See you on the road. ~ ノマドランド ~

 今年最初の映画館での映画鑑賞。

  ノマドランド


ベネチア国際映画祭の金獅子賞、トロント国際映画祭の観客賞のダブル受賞という映画史上初の快挙を成し遂げ、第93回アカデミー賞 作品賞・監督賞・主演女優賞の3部門も受賞。


「企業の破たんと共に、長年住み慣れたネバタ州の住居も失ったファーンは、キャンピングカーに亡き夫との思い出を詰め込んで、〈現代のノマド=遊牧民〉として、季節労働の現場を渡り歩く。その日、その日を懸命に乗り越えながら、往く先々で出会うノマドたちとの心の交流と共に、誇りを持った彼女の自由な旅は続いていく──。」(公式HPより)




実に静かな映画だった。退屈と感じる人も多いしれない。
でも、心に染みる映画だった。


町を失い、住む家を失い、バンに乗って季節労働者としてその日暮らしするファーン。
Amazonでの非人道的な仕事は描かれず、日々の糧を得るための仕事としてさらっと出てくるだけだったのが意外ではあったが、何故ノマドを選ぶ人たちが出てきているのかといったアメリカの現状に対する批判を行う映画ではなかった。

工夫も面白くもない言い方をすると、人生を描いている。
どのように生きていくかは、その人そのものの選択であるし、そこには様々な人との関りが生まれては消えていく。
ノマドの生活で良いのは、人と別れる時にさよならではなく、また会おうと言える事だというシーンが記憶に残った。

ファーンを演じたフランシス・マクドーマンドのノマドへの溶け込み方が半端じゃない。労働者そのものだ。

この映画、監督の特徴として、フランシス・マクドーマンドや淡い恋心?恋愛要素をうかがわせたデイブ役のデヴィッド・ストラザーンの他は、劇中に登場するノマドたちはほぼ本人たちが実名で登場している。
知らなかったので、エンドロールで役名と名前が一緒なのを見て、驚いた。

そして、なにより風景が美しい。

アメリカ西部の美しい自然の風景に魅せられる。

監督 クロエ・ジャオはアメリカが好きなんだろうなあ。
開拓の時代からアメリカってこうなんだという事を自然込みで描いている気がする。


映画館で見るべし。

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