2012/04/28

立川談春独演会2012 4月@森ノ宮ピロティホール 2

「慶安太平記 吉田の焼き打ち」

15分の中入り終了後、「吉田の焼き打ち」スタート。
善達の旅立ちとは話が繋がっているとのこと。

二人して金飛脚を襲い三千両を手に入れ、吉田の宿に投宿。
そこで下手人が吉田の宿に泊まるはずなので、
誰も外に出してはならぬ、翌朝調べるという命を伊豆守が出していることを知る。

このままでは逃げられないと悟り、飛脚は宿の主人を言いくるめて、
外出し脱出のネタを仕込んでくる。
火事を起こすための火薬を町中に仕掛け、その騒動の間に逃げようと
いう算段だ。

誰も出してはならないという命に背いて飛脚を外に出したはいいが、
2時間を帰ってこないことにビビる主人を番頭が弄るやり取りと
火薬を仕掛けられた家の老夫婦のやり取りはユーモア溢れていて、
「善達の旅立ち」よりも笑い声がホールに響いた。

火事の混乱の中を首尾よく逃げ出して、ここまでくればもう安心、
という二人の方を叩く人間が。
そっと振り返ると、それは由比正雪だった。

というこれから!という場面で終わり。

江戸時代、長い時は90日連続で演じられた講談だったので、
「切場」と言われる最後の場面の盛り上げが上手い。
正直、こんなところで切られたら毎日行かないと堪らない。

「慶安太平記」は面白くないどころか、他の段もあるならもっと聞きたい
という気持ちにさせられた。
ただし、今の落語ブームの中で「落語」を聞きに来て、
いきなり「慶安太平記」が始まったら、騙されたと思うかもしれない。

談春も言っていたが、この噺を高座にかけるのに、日本で最も相応しくない
のが大阪。

フェスティバルホールの「芝浜」をはじめ、ここ数年大阪・神戸で独演会を重ねた。
それは、談春はこんな芸を見せる、と客にわからせて、談春の「慶安太平記」を聞く
土壌を耕してきたのじゃないかと思ってしまった。

4回目で初鑑賞となった独演会2012だったが、いいものを見せてもらった。

立川談春独演会2012 4月@森ノ宮ピロティホール 1

2012年4月25日(水) 19:00開演。

神戸と大阪で今年1年間毎月催している独演会の4回目。
毎月夫婦で見に行っていると、お金が続かない。
チケットを1枚だけ取ってどちらかが見に行くことにしたのだが、
出張などでようやく足を運べた。

「紙入れ」
妖艶な色気を出す女性が少なくなった、不倫という言葉を聞くと何か
良いことでやってみたくなる、とマクラを振って、「紙入れ」からスタート。

世話になっている旦那の奥さんとやんごとなき関係になってしまった男が、
奥さんの誘いを断り切れず、旦那の留守中に迫られてたところに、
旦那が急に帰宅。慌てて逃げ出すも、よりにもよって旦那にもらった
紙入れを忘れてしまう。

翌日様子をうかがうために旦那の家を訪ねるとばれてない様子。
それでも違う旦那の話として、カクカク云々と話をすると、
奥さんが出てきて、「そんな奥さんなら、旦那を家に入れる前に
紙入れを見つけてしまっているわ」
旦那「紙入れに気づいても、女房を取られるような男だ。
そこまでは気がつくまい」がサゲ。

そろそろ難しくて面白くない話が出るかと身構えていたので、
「紙入れ」が始まって、正直ちょっと気が抜けた。

「慶安太平記 善達の旅立ち」
下がることなく、「紙入れ」はサービスで、難しくて面白くない
「慶安太平記」をやると言う。
談誌の「慶安太平記」を聞いて、格好いいなあと感じ、
やりたかったのだと言う。

芝・増上寺が3年に一度、三百両を京の本山まで運ぶという仕事がある。
行き5日帰り5日という超ハイペースで往復しなければならず、
しかも道中には切り取り強盗が跋扈し、金を届けることができなければ
死んで詫びなけらばならないという厳しいもの。
それゆえ誰をやりたがらないが、善達が手を挙げ、三百両を身につけ出発。

すぐに怪しい飛脚がぴたりとついてきて、どんなに急いでも離れない。
実はこの飛脚は、紀州藩から徳川家に奉納される三千両を
奪おうとしていたのだった。

協力を求められる善達が報酬として三百両を求めると、
利害が一致せず二人は真っ暗やみの中で刀を抜き、切りつけ合うが、
そこへ三千両を運ぶ金飛脚が通りかかる足音が聞こえてきて・・・

という所で、「善達の旅立ち」はここまで、中入りとなった。

講談から落語に作り変えられたこの噺、確かに笑う場面は多くない。
しかし、善達と飛脚が京へ向け進むにつれ、噺にのめりこんでた。
特にラストの闇夜の場面では、息をすると相手に気配を悟られるのでは
ないかと思ってしまうくらい入り込んでしまった。

2012/04/22

造幣局 桜の通り抜け

 4月17日から23日まで、大阪 造幣局 桜の通り抜けが開催されている。
市内に出る用事があったので、足を伸ばした。

造幣局 桜の通り抜け情報
http://www.mint.go.jp/sakura/index.html



桜の宮橋から通り抜け会場を望む。
ソメイヨシノの時期も桜の名所だ。








開催期間中の唯一の土曜日とあってか、
天満橋駅から既に混雑しており、アリの行列のように
造幣局にぞろぞろと歩くこと約10分、南門に到着。

通り抜けは、南門から北門まで北への一方通行で、
約560mの通りに今年は129種354本の桜を鑑賞できる。









































今年の花 小手毬。
既に散り掛かっていたのが残念。





























天候が曇り、人もわんさかいたので、あまり写真がきれいじゃない。

大阪の春の風物詩ではあるが、通り抜けを見に行くのは、
学生以来じゃないかな。

というのも、桜は八重桜じゃなくてソメイヨシノだろうと、あまり好きじゃなかった。
しかし見に行けば、どうしてどうして赤・ピンク・白・緑と様々な花を
触れるくらい(触っちゃいかんが)間近に楽しめ、いいもんだなあと
良さを再認識した。

2012/04/19

2012年シーズンスケジュール


NFL 2012年シーズンのスケジュールが、発表された。
今年は、NFC WESTとの対決だが、隔週で西海岸への移動することはなく、
ファーブが居たシーズン終盤のような失速は避けられるかな。

W 01 9/09 BILLS

W 02  9/16 @STEELERS

W 03  9/23 @DOLPHINS

W 04  9/30 49ers

W 05 10/08 TEXANS

W 06 10/14 COLTS

W 07 10/21 @PATRIOTS

W 08 10/28 DOLPHINS

W 09 Bye

W 10 11/11 @SEAHAWKS

W 11 11/18 @ St. Louis Rams

W 12 11/22 PATRIOTS

W 13 12/02 CARDINALS

W 14 12/09 @JAGUARS

W 15 12/17 @TITANS

W 16 12/23 CHARGERS

W 17 12/30 @BILLS

BILLに始まり、BILLSに終わる。

面白そうなのは、アスミスの49ersと
ペイトンがいなくなったCOLTSとの対戦。

COLTSは今年のドラフトで、ラックをピックアップするだろうから、
全米注目のラックとの戦いを注目したい。

2012/04/01

2012年3月の読書

3月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
読んだページ数:4665ページ
ナイス数:70ナイス

キャベツ炒めに捧ぐキャベツ炒めに捧ぐ
惣菜屋「ここ家」を舞台に60代女性3人の日常を描く。60代と言うが、読んでると10代か20代の女性が思い浮かんでいた。恋する気持ちに年齢は関係なしか。そしてとにかくご飯が美味しそう。旬の素材を囲んで、あれ作ろうこれ作ろうという場面が、たまらなかった。

読了日:03月31日 著者:井上 荒野

ハナシはつきぬ! 笑酔亭梅寿謎解噺 5ハナシはつきぬ! 笑酔亭梅寿謎解噺 5
シリーズ5作目。謎解噺とついてるが、破滅的な振る舞いの師匠・梅寿が時々見せる安楽椅子探偵風の竜二への愛に垣間見れるぐらい。竜二は一発屋芸人になったり、生死の境をさまよったり、相変わらずハチャメチャ。そこがいいんだけど。
読了日:03月27日 著者:田中 啓文

和菓子の京都 (岩波新書)和菓子の京都 (岩波新書)
「和菓子のアン」を読み、和菓子の本をと、図書館で借りた。創業1503年 京都北山の川端道喜の15代当主が著者。500年に渡り御所に和菓子を納めて来た伝統の重みを感じた。太平洋戦争時に副食物はいらないと和菓子屋が廃業させられたり、戦時中・後の物資不足もあったが、よく乗り切れたものだ。はなびら餅を黒文字で切ると味噌が流れて来るとは、これまで食べたはなびら餅とは全然違うのかな。一度食べてみたい。
読了日:03月24日 著者:川端 道喜

ヘルプマン!(20) (イブニングKC)ヘルプマン!(20) (イブニングKC)
成年後見制度編3巻目。キレイ事のような終わり方だが、ちょっとずつ迷惑を掛けながら支えあう暮らしは、もうできないものか。マイホームは、家族がいて、みんな健康で、笑って暮らせるところ、というセリフに、そうだなあと心に残った。
読了日:03月24日 著者:くさか 里樹

チア男子!!チア男子!!
それぞれに事情を抱えながら、男子チアチームで一つになっていく、というスポーツモノの黄金パターンだが、今一つ入り込めなかった。登場人物が多すぎるからか、各人のキャラ設定が分かりにくいし、チアリーディング用語に馴染んでないので、描写が難しかったからだろう。ネタはいいし、チアリーディングは映像で見たほうが伝わるので、演者が大変だが映像化すれば面白いかも。「チアリーダーとは、観客も選手も関係なくすべての人を応援し、励まし、笑顔にする人のこと。そして、そのために自らの努力を惜しまない人のこと」
読了日:03月24日 著者:朝井 リョウ

炎情―熟年離婚と性炎情―熟年離婚と性
「婦人公論」に連載されていたためか、様々な熟年離婚のケースを性の問題で括った。著者自身が熟年離婚経験者なので、聞き取りできたこともあっただろうが、プライバシーに配慮しなければならず、本当の話かと穿った見方をしてしまった。一緒にいるのも嫌なパートナーと嫌々暮らしていくならば、別れてしまう方が良いので、熟年離婚がしにくかった昔に比べればいい世の中になったのだろう。他国はどういう傾向になってるのだろうか。
読了日:03月18日 著者:工藤 美代子

格闘する者に○ (新潮文庫)格闘する者に○ (新潮文庫)
デビュー作。主人公可南子の妄想爆発の感じが読んでて楽しかった。K談社や集A社の面接シーンが好きだなあ。
読了日:03月15日 著者:三浦 しをん

PRAY FOR JAPAN ‐3.11世界中が祈りはじめた日‐PRAY FOR JAPAN ‐3.11世界中が祈りはじめた日‐
前から読みたいと思っていて、一年経過した11日に寄付の気持ちで購入。ここに書かれている日本人の我慢強さ・人を思いやる気持ちなどを、本当の日本の強さに変えたいとの思いが強くなった。
読了日:03月14日 著者:

できるポケット+ Evernote 活用編できるポケット+ Evernote 活用編
使えるアイデアばかりではないが、とにかくEvernoteを使ってみよう。
読了日:03月14日 著者:コグレマサト,いしたにまさき,堀正岳,できるシリーズ編集部


星やどりの声星やどりの声
父が遺した喫茶店を中心に兄弟6人の物語。1章の長男・光彦は何故か読みにくかったが、段々とこなれて来た。ちょっときれいにまとまりすぎという気がする。でも「桐島~」より好き。
読了日:03月13日 著者:朝井 リョウ

毛のない生活毛のない生活
題名買い。15年勤めた幻冬社を退社した直後に乳がんが見つかった。抗がん剤に苦しみながらの闘病記であるが、悲壮感だけではない。毛のある生活に戻れた時、違う自分に変わっていた。抗がん剤治療の様々な情報に振り回されるのではなく、自分の身体感覚を優先させて治療を受ければよいという言は大事にしたい。「雨風がしのげて、あたたかいごはんをいただけて、あたたかいふとんで眠れる。なんとありがたいことでしょうか。これ以上の幸せを、やたらもとめちゃいけないなァ、とつぶやいて、ふとんにもぐる」の箇所が今日は身に沁みる。
読了日:03月11日 著者:山口ミルコ

選ばれる男たち―女たちの夢のゆくえ (講談社現代新書)選ばれる男たち―女たちの夢のゆくえ (講談社現代新書)
女性にとって幸せな関係を継続できる夢の男の条件として、殴らない男・怒鳴らない男・暴言を吐かない男ってあるが当たり前じゃないかと思う。しかし著者は、給与格差・出産/育児に被る影響の男女差など、結婚という制度化された関係性において男性は望むと望まざるとに関わらず、大きな特権を得るのだと説く。男はこのことに無自覚なのだろうか。
読了日:03月11日 著者:信田 さよ子

奇面館の殺人 (講談社ノベルス)奇面館の殺人 (講談社ノベルス)
「館」シリーズ9作目。中村青司の館だけでなく、雪に閉じ込められるというオプション付き。しかし凝った舞台設定の割りには、謎解きはこじんまりとした印象。でも、「館」シリーズは出たら読むのだ。次が最終作になるのだろうか。
読了日:03月10日 著者:綾辻 行人

陰陽師 龍笛ノ巻 (文春文庫)陰陽師 龍笛ノ巻 (文春文庫)
「怪蛇」「首」「むしめづる姫」「呼ぶ声の」「飛仙」の5編。清明と博雅の会話リズムが心地よい。若干やおいの雰囲気も感じたが。
読了日:03月09日 著者:夢枕 獏

ジェノサイドジェノサイド
壮大な世界観。何点か?という所もあったが、それを補って余りある世界が描かれていた。ザ・エンターテイメントという感じ。映像化するならハリウッド映画と思いながら読んでたが、「24」のシーズン1つ使わないといけないな。
読了日:03月07日 著者:高野 和明

ご老人は謎だらけ 老年行動学が解き明かす (光文社新書)ご老人は謎だらけ 老年行動学が解き明かす (光文社新書)
老いて失われる記憶力・身体能力などを、「選択・最適化・補償」することで、老いに適応して生きていけるのだ、という点が前向き。
読了日:03月04日 著者:佐藤 眞一

経済大国インドネシア - 21世紀の成長条件 (中公新書)経済大国インドネシア - 21世紀の成長条件 (中公新書)
90年代と今のインドネシアの大きなギャップを持っている一人として、溝を埋める一冊と感じた。インドネシアにとって日本は最大の貿易国であり、最大の援助国だが、「インドネシアは変わりつつある」との認識を持たないといけない。今回のネシア訪問時に実際にプチンダ・ジュパンを目撃し、ネシア人若者の日本愛の一端を垣間見た。
読了日:03月01日 著者:佐藤 百合

2012年3月の読書メーターまとめ詳細
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