2021年の読書メーター読んだ本の数:215
読んだページ数:47571
ナイス数:2647
21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考の
感想過去『サピエンス全史』・未来『ホモ・デウス』・本作で、現在を、バイオテクノロジーとITの融合が生み出す未来をどう生きるかを問う。
15 無知 あなたは自分で思っているほど多くを知らない
19 教育 変化だけが唯一不変
情報の意味を理解したり、重要なものとそうでないものを見分けたりする能力、そして何より、大量の情報の断片を結びつけて、世の中の状況を幅広く捉える能力が必要、
といった点が心に残った。
読了日:01月07日 著者:
ユヴァル・ノア・ハラリ
JR上野駅公園口の
感想2020年 全米図書賞 翻訳文学部門 受賞で手に取った。
上野公園でのホームレス生活と東北の農村に生まれ底辺に生きてきた過去が、繰り返し積み上げられる。
震災・原発・ホームレス・天皇制といったテーマ、アメリカだからこそ評価された点もありそうだ。
読了日:01月12日 著者:
柳 美里
詩ふたつの
感想クリムトの絵画と長田弘の詩2編が見開きに。
「人生は森のなかの一日」と樹木の絵のコンビが、森の中にいるようで心地よかった。
読了日:01月13日 著者:
長田 弘
みつえばあちゃんとボクの
感想「ペコロスの母に会いに行く」みつえばあちゃんと長崎に越してきた著者の息子とのほのぼのした暮らしが描かれる。
「ペコロスー」を読んでいるので、みつえばちゃんが良い思い出の中で生きていることを知り、ほっとするも、ものすごく切なくなった。
読了日:01月14日 著者:
岡野雄一
少年と犬の
感想一匹の犬を巡る連作短編集。どこか欠落感を抱えている人々が、「多聞」との出会いでそれでいいのだと承認されていくかのようだった。著者の本は何年ぶりに読んだだろうか、最初は犬?と思っていたが(知らなかっただけで、犬の小説を書いていたんだな)、所々に馳星周が顔を出す。ラストは、ブラックジャック・ラルゴを思い出した。
読了日:01月19日 著者:
馳 星周
空をゆく巨人の
感想福島県いわき市の実業家・志賀忠重、世界的現代美術家・蔡國強の出会いが生み出したものが描かれる。
縁と言ってしまえばそれまでだが、チームいわきの面々、サブストーリーのような冒険家・大場満郎の北極海横断と、人の繋がりを強く感じた一冊。第16回開高健ノンフィクション賞受賞作。
読了日:01月22日 著者:
川内 有緒
新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実 (日経プレミアシリーズ)の
感想テレビを消して、スマホを置いてこの本をまず読もう。新型コロナウイルス感染症の正しい情報を得て、自分の頭で考えるために。情報リテラシーをレベルアップさせよう。
新型コロナ情報に触れる際に知っておくと、パニックや無用な不安に襲われることを避けられ重要なポイントを考える手掛かりを目指している。この本も鵜呑みにするなと。
ワクチンについて、免疫について、PCR検査について、専門家と一般人の専門用語の捉え方の違い。
神風を期待しても吹かない。
読了日:01月30日 著者:
峰 宗太郎,山中 浩之
いのちの初夜 (角川文庫)の
感想ハンセン病で23歳で早世した著者、施設入所初日を描いた表題作含め8編を収録。
ハンセン病患者でなければ描けない心情描写。
月並みだが、生きるという事を考えさせられる一冊だ。
読了日:02月07日 著者:
北條 民雄
「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本の
感想Audio bookにて。
テレビで取り上げられう事も増えてきた気がするが、
HSP(Highly Sensitive Person)についての本。
著者自身もHSPで、HSPのカウンセラーでもある。
HSPとは?・ストレス軽減法・人間関係を楽にする方法など。HSPと言ってもそれぞれ差がありそう。
読了日:02月07日 著者:
武田友紀
「過干渉」をやめたら子どもは伸びる (小学館新書)の
感想2019年に桜丘中学校保護者の有志が、世田谷区 桜丘中学校 前校長 西郷孝彦氏、教育評論家 尾木直樹氏、
麻布学園理事長 吉原毅氏を招いて開催した教育に関するトークイベントの内容を基に再編集した本書。大阪・隆祥館書店 トークイベントを機に読了。
10年振りに学習指導要領が改訂され、答えは一つという教育から、一つとは限らない答えを探すという教育への、大転換が図られていることを知った。自分の頭で考えて行動できる子どもを育てる。企業の人材育成にも、非認知能力の向上という観点は重要かもしれない。
読了日:02月08日 著者:
西郷 孝彦,尾木 直樹,吉原 毅
ロボ・サピエンス前史(下) (ワイドKC)の
感想無害化するまで25万年かかる核廃棄物保存設備を見守るロボット・恩田カロ子、人類移住可能な惑星探査に向かったロボット・クロエとトビー。訪れる人もロボットもなくなった施設を守り続けるカロ子、成功確率がほとんどゼロに近いミッションが失敗した場合のセカンド・ミッションに移ったクロエとトビーが見た世界とは。一本のSF映画を鑑賞した感じだった。
読了日:02月09日 著者:
島田 虎之介
詩ノ黙礼の
感想「詩の礫」と同時期、2011年6月の出版。震災直後、福島の春の風景、目に映るもの全てに黙礼を捧げる。
読了日:02月12日 著者:
和合亮一
定価のない本の
感想戦後すぐの神保町の古本屋で発生した死亡事件を、同じ古書店の店主が解決に乗り出す。裏でGHQが絡むという陰謀論のような話になっていった。ミステリーとしてはちょっと無理があるかも。
読了日:02月16日 著者:
門井 慶喜
店長がバカすぎての
感想迷惑な客・取次からの配本がないなど、書店員あるあるが詰まってるんだろうなあ。本好きで不満を抱えながら働く書店員の話かと思ったら、ちょっとミステリー要素も。昔の哲学本のベストセラーを思い出した。
読了日:02月25日 著者:
早見和真
Number(ナンバー)1020号[雑誌]の
感想危機に打ち勝つリーダーシップ 日本ラグビー主将に学ぶ。
[完全保存版」大学ラグビー主将名鑑1990ー2020 早稲田/明治/慶應/帝京
[特別インタビュー]大谷翔平
読了日:02月26日 著者:
7つの習慣×アクティブラーニングの
感想主知的な生徒を生み出すために、7つの習慣を取り入れたアクティブラーニング型授業。
小中学校の学習指導要領が改訂され、主体的な人間を育てることに舵を切った日本の教育にも必要な方法論かも。
目指すところを意識させる、他人の意見を積極的に聴く、一人一人考えが違う事を尊重する
読了日:03月08日 著者:
小林昭文
奇岩の世界の
感想岩の写真集。万年・億年単位の火山活動・土砂の堆積・大陸移動・浸食の結果を今見ている。時間の流れに思いを馳せる。緯度と経度も記載されており、Google Mapでの検索も楽しい。
読了日:03月12日 著者:
ハードワーク 勝つためのマインド・セッティングの
感想Audiobookにて。
日本人の短所を長所に変える、長所を「Audiobookにて。
日本人の短所を長所に変える、長所を最大限に活かす「ジャパン・ウェイ」で実力以上の能力を発揮させた。
仕事にも転用できる考え方・アプローチに溢れている。飲みにケーションの利点を説いているのも面白い。
読了日:03月29日 著者:
エディー・ジョーンズ
セレンゲティ・ルール――生命はいかに調節されるかの
感想人間の持つ生命を維持する恒常性と同じ調節機能が、自然界にも作用している。分子レベルと生態系をつないで
理論化ー「セレンゲティ・ルール」と、蝕まれた生態系は回復できるかを実例と共に論じる。
二重否定論理(AはBを抑制し、BはCを抑制する。Aは二重否定を通じてCの増加を促進する)
二重否定論理を基づく調節機能を用いて、バランスが崩れた地域を元に戻そうとするある意味壮大な実験が行われている地域がある事に単純に驚いた。結果が気になる。
読了日:03月31日 著者:
ショーン・B. キャロル
さよならさんかく (講談社の創作絵本)の
感想図書館にて。
「さよならさんかく またきてしかく ・・・」
覚えていたのは、途中から違った覚えたあるが、地方によってちがうのだろうか。最後のページで上下をひっくり返して元に戻って来るのは子供には面白いだろう。
読了日:04月04日 著者:
安野 光雅
塀の中の美容室 (双葉文庫)の
感想女子刑務所で営業を行う美容室「あおぞら美容室」を舞台にした連作短編集。美容師は受刑者、美容師の過去が明らかになっていくメインストーリーだけでなく、「あおぞら美容室」を訪れる一般客の抱える物語が上手く絡まりあって、温かさを感じる一冊。
読了日:04月04日 著者:
桜井 美奈
ご冗談でしょう,ファインマンさん 下 (岩波現代文庫)の
感想プリンストン時代から南米・日本来日、ノーベル賞受賞のくだりが書かれる。初来日時にホテルではなく旅館を楽しもうとする姿がほほえましい。
ファインマンと聞いたとたん思い出してもらいたいのは、ノーベル賞をもらったことでもなければ、理論物理学者であったことでもなく、マンハッタン計画でもななく、好奇心でいっぱいの男だったということそれだけだ、と言っていたそうだが、そんなファインマンさんの信条と人柄が伝わってくる本だった。
読了日:04月08日 著者:
R.P.ファインマン,大貫 昌子
技を伝え、人を育てる 棟梁 (文春文庫)の
感想宮大工・故西岡常一の内弟子を務め、「鵤工舎」を設立。還暦を迎え、代表を退くことで新しい棟梁を育成する決心をした心境、技・伝承・弟子の育成について著者が聞き書きした本。今の時代の育成にそのまま使うと伝わらない可能性が高いと思うものの、基礎の考え方は通じる。
「木に癖があるように人にも癖がある。その癖を見抜いて、活かしてやるのが務めや。木でも若い木は暴れる。年齢のいった木は暴れが少ない。全く人間と同じや。その癖をなかったことにしてみんな同じような人間にしようとしているのが現代や」
読了日:04月08日 著者:
小川 三夫
ちょっとフレンチなおうち仕事 (正しく暮らすシリーズ)の
感想「プロフェッショナル 仕事の流儀」で年間最高視聴率を記録した伝説の家政婦・シマさんの暮らしを紹介。あとがきにあるように、いい意味でこれがフレンチなおうち仕事なのか?という自然体な暮らし。
菜箸は万能な道具、切る作業の9割はペティナイフ、鍋は4個で十分、シンプルな調味料で料理する、などが気にかかった。
読了日:04月16日 著者:
タサン 志麻
THE BIG ISSUE 404号の
感想第5次「コロナ緊急3ヵ月通信販売」で購入。
スペシャルインタビュー 大坂なおみ
特集 にぎわう!空き家いちば
リレーインタビュー・私の分岐点福岡南央子
スイス、非正規滞在者10万人。世間から隠れて暮らす
読了日:04月17日 著者:
存在しない女たち: 男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴くの
感想原題:Invisible Woman Exposing Data Bias in a World Designed for Men
臨床試験、都市計画、交通システム、公衆衛生、社会制度、労働環境、消費者製品などあらゆる分野で女性に関するデータが著しく不足。官民問わず意思決定者・設計者・計画担当者の大部分を男性が占めているために、女性の意見・ニーズが取り入れられず計画や開発が行われている。
世界各国の様々なデータを基に、女性の存在が無視された社会ができあがっている事を明らかにする。
読了日:04月22日 著者:
キャロライン・クリアド=ペレス
理系に学ぶ。の
感想文系人間の著者が、様々な分野の理系のお友達をつないだ対談集。
・しゃべりのうまいプログラマーとか、その時点で能力を疑うし、たいしたことがない。
・こつこつ積み上げた方が論理的に見えるが、それだけでは絶対に月に行けない。
・理系と文系をあまり分けちゃいけない。アーティストだけがアーティストじゃないし、物理学者だって芸術家。
読了日:04月29日 著者:
川村 元気
災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)の
感想ライツヴィルシリーズ 1作目の新訳版。結婚式直前に失踪したが3年ぶりにライツヴィルに戻ってきたジム。予定通りノーラと結婚するが、ジムの荷物から妻の死を知らせる手紙を発見する。殺人事件が起こるまでかなりのページ数を使い、ミステリーだが地方都市での人間ドラマを堪能した感じ。
読了日:05月01日 著者:
エラリイ・クイーン
葬送のフリーレン (2) (少年サンデーコミックス)の
感想魔王城があるエンデを目指す旅に出たフリーレンとフェルン。アイゼンの弟子シュタルクを戦士として仲間に加えて、新パーティーが揃ってきた。
歴史上でもっとも多くの魔族を葬りさった魔法使いという題名の意味が明らかに。
読了日:05月04日 著者:
サプライウェブ 次世代の商流・物流プラットフォームの
感想部材調達からエンドユーザーまで繋がるサプライチェーンから、不特定多数の調達先・納品先と自由につながることができるサプライ・「ウェブ(=クモの巣)」への進化の現状と将来を解説。既にスタートしているサプライウェブプラットフォーマーの実例も豊富に紹介されている(物流・製造・ユーザー・リスクマネジメント各プラットフォーマー)。
現在の延長線上では対応が難しいと思われる2030年以降のニューノーマルな世界をできるだけ予測して、時には既存の市場を捨ててまで対応できなければ、企業として生き残るのは相当難しいだろう。
読了日:05月05日 著者:
小野塚 征志
葬送のフリーレン (3) (少年サンデーコミックス)の
感想精神的には人間(エルフ)が未熟な感じだが、千年も生きていたフリーレン。努力は惜しんでいないし、あっという間の10年と言いながら共に闘ったヒンメルの立ち居振る舞いが、言動にうつっていたり、フリーレンのキャラが深まってきた一巻だった。
読了日:05月05日 著者:
誰も教えてくれない 質問するスキルの
感想ファシリテーションが本書の主目的になっているが、要求理解が困難な理由(言葉・抽象度・意識の壁)、右向き・左向きの思考は、把握しておきたい。上司も部下も常に自責でいなければならないという指摘が、何気に一番大切ではないか。誤字・脱字が目立つのが残念。
読了日:05月08日 著者:
芝本 秀徳
本当はちがうんだ日記の
感想著者らしい自虐ネタに溢れるエッセイ。小学校の卒業文集にあだ名を書く欄があり、あだ名がなかったので「ホムラ」と書いて自爆したというエピソードが微笑ましい。
読了日:05月08日 著者:
穂村 弘
北北西に曇と往け 1巻 (ハルタコミックス)の
感想アイスランドを舞台に、モノと会話できる主人公が探偵業を営む。祖父を含めて特殊能力をもっているようだったり、ちょっと不思議な世界観。日本で別れた弟の再会から、サスペンスな展開に進んでいくとは思わなかった。
読了日:05月09日 著者:
入江 亜季
自転しながら公転するの
感想7年ぶりの長篇小説か、さすがの山本文緒、こんなに重厚な感じだったっけと思いながらも、面白さは変わらない。友人たちが指摘するように都の幼さみたいな部分にイライラしながらも、仕事・結婚・介護、主人公・都と一緒にオロオロしたり、悩んだりした。
日本の行く末はこんな感じになっていくだろう。
読了日:05月12日 著者:
山本 文緒
ニトリ 成功の5原則の
感想「鈍くても遅くても、とにかく前に進め」
何よりも著者が前向きで明るい。この明るさが成功を引き寄せるのかもしれない。
「ロマン」「ビジョン」「意欲」「執念」「好奇心」という
5つの原則がキー。その中でもロマンを持つ事が一番の基礎になりそう。
「今の仕事に全力投球できない者は、希望するポストに移っても、満足な仕事はできない」
「まず命令を果たせ。次に期待を果たせ。そしてさらにそれを上回れ」
読了日:05月14日 著者:
似鳥昭雄
きのうのオレンジの
感想33歳で癌宣告を受けた遼賀と母親・弟、職場の後輩、同級生の看護師らのストーリー。登場人物のほとんどが良い人ばかりだ。弟・恭平とは本当の兄弟ではないが、両親を含めて兄弟としてちゃんと家族になろうと強く願い続けてきたから仲がいいのだという点は、血の繋がりと関係なくそうだと思う。登山靴のオレンジ色がずっと頭の中に残る小説だった。
読了日:05月18日 著者:
藤岡 陽子
空想科学読本 (17) (いちばん強いのは誰!?)編の
感想シリーズ20周年記念の一冊。空想科学読本を読んで理科の先生になった人も出るくらいなのか。「正義のためかもしれないが、地球を滅ぼしかねない愚行ランキング」/「人々に多大な迷惑をかけたと思われる科学者ランキング」といった様々なランキング形式で紹介される。ウルトラ水流も科学的に危ないとは、ジャミラも浮かばれない。
読了日:05月20日 著者:
柳田 理科雄
滅びの前のシャングリラ (単行本)の
感想「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」世界で、繰り広げられるドラマ。突飛な設定の良さ、よくある設定で家族や愛する人や大切なモノが浮き上がる。「52ヘルツのクジラたち」よりも好み。自分に戻った路子に、ようやく繋がった電話口で次々と喋る家族の言葉が良かったなあ。何十年かぶりに「ひとめあなたに」を読み返そう。
読了日:05月21日 著者:
凪良 ゆう
遊廓に泊まる (とんぼの本)の
感想売春防止法施行(1958年)後も転業旅館として営業中の元遊郭を豊富な写真で紹介。2階に上がるためや顔見世の役目を果たす「階段」が印象的な建物が多い。
外国人観光客に人気の宿もあったが、コロナ禍で厳しい状況に直面していることだろう。
読了日:05月24日 著者:
関根 虎洸
ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのかの
感想作業服専門店からアウトドア・アパレルトップメーカーの先頭に立ったワークマン発展の過程を創業からコロナ禍の昨年までをルポ。現専務の土屋氏の入社が契機となり、大きく発展を遂げた。原価率65%、データ経営、高品質・安価のPB商品開発、親子で引き継がれるフランチャイズ店など、他のではあまり聞かれないようなユニークな成功の秘訣に触れることができる。
読了日:05月25日 著者:
酒井大輔
タニタの働き方革命の
感想社員を直接雇用から個人事業主として契約ベースの取引に変更する取り組み。ともすると人件費削減策と捉えられそうだが、就業規則に囚われない主体的な働き方・基礎控除以上の経費計上による手取り額アップなど、社員側にもメリットが生まれる。会社員とフリーランスの良いトコ取りできる制度を作り上げている。人生100年時代と言われ始めた時代において、優秀な社員に長く仕事に従事してもらう方法論の一つとして面白い。社員の不安を払拭するために、一番大事なのは社員と会社、特に経営者との信頼関係だろう。
読了日:05月28日 著者:
図書館の外は嵐 穂村弘の読書日記の
感想週刊文春連載の書籍化。マンガに絵本、俳句・短歌に小説と幅広い読書ガイドではあったが、エッセイのように読めた。松本清張が俳句に親しんでいたとは知らなかった。
読了日:05月29日 著者:
穂村 弘
ひとめあなたに… (創元SF文庫)の
感想「滅びの前のシャングリラ」を読んで、何十年振りかの再読。1週間後に隕石が激突して人類滅亡という事は、さらっと触れられているのみ。桂子が鎌倉までの道中で出会う女性の異常性を際立たせる単なる舞台装置。しかも、現実世界は既に異常であり、1週間後の人類滅亡は、その事を浮き上がらせるためのもの。21歳でこれを書いたとは恐るべし新井素子。夢と現実のはざまに生きる智子の事は覚えていたが、出会ったその他の女性を覚えていなかった事にちょっとショック(チャイニーズスープを忘れていたとは・・・)。
読了日:05月29日 著者:
新井 素子
夜空に泳ぐチョコレートグラミーの
感想「52ヘルツのクジラたち」からデビュー作を。5編の連作短編集。「52ヘルツ~」同様に生きづらい状況を懸命に生きようとする主人公たちが繋がって一つの世界を紡いでいる。長篇よりも短編の方が上手い。連作ではなく普通に短編集を読んでみたい。
読了日:06月02日 著者:
町田 そのこ
いくしゅん ですよねーの
感想日常のちょっと変わった瞬間を切り取った写真集。
ですよねー、というかなんじゃこりゃだな。「ですよねー」という事か。自転車に乗せられた白い犬が通り過ぎていくまでの一連の写真が好き。
読了日:06月05日 著者:
いくしゅん
ブルーピリオド(1) (アフタヌーンKC)の
感想頭が良いが素行不良の主人公が、初めて熱中できた美術に目覚めるストーリー。絵は趣味ではダメなのか、食べていける保証がないなら美大に行く意味は何かと問われた先生の答えが1巻の見せ場。「好きなことは趣味でいい」は大人の発想、頑張れない子は好きなことがない子。
読了日:06月05日 著者:
山口 つばさ
ノマド: 漂流する高齢労働者たちの
感想映画「ノマドランド」の原作本。家を手放し、キャンピングカーで短期の仕事を追い求めて移動する人たち。著者も実際にキャンピングカーで3年間に渡り移動生活を行った。
RTRを主宰するボブの言葉が、他人事とは思えない。
「世間の常識どおりに学校に行き、就職し、懸命に働きさえすればすべてうまくいく。かつての世の中にはそういう社会的契約が存在していた。だが、そんな常識はもう過去のものだ。すべて世間から期待される通りにやってのけて、それでも無一文になったり、一人ぼっちになったり、ホームレスになったりする可能性はある」
読了日:06月10日 著者:
ジェシカ・ブルーダー
成果・イノベーションを創出する ダイバーシティ・マネジメント大全の
感想感染症・テロ・自然災害・戦争などにより、単一化・集約のリスクが高まっている。
集約リスクヘッジ:サプライチェーンの再編・テレワーク。
単一化のリスクヘッジ:多様性ー年代(若手・ベテラン)・外国人・LGBTQ・障害者。
多様性のある人材をまとめながら成果を生み出すマネジメント方法を説く。内容は、思ったよりも広く浅くで、コーチングの基本に近い。
読了日:06月11日 著者:
西村 直哉
犬がいた季節の
感想三重県四日市市の高校に迷い込み飼われることになった犬・コーシローが毎年見送る18歳のストーリー。昭和から平成、F1鈴鹿サーキット、阪神大震災など主人公たちと同年代で懐かしさがあった。どの登場人物も、いくつになってもどこにいても大切な場所が、18歳のこの高校だったみたいだ。
読了日:06月13日 著者:
伊吹 有喜
QJKJQの
感想穂村弘がお勧めしていたので手に取った。猟奇的殺人、その描写で読む人を選ぶだろう。江戸川乱歩賞受賞作とは思えない作風。何が行われているのかわからなかったが、読み進めていくうちに少しずつ明らかに。
読了日:06月20日 著者:
佐藤 究
心理的安全性のつくりかたの
感想心理的安全性の構成要因4点「話しやすさ」「助け合い」「挑戦」「新奇歓迎」。心理的安全な組織は、決してぬるい組織という意味ではなく、高い目標を掲げ健全な衝突が起こる組織の事である。具体的な行動は、行動分析がベース。
読了日:06月23日 著者:
石井 遼介
パリの砂漠、東京の蜃気楼の
感想パリと東京の生活を描いたエッセイだが、私小説のようだった。生きるために書く。退廃的な重苦しい雰囲気が漂う中でも、友達に会い酒を飲みフェスに行く。子供の頃から息苦しさを覚えていた著者が感じる便利な東京と縛りから解かれるフランスの対比も印象的だった。
読了日:06月29日 著者:
金原 ひとみ
あれから―俵万智3・11短歌集の
感想図書館で借りてきたら、2014年に読んでいた。やはり母親の気持ちが伝わってくる。
「子を守る 小さき虫の 親あれば 今の私は これだと思う」
読了日:07月04日 著者:
スタッキング可能の
感想西加奈子がお勧めしていて手に取った。シュールの一言。みんな、入れ替え可能で、入れ替えできない唯一無二の存在というのがわかる。人の心の中が漏れ聞こえたらこんな感じだろうなあ。
読了日:07月04日 著者:
松田 青子
裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち (at叢書)の
感想沖縄の10代から20代のキャバクラや風俗店で働いている女性たちに話を聞いてまとめた本書。
話を聞いたというレベルではなく、産婦人科に付き添うなど辛い時に寄り添い、一人で生きていけるようになるまで見守っている。登場する女性たちが一様にDV、性暴力、貧困などの影響を受けており、それが当たり前かのように錯覚してしまう。
読了日:07月07日 著者:
上間陽子
フォックス家の殺人〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)の
感想ライツヴィル・シリーズ2作目。12年前に妻を毒殺して服役する父の無実を証明するために、デイヴィー・フォックスがエラリー・クイーンに再調査を依頼する。
関係者への聞き取り、状況証拠は父親が犯人であることを裏付けるものばかりだが、絶体絶命の所から、もう何も出て来ないだろうという証拠をしつこく調べる。クイーンの執念勝ち。真相は物悲しい。ライツヴィル・シリーズが面白くなってきた。
読了日:07月10日 著者:
エラリイ クイーン
回復する人間 (エクス・リブリス)の
感想同世代の韓国人作家による短編小説集。
消えてしまいそうな弱さを見せたと思うと、驚くほど強く立ち上がっていく人間を、様々なケースで繊細な表現を用いて描いている。こんな小説が韓国にあったのか。翻訳が素晴らしい。著者は短編小説を「私という人間がときにはよちよち歩きで、ときにはひるまずに強く、ときには闇の中をようやく手探りで歩いて生きてきた記録」と語った事があるとのこと、小説の底に流れている。
読了日:07月11日 著者:
ハン・ガン
カラオケ行こ! (ビームコミックス)の
感想こんな事ないやろうという設定(組のカラオケ大会で一番下手な人間が刺青を掘られるという罰があるので、中学校合唱部部員にカラオケ指南を頼む)だが、読み進めるにつれて、ヤクザと中学生との友情?絆?が深まっていく様に、どんどんページを捲る。恐々付き合っていた中学生のボソッとつぶやくようなコメントが、ポイントをついたアドバイスになっているのも面白かった。
読了日:07月12日 著者:
和山 やま
流浪の月の
感想事実と真実は違う。
居場所を求め見つけた更紗と受け止めた文は、世間的な事実では児童誘拐の被害者と加害者だった。二人の間には深いつながりはあったが、更紗と文の視点で書かれた章を読むと、二人の真実も実はそれぞれ違うものだったかもしれない。更紗と文を形作っている過去が丁寧に描かれている事で、その思いが強くなった。今の世の流れでは、事実ベースの文を賛美するのは憚られるのだろうが、更紗との世界を続けていって欲しい、そう願わざるを得ないラストだった。
読了日:07月13日 著者:
凪良 ゆう
マカロンはマカロン (創元クライム・クラブ)の
感想ビストロ・パ・マルシリーズの3作目。表題作含め、8編収録。ドラマも見つつ、久しぶりに手に取った。
父娘の絆、不倫、ステッププファミリー、LGBTなどテーマは豊富だった。ワイン飲みながらフランス料理を食べたくなって困る。
読了日:07月15日 著者:
近藤 史恵
大阪の
感想大学入学時に大阪にやってきた岸氏と大正区で生まれ育ち東京へ移った柴崎氏の往復エッセイ。淀川沿い・環状線・アメリカ村・鶴橋・阪神大震災、大阪で生まれ育ち重なる時代があるので、その時々の空気間がわかるような気がするし、繊細な表現で描かれた大阪は同じ街なのかと戸惑うところもあった。時には私小説、時にはノンフィクションを読んでいるかのよう。
読了日:07月17日 著者:
岸 政彦,柴崎 友香
1次試験結果発表前から2次試験に向かう直前まで。自分たちの弱さ・強さに向き合って描き続けた事は、合否に関係なく君たちの力になる、大葉先生の言葉が印象的。
読了日:07月22日 著者:
山口 つばさ
ブルーピリオド(6) (アフタヌーンKC)の
感想藝大2次試験スタート。課題のスケッチブック、自分に自信がなく同時に傲慢・戦略的にやれば上手く立ち回れると思い込んでいた「透明な自分」に気づく、受験編のクライマックスだった。
現役合格し大学編がスタートする。
読了日:07月23日 著者:
山口 つばさ
ブルーピリオド(8) (アフタヌーンKC)の
感想課題の掘り下げ「テーマ」と「モチーフ」が興味深い。選んだテーマで、何を表現したいのか/テーマを何に表現したのか/テーマをなぜ表現したいのか。人に伝えるためには、どんな素材・書き方・モチーフ・大きさがふさわしいか。吟味・検討・繰り返す。仕事にも通じる。
読了日:07月24日 著者:
山口 つばさ
今夜もカネで解決だの
感想アエラ連載の書籍化。
こんなに種類が多いのか、そしてこんなに高いのかと驚くばかりのマッサージ数々。そしてこんなに疲れていたのか・・・。
読了日:08月01日 著者:
ジェーン・スー
仕事。の
感想30代 何を想い、何を考え、どう働いていたかを、12人の著名人に尋ねた。
篠山紀信 世界をどうにかしようなんて、おこがましい。
谷川俊太郎 人類全体の無意識にアクセスできる仕事であればいいんじゃないかな。
倉本聰・秋元康、睡眠時間2-3時間の数年間が財産になっている。下積みしておかないと長続きしない、とは今のご時世伝わりづらい言葉だろうなあ。
読了日:08月03日 著者:
川村 元気
日本でいちばん大切にしたい会社5の
感想シリーズ5作目、人を大切にする6社。
1 社会福祉法人北海道光生舎
2 株式会社クラロン
3 株式会社さくら住宅
4 株式会社天彦産業
5 日本植生株式会社
6 株式会社ふくや
読了日:08月04日 著者:
坂本 光司
アンと愛情の
感想シリーズ3作目、成人式を迎え、ちょっと恋バナの影もチラついた。粉山椒のお菓子・料理への展開が気になった。ちょっとおいしそう。
読了日:08月08日 著者:
坂木司
あなたが私を竹槍で突き殺す前にの
感想日本初の女性総理誕生と共に、特別永住者制度の廃止、外国人への生活保護違法化・公文書での通名使用禁止嫌韓・排外主義が進む世界を描くディストピア小説。時代に書かされたと著者が言うように、他のディストピア小説に比べると今との差をあまり感じず、すぐそこにある世界
とも読めた。
読了日:08月14日 著者:
李龍徳
絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできているの
感想化学x人類の歴史。地球・宇宙に存在する物質の性質や物質同士の反応を研究する化学が、人類の発展にどのような影響を与えてきたか。歴史というよりもそれだけ化学が身近なものだと感じた。各項目が短くまとめられており、わかりやすく読むことができる。
火の発見とエネルギー革命
蒸留酒、金・銀への欲望とグローバル化
化学兵器と核兵器
読了日:08月20日 著者:
左巻 健男
月の歩きかたの
感想アポロ11号の地球帰還2週間後に誕生した著者が、月にまつわる記録・エピソードを豊富な写真で紹介。地球上・宇宙から・月での写真など。
読了日:08月20日 著者:
マイケル・カーロヴィッツ
ブスの自信の持ち方の
感想西加奈子のポッドキャストで紹介されていたので手に取った。「ブス」について書くことは劣等感の放出ではない、
個人の悩みに帰着する問題ではなく、社会の加害性に類するもの。
読了日:08月22日 著者:
山崎ナオコーラ
生きるとか死ぬとか父親とかの
感想母親を早くに亡くし、残された父親との関係を描いたエッセイ。母の人生を母親から聞かなかった事を後悔し、父親には同じ轍は踏まないと父と娘をやり直す。ドラマが良くできている、娘・吉田羊 父・國村隼で読んでしまった。
読了日:09月04日 著者:
ジェーン・スー
まんが やってみたくなるオープンダイアローグの
感想フィンランド発の精神療法 オープンダイヤローグの複数の実践例を基に進め方を紹介。1対1のカウンセリングと違い、患者・家族・友人・医師・看護師・セラピストなど
複数人で対話を行うことで進められる。薬を使うことが前提だった統合失調症の治療が、対話で解決する、急性期の治療に効果があるとは驚き。
読了日:09月11日 著者:
斎藤環,水谷緑
サピエンスの未来 伝説の東大講義 (講談社現代新書)の
感想科学者でありイエズス会の司祭でもあったテイヤール・ド・シャルダンの思想、ジュリアン・ハックスレーの進化論から、人類の進化について語る。1996年の東大講義がベースとなっている。シャルダンの考えは、ユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』の下敷きになったか、類似点があった。
「見る」ために、べき乗でものを考える、やっていこう。
読了日:09月13日 著者:
立花 隆
これ、誰がデザインしたの?の
感想デザイン誌『デザインの現場』で2000年4月号から4年間の連載記事の書籍化。歯ブラシ・ノート・タバコ・カップヌードルなど、定番商品のデザインを解説。
読了日:09月18日 著者:
渡部 千春
フルーツポンチ村上健志の俳句修行の
感想本のサイト「好書好日」連載の書籍化。フルポン村上が参加した全国で開催されている句会17の様子を描く。河童やBLがテーマだったり、参加者の俳句をすべて好評する句会、いろいろな句会があって楽しい。
手を組んで死んでいる河童十二月 / 粉ポカリの袋の角で君付く
読了日:09月25日 著者:
村上健志
予測不能の時代: データが明かす新たな生き方、企業、そして幸せの
感想予測不能な世の中では、従来の延長線上に未来があるということを前提にした、計画を基にしたPDCA、仕事の標準化・横展開、内部統制は変化を阻害する要因になる。実験と学習を繰り返すという仕事のやり方の変化を促す。成果が出るから幸せなのではなく、幸せだから成果が出る、最上位の目的に焦点を当たる重要性など、勉強になる内容が多かった。
読了日:09月28日 著者:
矢野 和男
一投に賭ける 溝口和洋、最後の無頼派アスリートの
感想これも事実と真実は違うと言えるノンフィクション。1989年 幻の世界記録を出し、WGPを日本人で初めて転戦した不世出のアスリート 溝口和洋。無頼派というか、やり投げに純粋に向き合い自分の生きたいように生きたことが、他人から見るとそう見えただけ。突然表舞台から去ったように思われているが、その実やり投げがいかに過酷な競技であるかが伝ってきた。
スモールワールズの
感想第165回直木賞候補作、6編の連絡短編集。著者はBL作家。
どんでん返しあり、ホラーの雰囲気漂う話あり、家族のつながりもきちんと描く。様々なジャンルをそれぞれが面白く一つにまとめた力作。
読了日:10月02日 著者:
一穂 ミチ
夢の
感想17年前に読んでいた事を忘れており再読。今まで行った遠い所が戦争がらみか今いる場所の近くというのは時代を感じる。夢で自分史を書きたいと書かれている人が意外と多かった。
読了日:10月09日 著者:
橋口 譲二
ぷしゅ よなよなエールがお世話になりますの
感想社長以下あだ名で呼びあったり、朝礼で雑談したりユニークな取り組みを行うヤッホーブルーイングのチームビルディングを垣間見ることができる。お客様を喜ばせたいという熱意はビンビン伝わってきた。
読了日:10月19日 著者:
井手 直行
THE BIG ISSUE 416号の
感想第7次となった「コロナ緊急3か月通販」の1冊目。
特集 貧困緊急事態 ――コロナ禍の1年半に / スペシャルインタビュー ダニエル・クレイグ / 秋の夜を楽しむ10 冊
読了日:10月24日 著者:
ラブ・ミー・テンダー 東京バンドワゴンの
感想我南人と秋実の出会いを描く、東京バンドワゴン番外編。
前作の英国秘密情報部のストーリー同様に展開が派手。秋実を、キリとみのるを守り助けたいという東京バンドワゴンの皆の思いが熱くてええ話というのが伝わってくる。「LOVEだねえ」がここから生まれていたとは。
読了日:10月25日 著者:
小路 幸也
SOUL OF ANIMALSの
感想マスをくわえるアメリカンブラックベアーの表紙に吸い付けられた。写真雑誌「フォトコン」連載をまとめた本書。
時には荒々しい瞬間があるかと思うと、時には微笑ましい姿を見せてくれる動物たち。アップ・遠景の写真あり、題名の通り生命を写した動物写真集だった。
読了日:10月25日 著者:
前川 貴行
教科書の外で出会う、ぼくらの身のまわりの理科 (14歳の世渡り術)の
感想祖父の蔵で見つけたひみつの書の力によって、日常のふとした理科に関する疑問が浮かぶと、各々の分野の部屋に飛んで解説してもらうようになったポコ太の1か月を漫画で描く。
「森の空気はなぜおいしいの? 」「虹はどうやってできる? 」「花火の音が遅れて聞こえるのはなぜ? 」「色付きスティックのりの色はどうして消えるの? 」
科学・科学・宇宙など理科に関する入門書。
読了日:10月29日 著者:
うえたに夫婦
オルタネートの
感想主人公たち3人を軸にした話があまりうまく絡んでいないので、特に前半は物語に入り込むのに苦労する。面白そうなネタが盛り込まれているので、もっと絞った方が面白くなっただろうと思う。
読了日:11月08日 著者:
加藤シゲアキ
僕が死んだあの森の
感想はずみで隣家の6歳の男の子を殺してしまったアントワーヌの3日間の葛藤・心理描写が中心に描かれる。はたして犯罪は露見しないのか。ルメートルらしい残虐さはないが、どこかに違和感を持たせながらラストの1ページまで引っ張られてしまった。
読了日:11月19日 著者:
ピエール・ルメートル
阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らしの
感想NHKドラマを見て手に取った。二人が六畳一間で生活を共にする二人のゆるいエッセー。40代の女芸人が同居生活するのは何かとしんどいのではないかと思いきや結構エンジョイしている。そんな中「エリコ過多」は笑える。
書き下ろし小説も収録、お姉さんのほうが面白かった。
読了日:11月30日 著者:
阿佐ヶ谷姉妹
インド倶楽部の謎 (講談社文庫)の
感想〈国名シリーズ〉第9弾。生まれてから死ぬまで、運命のすべてが記されているという「アガスティアの葉」。神戸で私的に行われたリーディングセッションに参加した〈インド倶楽部〉のメンバーが相次いで殺される。
ホワイダニットの部分でこれはありそうでなかったのかも。
読了日:12月02日 著者:
有栖川 有栖
推し、燃ゆの
感想「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい」
発達障害らしい主人公が心の拠り所・生きがいである推し・真幸への推し活がリアル。のめり込めばのめり込むほど、学校・家庭・バイト先で微妙に隙間が広がっていく。この違和感、戻ってこれないほど開いてしまいそうな危うさ。巧みな表現で描かれ短い作品だったこともあり一気読み。
読了日:12月03日 著者:
宇佐見りん
真夜中の独りごとの
感想日記が続かないという著者の2001年から2004年にかけての日常メモ。80歳を超えていたのに、国内・海外を法話に観劇に飛び回られるなどバイタリティがもの凄い。小泉政権、イラク戦争への論旨は明快だった。
読了日:12月04日 著者:
瀬戸内 寂聴
朔が満ちるの
感想DVの父親を殺そうとした史也と実の親に捨てられた千尋の生きなおしの物語。中盤からの展開が若干ご都合主義に感じるが、消し去りたい過去と初めて向き合いあう二人の姿を追い続けた。希望が見えるラストでよかった。
読了日:12月07日 著者:
窪 美澄
アロハで猟師、はじめましたの
感想題名と表紙で想像した内容とは少し違っていてちょっと理屈っぽかった貨幣経済ではない物々交換を介したつながりの価値を教えてくれる。狩りの話だけでも読みたかった。
読了日:12月09日 著者:
近藤康太郎
いつか深い穴に落ちるまでの
感想第55回文藝賞受賞作。
敗戦直後に実行されたブラジルまでの直通の穴を掘るという極秘プロジェクト。科学的なツッコミはなしとしてもほら話にもほどがあるが、仕事とはこんなものという日本のサラリーマンの皮肉を書いたのだろうか。ラストは日本軍の行く末のようでもあった。
読了日:12月13日 著者:
山野辺太郎
静かに、ねぇ、静かにの
感想短編3篇、どれも不協和音が流れているような薄気味悪さが漂う。どの主人公も自分の頭の中の理想の世界と現実の世界とのずれに苦しみ、修正する術をしらない人たち。主人公の苦しさを感じているのかもしれない。
読了日:12月14日 著者:
本谷 有希子
SPY×FAMILY 8 (ジャンプコミックス)の
感想クルーズ船でのヨルの任務、どれだけ敵がいるんだというド派手な戦闘シーン満載だが面白さが戻った。死にそうになりながらも、死んだらクリーニングに出したロイドのシャツを取りに行けないと考えるギャップにぐっとくる。次巻が楽しみ。
読了日:12月14日 著者:
遠藤 達哉
山女日記の
感想「告白」のイメージが強かったので、いい意味でこんな普通の小説も書いているのかと感心。仕事、恋愛、夫婦関係、将来など自分のイメージ通りにいかない女性が、山を登ることで自分の進む道を見出していく連作短編集。続きも読みたい。
読了日:12月16日 著者:
湊 かなえ
九条の大罪 (1) (ビッグコミックス)の
感想加害者を弁護するアウトロー弁護士・九条。倫理と法律とどちら側に立つかで、見方が変わるなあ。胸糞悪くなる話が多いけど、現実を考えると九条弁護士の振る舞いが正しい場合があるかも。「闇金ウシジマくん」は未読だが、面白かった。
読了日:12月17日 著者:
真鍋 昌平
NHK俳句 夏井いつきの俳句道場の
感想月間NHK俳句テキストの連載。募集句を素材にして「難しい俳句」へのアプローチを分析。
第一部「俳句道場 むずかしい俳句に挑む」テレビの語り口同様に、類句や凡人の句をぶった切っているのが見られる。
第二部「俳句道場 動物俳句の知られざる世界」江戸家小猫との特別対談収録。
読了日:12月18日 著者:
夏井 いつき
釈迦の
感想釈迦の弟子・アーナンダが語り手となり、入滅前の80代の釈迦の姿を描く。「真夜中の独りごと」で、著者が80代で全国を飛び回りながらこの小説を書いていると読んだが、思いが重なるように感じた。
読了日:12月27日 著者:
瀬戸内 寂聴
THE BIG ISSUE 421号の
感想特集 となりのコロナ / スペシャルインタビュー レア・セドゥ / カリブ海、サンゴ再生のモデルケース、海底の“苗床ツリー”で育つ / 「路上博物館」。3Dプリンター製の骨格標本が主役
読了日:12月30日 著者:
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