「若冲が来てくれました」展は日曜日に見に行くつもりだが、
チケットを買っておこうと、タクシーで福島県立美術館に直行した。
チケットを買う行列が連日長いので、購入したチケットは
期限内であればいつでも入場可能、先に買ってもいいですよ、
と美術館ブログで告知があったので。
ちなみに美術館までは福島交通飯坂線で、福島駅から2駅、「美術館図書館前駅」下車。
翌22日の9時前に、再度美術館にやって来た。
江戸時代の絵師である伊藤若冲作品の最大のコレクターであるジョー・プライス氏は、
2006年に「プライスコレクション 若冲と江戸絵画」を成功させ、日本でも若冲の名を
広めた。
2011年3月11日の東北大震災と原発事故の映像をテレビで見たプライス夫妻は、
強いショックを受けたそうだ。
そんな中、瓦礫の中から顔を出した梅の枝に、白い花が咲く光景に涙を流した悦子夫人。
二人が集めたコレクションを被災地で巡回展示できれば、この梅と同じ慰めと安らぎを
皆さんに送り届けることができるかも、と今回の展覧会が実現した。
9時前からチケット購入の行列が。 |
前日にチケットを購入していたお蔭で、すんなりと入館。
9時30分からの開場と思っていたのだが、既に開場されており、早速鑑賞開始。
最も見たかった「鳥獣花木図屏風」。
8万6千ものマス目に色づけして描かれた作品、気の遠くなるような作業だったろう。
一番に目に飛び込む象の他、鳳凰といった想像上の動物や身近な動物達が
仲良く暮らしている風で、正に楽園、今回のテーマにぴったりな作品だ。
これを見るだけでも、福島に駆けつけた甲斐があった。
伊藤若冲だけでなく、江戸時代を代表する画家、曽我蕭白・長沢芦雪・酒井抱一の
作品も合わせて展示されている本展覧会。
長沢芦雪 「白象黒牛図屏風」 足元の白い犬が可愛いとツイッター上でも大人気に |
これまであまり興味を持って見たことがなかったが、森狙仙の描く猿に
感心したり、細見美術館やミホミュージアムに行って他の作品も見たいなあ、
という気持ちにさせられた。
今回の展示会で感心して、他の展覧会でもやって欲しいことが。
・わかりやすい作品の名前
東北の子供たちに見てもらいたい、という目的のために
作品名を付け直していた。
「鳥獣花木図屏風」
→花も木も動物もみんな生きている」
「白象黒牛図屏風」
→白いゾウと黒いウシ
「猿図」
→ハチを見上げるサル
作品の意図する所をずばり名前に付けていたので、大人にもわかりやすい。
「週間こどもニュース」を見てる気分だった。
・作品が近い
美術展には、絵の細かい部分を見るためにオペラグラスを持参しているが、
ほとんど必要ない近さで鑑賞できた。
また、「鳥獣花木図屏風」はガラスケースなしで鑑賞。
9月23日で終了した福島県立美術館での展覧会には、15,592人が訪れた。
県立美術館の企画展としては、最高の入場者数とのこと。
9月23日のブログには、「満員御礼」として、これだけの大人数を迎えた経験がなく、
不手際があったが、暖かい声援が励みになったと来場者に対する謝意が書かれている。
http://d.hatena.ne.jp/artmuseum_fukushima/touch/20130923/1379929696
プライス夫妻、福島県立美術館のスタッフの皆様、良い展覧会を開催して頂き、
有難うございました。
15,592分の1人になれたことが、幸せな気分。
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