスを取りまくる、
そんなプレースタイルの代償として付きまとったのが、脳震盪だった。
パスキャッチ後のタックルや地面に落ちた際の衝撃が原因で度々脳震盪を
起こし試合を欠場する。
しかし、その度に復活し、3rdダウンでパスをキャッチし続けた。
2005年11月6日 WEEK9 のSD CHARGERS 戦の第4Q、
1STダウンを更新するパスキャッチ後に地面に頭をぶつけて脳震盪を起こし、
これがキャリア最後のパスキャッチとなってしまった。
2007年9月23日のドルフィンズ戦のハーフタイムに、引退のセレモニーが
行われ、77,000人のファンが彼に別れを告げた。
引退後の今も脳震盪の後遺症に苦しんでいるそうだ。
580回のパスキャッチは、ジェッツのALL-TIME 2位
7,365ヤードは、5位、41TDは8位の記録となっている。
記録にも記憶にも残るプレーヤーであり、今も多くのファンが#80を身につけて
スタジアムを訪れている。
11年間で13人のQBからパスキャッチしたクレベット。
JETS公式ホームページでクレベットの引退を伝えたページには、
記録のTIME LINEが載っている。
Wayne Chrebet’s Milestone Receptions:
Timeline Catch No. QB, Yards, Date, Opponent
1 Boomer Esiason, 27 yards, Sept. 3, 1995, at Miami
100 Frank Reich, 11 yards, Oct. 13, 1996, at Jacksonville
200 Neil O'Donnell, 30 yards, Nov. 30, 1997, at Buffalo
300 Ray Lucas, 18 yards, Nov. 21, 1999, vs. Buffalo
400 Vinny Testaverde, 20 yards, Dec. 24, 2000, at Baltimore
439 Vinny Testaverde, 21 yards, vs. Cincinnati, Dec. 16, 2001, vs. Cincinnati (passed Wesley Walker and Mickey Shuler)
500 Chad Pennington, 22 yards, Dec. 15, 2002, at Chicago (Champaign, Ill.)
518 Vinny Testaverde, 1 yard, Sept. 14, 2003, vs. Miami (passed Al Toon)
580 Brooks Bollinger, Nov. 6, 2005, vs. San Diego (final catch)
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