「もう半分」 桂春之輔

上方演芸ホール 6月28日放映

あまり関西では演る落語家がいないのは、面白くないからとのことだが、
確かに笑いというかホラーだった。

酒屋にやってくる八百屋のおやじは、いつもお酒を半合ずつしか頼まない。
貧乏で3-4合しか飲めないので、半分ずつ飲むと沢山飲んだ気がするとのこと。

ある夜も半分ずつ飲んで帰ったが、汚い手ぬぐいに包まれた50両が見つかった。
ちびちび飲んで看板が遅くなると、八百屋を良く思っていなかった酒屋のおかみが
ネコババを提案した。

果たしてお金を探しに来た八百屋、おかみは知らない振りをして
どうしてそんな大金を持っているのかと問う。
それは八百屋の娘が、吉原に身を落としてまで稼いだ両親のためのお金だった。

酒屋を追い出された八百屋は、川に身を投げて死んでしまう。

ネコババしたお金で商売替えをした酒屋は、子宝にも恵まれて幸せな家庭を築いた。
という所で終わる話ではなく、その子供が死んだ八百屋にそっくりで、
行灯の油を「もう半分」といいながらススルところで話が終わり。

怖い。

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