待つべきか 待たざるべきか
ツールドフランス史上にも語り継がれるようなシーンが
15ステージ終盤に登場した。
31秒差をコンタドールにつけマイヨジョーヌを着ていたアンディ・シュレクは
第14ステージから一転、攻めの姿勢を見せた。
超級山岳のポール・ド・バレスでもコンタドールに何度かアタックを
仕掛けた。
その度にコンタドールはぴったりとアンディをマーク。
山頂まで残り3km弱の地点で、絶妙のタイミングでアンディがアタック。
集団の真ん中に居たコンタドールはすぐには追走できない。
アスタナのヴィノクロフしか追えない、アタックが決まったか、という
瞬間、それは訪れた。
アンディの自転車のチェーンが外れた。
この機にコンタドールが逆アタック、総合3位 サミュエル・サンチェス
4位 メンショフもコンタドールに続いて、バレス山頂を通過する。
何とかチェーンをはめ、総合5位のヴァンデンブロックとコンタドールを追う
アンディ。これまでに見たことがない鬼気迫る迫力の走りを見せてくれた。
下りきった所がゴールの15ステージ、下りのスペシャリスト サンチェスが
一緒だったことがコンタドールにはプラスに働き、
結果的に8秒差でコンタドールがマイヨジョーヌを奪還した。
ロードレースのあいまいな紳士協定からすると、待つべきだったのだろう。
実際、レース直後の表彰式では、コンタドールは激しいブーイングを
観客から浴びせかけられた。
そもそも第19ステージに残っている個人タイムトライアルでは、
コンタドールの方が2-3分速く、31秒差では仮想マイヨジョーヌは
コンタドールと目されていたこともある。
マイヨジョーヌは単に速いだけではだめなのだ。
しかし、チェーンを外したのはアンディの技術ミスという意見や、
第3ステージでフランク・シュレクの落車に巻き込まれて前にいけなかった
コンタドールにアタックをかけて31秒差を付けたのはアンディだった
という話も飛び交う。
ネットやツイッターを見ていると神学論争並みの盛り上がりだ。
しかし間違いなく、残り5ステージで、アンディの怒りの逆襲が見られるはずだ。
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